戦後80年の節目の今年こそ、今国会で救済法の成立を―。民間人空襲被害者の救済法成立を目指す「全国空襲被害者連絡協議会」(全国空襲連)は4日、衆院第1議員会館で集会を開きました。吉田由美子共同代表は「救済法案の国会提出を待ち続けています。今年は節目の年、ラストチャンスと期待しています。あと一歩です」と訴えました。
日本政府は軍人・軍属やその遺族などには60兆円以上の年金を支払ってきた一方、民間人の空襲被害者にはいまだに補償を拒否しています。国は、戦争被害などを国民は等しく受忍しなければならないという「受忍論」に固執しています。
超党派空襲議連の国会議員があいさつしました。日本共産党の田村智子委員長・衆院議員がメッセージを寄せ、小池晃書記局長・参院議員、山添拓政策委員長・参院議員があいさつしました。小池氏は「党派を超えてやろうということになっている。国籍条項は外すべきだと思う。戦後80年、今年こそ解決しないといけない」と述べ、山添氏は「受忍論の理屈をそのままにはしておけない。空襲による爪痕を長きに背負ったままの人の思いに向き合ってほしい」と話しました。
平沢勝栄議連会長・自民党衆院議員は、名古屋市が空襲被害者に実施している援護見舞金制度に触れ、「名古屋でできたことがなぜ日本でできない」「ネックは自民党の一部の一部の一部が反対している」ことだとし、石破茂首相は理解を示していると述べました。
黒岩哲彦空襲連運営委員長は「今月が山場だ」と強調。「今月の予算委員会での野党の質問で石破さんに『法律を成立させます』と言わせるのが大事だ」と話しました。
法案は心身に障害を負った存命の被害者に1人50万円を「一時金」として給付するとしています。国が空襲被害の実態調査と追悼事業、平和祈念事業を行い、担当省庁は厚生労働省と明記しています。
集会には日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がメッセージを送り、日本弁護士連合会(日弁連)があいさつしました。
2025年3月5日(水) しんぶん赤旗