【06.03.08】革靴をつくる職人のみなさんを訪ねました。
台東区
台東区の浅草地域、路地に入ると革靴やサンダルをつくる小さな作業所(民家)があちらこちらに見えてきます。
この数年、安い革靴が大量に輸入され、都内の事業所は半減しているとのこと。
職人のみなさんの組合(東京靴工組合・サンダル製靴一般労組)などが「革靴の大量輸入阻止、地場産業を守る実行委員会」をつくり、この問題で政府交渉なども行っています。
笠井あきら衆院議員、小池晃参院議員ともに、事業所を訪ね実行委員会のみなさんからお話をお聞きしました。
パーツを形にしていく「製甲」。作業場には接着剤の臭いがたちこめています。
健康被害もある有機溶剤。一般の工場ならば、換気、作業時間、健康診断など法律にもとづく対策がとられなければなりませんが、職人さんは自らが「経営者」とみなされるため、抜け穴になっています。
一人で作業するご主人。細かい作業の連続に目をみはりました。
足の甲にできるだけ負担を与えないよう、一番前の(指の付け根の上の部分)は、裏表の革を貼り付けたあと、のりしろ部分に細かなカットを入れていきます。1人前になるのに4年かかったとのこと。これで1足の方をつくって工賃は400円。
皮革を裁断してパーツをつくる事業所、靴底をはりつけて製品にする事業所も見学。
「工賃は何十年も変わっていない」という声も聞きました。
革靴は、数箇所の事業所で職人さんの手が加わって作られていくのです。
大量輸入に押されて、このものつくりの技術が根絶やしにされてしまう危機を迎えています。
「不安定な仕事」「工賃も低すぎる」、とても跡をつがせられないと、60代の職人さんだけで仕事をしているのが実態だそうです。
一人前になるのに年月も必要、その見習いさんの給料だけでも補助できないものなのか、と思います。
一流の品物を作り出す産業、技術の伝承が絶たれれば、その復興にどれだけでの時間と費用がかかるのか・・・。
一日も早い対策が必要です。