日本共産党 田村智子
コラム

かんさつとしいく図鑑 とんぼ やご くらしとかいかた

(番外編)とんぼ やご くらしとかいかた(番外編その2・ヤゴのその後)

 
小学校のプール開き前、息子たち2年生は「ヤゴ採り」授業を楽しみました。
3匹のヤゴが我が家の仲間入りとなりました。

ヤゴの食餌はダイナミック。
ガサっと音がするほどの勢いで下あごを伸ばし、一瞬にしてつかまえます。
熱心にながめているうちに、私や息子がヤゴをのぞきこむと、ヤゴも顔をこちらにむけ、じーっと見つめるようになりました。

 「えさはまだ?」と催促しているとしか思えません。こんなことでは自然界で生きられないぞ・・・。

ある晩、暗がりのなかでヤゴをみると、やけにしろっぽくなっています。「来てごらん!」と息子をよび、体半分脱皮したヤゴをしばし観察。
脱皮のたびに、顔つきはトンボらしく、背中のふくらみは羽らしくなっていきます。

せっかくだから「とんぼ やご くらしとかいかた」という本(手ごろな図鑑)を入手しました。
トンボになる様子の連続写真をみて、息子の関心は高まり、絶対にトンボになるところをみるとはりきっています。
収納ケースをつかった自家製「トンボ池」の作り方も紹介してあって、試してみたくなります。

 余談ですが・・・
ヤゴを買い始めて1週間ほどがたったある日。
川(古墨田川)で釣りをしているおじさんから、「大きなザリガニがかかったから、もっていくか?」と声をかけられました。
見ればレジ袋に見事なアメリカザリガニが3匹。
コクンとうなずき手をだしたのは、生き物が苦手なはずの娘(このときもうすぐ4歳)。レジ袋をもって意気揚揚と家に向かって歩きだしました。

おじさんの姿がみえなくなったところで「川にかえしてあげようよ」と娘を説得するのですが、「ダメ、お家にもってくの!」の一点張り。
仕方なくバケツにいれてベランダにおくと・・・。
「トンボになるかな」----お兄ちゃんのヤゴがうらやましかったのですね。

翌朝、ザリガニの姿みえず、ベランダのあちこちでガサガサという音が。大騒ぎをして探し出し、結局、川に返すことになりました。

番外編その2
ヤゴのその後

3匹のヤゴですが、トンボになったのは1匹でした。
最初に羽化しそうだった1匹(息子の命名「デカデカくん」)は、水槽にさしたわりばしを何度かのぼっていたのに、羽化せずヤゴの形のまま死んでしまいました。
次の1匹(「ナガナガくん」)は、なんと羽化の途中で力尽きたのです。

これには私も息子もショックをうけ、なにがいけないのかと思い悩みました。
そのとき、新聞をみていた夫が「今日から夏休み電話相談がはじまるよ」と、電話を息子に手渡しました。
NHKのラジオ第一放送「夏休み子ども科学相談」です。
幸い電話がつながり、受付のお姉さんに息子が一生懸命に話しました。
「ヤゴが3匹いたのに、もう少しでトンボになるところで死んじゃったんだけど、あと1匹どうしたらトンボになりますか」。
その場で答えてもらえると思っていた息子は、「電話を切って待っていて」と言われ不審顔。

待つこと15分。電話がなりました。「君の質問に答えることになったので、今日は外に出かけないで待っていてね」
ラジオ生出演が決定! でも息子にはラジオだとは教えませんでした。大変な恥ずかしがりやですから。

朝9時過ぎ、番組が始まりました。「今年最初の質問です」!
親子して緊張しました。息子もさすがにラジオと関係あるらしいとわかっていたようです。
専門家の答えは、(1)エサ、赤虫だけでなくメダカやおたまじゃくしをあげる。(2)夜はちゃんと暗くなるように。(3)水槽のなかに隠れるところをつくる。などでした。

思い当たることはあります。水から出たヤゴをみるために、夜カーテンをあけてベランダをみて、わずかではあれ明かりを当ててしまいました。警戒心の強いトンボは、危険を感じれば羽化をやめるかもしれません。
ベランダの正面が駐車場で、夜、照明があたることもよくなかったかもしれません。

3匹目は水槽も変え、近くの古隅田川でどうにか小魚(鯉の子どもでしょう)をつかまえ、夜は真っ暗になるように、昼間も薄暗くなるようにしてみました。
その甲斐あってトンボになれたのかどうか、よくわかりませんが、とにかくほっとしました。

気候も夏らしくなかったことも一因かもしれません。いずれにしても、羽化することが虫にとってどんなに一大事なのかを思い知った経験でした。