コラム
【06.03.07】「人工透析患者の実態を政治家や役人にみてほしい」
東京の腎臓病患者の会、NPO法人東腎協のみなさんとの懇談で出された声です。
人工透析には高額の医療費がかかるからと、透析中の食費を保険外とするなど、これまでにも狙い撃ちにしたような、医療費抑制策が押し付けられてきました。
今度は、夜間・休日の透析を行う病院に払われる診療報酬の加算分をなくそうというのです。
夜間労働、休日労働は、割り増し賃金とすることが労働基準法の定めです。当然、平日日中と比較して、病院の経費が膨らみます。
それなのに加算をやめたらどうなるか、スタッフの人員カットなどで補ったり、夜間・休日やめてしまう病院が出てこないとも限りません。
2日に1回、6〜7時間をかけて全身の血液を機械を通して「ろ過」する、これは体にとっても、患者さんの日常生活にとっても大きな負担でしょう。
「患者の負担がふえるような『見直し』ばかり出てくるが、この実態を知っているのでしょうか」
「医療費が増えて困るというのなら、病気を重症化させない努力が必要。人工透析にいたらせないよう、軽症の患者、糖尿病予備軍の人に、どんな対策をとっているのか」等々。
「医療とはこうあるべき、という理念が今の政治に感じられない」と会長さん。
長い闘病生活と、患者さんたちを支える活動のなかで、こみあげる思いなのでしょう。
診療報酬の問題は、まさに焦点。患者さん、医療現場の声が生かされる道をあきらめずに追求しましょう。