日本共産党 田村智子
コラム

【13.09.21】高校生からの質問への回答(3)

首都圏の高校に通うAさんから夏休みの課題のため質問を頂きました。Aさんには既に回答を差し上げていますが、夏休みも終わったので、三回に分けてアップしています。(スタッフ)

民主主義とは何か、今の日本は民主主義か

 物事を決める時、権力を持つ人が一方的に決定したり、ごく限られた人だけが決定に関わるのではなく、すべての人がその決定の過程に関わることができるようにする、それが民主主義だと考えます。
 日本国憲法は、民主主義にもとづく日本社会をつくることを目的としています。国会議員を選ぶというのは、自分の意見を代弁する人を選ぶということで、国民は正当な選挙で選ばれた国会議員を通じて、自分の意思を国政に反映するという仕組みをつくりました。これは、日本の民主主義の土台といえるでしょう。
 しかし、選挙で1票を入れても、選挙区で1人しか当選できない仕組みが、衆議院でも参議院でもみられます。これでは、多くの国民が自分の代弁者を国会に送ることができません。また、選挙に行かない国民が増えていることも問題だと思います。民主主義は、国民の力によって発展もするし衰退もします。
それだけに、国民の選択がそのまま国会の議席につながるような選挙制度に変えていくこと、多くの国民が選挙にもっと自由にかかわれるようにすることが大切だと思います。

 選挙権のない国民にとっても、民主主義は無関係ではありません。
 自分に関わる物事について、意見を述べる、意見を聞く、物事の決定に自分が関わる――たとえば学校の校則も、「決まりだから従うのは当たり前」ではなく、生徒が意見を言う、生徒会やPTAで話し合う、多数決で決める時も少数意見をちゃんと聞く、こういう経験を学校のなかで積み重ねることが、民主主義の担い手を育てる力だと思います。

 学校でも会社でも、政治のことでも、誰かが決めたことに従うということが、たくさんあるでしょう。権力を持っている人、地位が高いと言われる人が勝手に決めてしまう場合もあれば、多くの人が意見を言う機会を使わずにいるという場合もあるでしょう。
 日本社会に民主主義を花開かせるためには、誰もが意見を言って当たり前にしていかなければと思います。
「みんなと違うのが怖い」「意見を言ったらどう思われるか不安」「黙っていた方が楽」、こういう気持ちが広がれば民主主義は眠り込んでしまいます。違う意見は面白い、そこから発見がある、話し合うと自分の考えの発展がある、みなさんの学校が、こういう体験を育くむ場であってほしいと心から願っています。


2013年7月31日
日本共産党 参議院議員 田村智子