第217通常国会が24日、開会しました。会期は6月22日までの150日間。石破茂首相が衆参両院の本会議で、施政方針演説をしました。昨年の総選挙で下された国民の審判を受け止めることなく、「日米同盟絶対」「財界・大企業中心」加速の姿勢を示しました。日本共産党の田村智子委員長は党国会議員団総会で、「国民とともに、国民の要求で、自民党政治を終わらせる決意で奮闘しよう。参院選・都議選での躍進の力となる国会論戦に挑もう」と訴えました。
田村氏は、自民党が妨害してきた選択的夫婦別姓や、学校給食の無償化、高校の学費負担ゼロを、国民の運動との連帯で国の制度とするよう求め、「大学学費値上げストップ」「消費税減税・インボイス廃止」「現行の健康保険証の存続」などについて、他党に「積極的に働きかけ、法案提出や国会審議で実現を迫るために、あらゆる力を尽くす」と力を込めました。
昨年の臨時国会からの宿題として「政治改革」が大きなテーマだと強調。裏金議員らの証人喚問なくして真相解明はできないと指摘し、「裏金をはじめ、『政治とカネ』の問題の根を断つには、企業・団体献金全面禁止がどうしても必要だ」と主張しました。
田村氏は、来年度予算案にどう立ち向かうか、「野党の立場が厳しく問われている」として、与党とのなんらかの合意で予算案に賛成する対応では、自公政権の延命に手を貸すことになると強調しました。
そのうえで、予算案には大幅賃上げや消費税減税をはじめ「暮らしのための予算や施策が何もない」と指摘し、その一方で、半導体大企業への巨額補助金や原発の新たな開発など「財界・大企業の要望に惜しみなくこたえる異常な予算」だと批判。最も重大なのは軍事費が8・7兆円にも上ることであり、「『日米同盟絶対』『財界・大企業中心』のゆがみに切り込み、予算案の抜本的組み替えを求めてたたかい抜く」と力を込めました。
トランプ米大統領が掲げる「米国第一」は、国連憲章・国際法にもとづく平和秩序に背を向けるものだと批判。「日本政府はそれでも『日米同盟絶対』の姿勢を続けるのか」と述べ、戦後80年の今、世界の平和の本流はどこか、唯一の被爆国として日本が歩むべき道はどこかについて、日本共産党の抜本的な外交的対案「東アジア平和提言」を掲げ「正面から問う国会にしよう」と呼び掛けました。
日本共産党の田村智子委員長が24日の党国会議員団総会で行った、通常国会開会にあたってのあいさつは次の通りです。
通常国会の開会にあたり、あいさつを行います。
今国会は、国民から「ノー」を突きつけられた自公政権のもとで、2025年度予算案をはじめとした国会審議が行われます。そして、都議選・参院選という連続した選挙を前にした本格論戦の国会となります。石破政権は、与党だけでは予算案も、法案も成立させることができない危機的な状況にあり、大きな激動をはらむ流動的情勢だということを、まず強調したいと思います。
このもとで、国民が自民党政治に代わる新しい政治を模索・探求する「新しい政治プロセス」を前に進めるために、日本共産党はどういう役割を果たすのか――今月行った第4回中央委員会総会で、参議院選挙をたたかう基本方針とともに打ち出しました。国会議員団のみなさんが、4中総決定実践の先頭にたって、国民とともに、国民の要求で、自民党政治を終わらせる決意で奮闘しようではありませんか。そして、参院選・都議選での躍進の力となる国会論戦に挑みましょう。このことを、まず心からよびかけるものです。
国民の切実な要求で、国民とともに政治を動かす
石破政権は、総選挙での国民の審判にまともに向き合おうともしていません。裏金事件に無反省で、企業献金にしがみつく。そして、これまでと何も変わらない「日米同盟絶対」「財界・大企業中心」の政治をさらに加速させようとしています。こうした自公政権に対して、最近の世論調査でも、今後の政権について「自民党以外が良い」との回答が多数となるなど、国民の批判はさらに強まっています。石破政権は、一部野党を抱き込んで小手先の取り繕いで危機を乗り越えようとしていますが、国民との矛盾をいっそう深めることになるでしょう。
日本共産党は、さまざまな分野での国民の運動と連帯し、国会の審議を通じて国民の前で、国民とともに政治を動かし、要求の実現へとあらゆる力を尽くす、このことをまず表明したいと思います。
自民党が妨害してきた選択的夫婦別姓は、実現を求める長年の運動に応え、今国会で民法改正の法案審議に踏み出して実現すべきです。学校給食の無償化では、私たちは全国各地で市民とともに運動に取り組み、地方議会で突破口を開いてきました。高校の学費負担ゼロとともに、運動の力で国の制度にと求めていこうではありませんか。
「大学学費値上げストップ」「消費税減税・インボイス廃止」「現行の健康保険証の存続」など、総選挙で公約したすべての党に積極的に働きかけ、法案提出や国会審議で実現を迫るために、あらゆる力をつくす決意を表明するものです。
総選挙によって国会が変わった、主権者である国民の要求で政治は動かせると実感できるような情勢をつくりだしていきましょう。あらゆる分野での国民の運動と連帯して、国会内外で全力をあげることをよびかけるものです。
「政治改革」――カネで動く政治を終わらせる
今国会は、昨年の臨時国会からの宿題として、「政治改革」が大きなテーマとなります。
総選挙後、衆議院・参議院ともに政治倫理審査会が相次いで行われましたが、真相を解明しようとせず、自らの責任も棚上げする弁明のオンパレードです。一連の政倫審で明らかになったのは、裏金議員とくに安倍派幹部の証人喚問、そして安倍派会計責任者をはじめとする関係者の国会招致なくして、真相解明はできないということではないでしょうか。
自民党の裏金づくりは、地方議員にも及んでいます。「しんぶん赤旗」日曜版のスクープにより、都議会自民党の裏金に捜査が入り、会計担当職員が立件されました。共産党都議団が入手した資料には、2019年に行われた政治資金パーティーについて、「都連所属衆参議員46名、1人30枚配布」とあり、パーティー券が国会議員にも配布されていたということです。地方議会だけの問題では済まされません。自民党全体の徹底した調査と報告を求めるとともに、都議選・参院選でも自民党への厳しい審判をくだそうではありませんか。
裏金をはじめ、「政治とカネ」の問題の根を断つには、企業・団体献金全面禁止がどうしても必要です。昨年の臨時国会では、石破首相が「企業献金の禁止は憲法に抵触する」という前代未聞の暴論まで主張し、何がなんでも企業献金を温存しようという姿勢をあらわにしました。日本経団連による自民党の政策評価、これと一体の企業・団体献金によって、どれだけ政治がゆがめられてきたか。この間、わが党は繰り返し追及してきましたが、改めて企業献金のわいろ性をこの通常国会で徹底的に明らかにし、企業・団体献金の全面禁止をなんとしても実現していこうではありませんか。
2025年度予算案にどう立ち向かうか野党の立場が問われる
2025年度予算案に、どう立ち向かうか。野党の立場が、厳しく問われています。
メディアでは、野党のなかに、与党との協議でなんらかの合意を得て、予算案に賛成する動きがあると報道されていますが、こうした対応では、国民の要求に本当の意味で応えることはできず、それどころか、石破自公政権の延命に手を貸すことになります。
日本共産党は、国民の要求を一つひとつ実現するために力をつくすとともに、来年度政府予算案に骨の髄までしみこんでいる「財界・大企業中心」「日米同盟絶対」という自民党政治の「二つのゆがみ」に正面から切り込み、政府予算案の抜本的組み替えを求めてたたかいぬきます。
暮らしの困難を打開するには、大幅な賃上げ、それと一体の労働時間短縮に踏み込むことが不可欠です。石破首相や日本経団連は、「高水準の賃上げを実現した」といいますが、それは実質賃金の低下という現実を見ないものです。さらに、今の暮らしの苦しさの根底には、30年間、賃金が上がらなかったという大問題があります。下がり続けた実質賃金を取り戻す、正真正銘の大幅賃上げの目標をもつべきです。そして、大企業の史上最高の利益が、賃上げにも単価引き上げにも回らず、巨額の内部留保が膨張を続けるという経済のゆがみに切り込んでこそ、大幅賃上げはかちとれます。
また、税制では「年収の壁」が焦点のように扱われていますが、課税最低限の引き上げは必要ですが、それだけでは、年収103万円に届かない3000万人を取り残すことになります。生計費非課税、応能負担の原則に立ち、消費税廃止を目指してただちに減税し、もうかっている大企業・富裕層への公正な税負担へと、抜本的な税制改正を行うべきです。
来年度予算案には、こうした暮らしのための予算や施策が何もないどころか、またも物価高騰に追いつかない年金、高額医療費の負担増など、本来必要となる社会保障の予算を1300億円も削減しようとしています。これでは暮らしの困難をいっそう深刻にしてしまいます。また、能登の被災者が切望する被災者生活再建支援金の増額と対象拡大も盛り込まれていません。その一方で、半導体など特定の大企業への巨額の補助金、原発の新たな開発など、財界・大企業の要求には惜しみなくこたえる異常な予算となっています。
最も重大なのは、軍事費が8・7兆円にものぼることです。「安保3文書」の閣議決定以降、3年間にわたり毎年1兆円を超えて軍事費が増えるという、タガが外れた放漫財政を許すのかどうか、これは予算審議の焦点です。その中身も、外国を攻撃するためのミサイル配備、日米一体の「敵基地攻撃」態勢を整備するなど、「戦争の準備」「戦争国家づくり」そのものです。暮らしも平和もいっそう脅かす大軍拡に、断固反対の声をあげようではありませんか。
わが党は、暮らしのための積極財政の提案を、責任ある財源論とセットで明らかにしている唯一の党です。タガが外れた大軍拡、財界・大企業への大盤振る舞いという放漫財政をただし、暮らしの予算を思い切って拡充する組み替えの提案を掲げ、徹底的に石破政権と対決しようではありませんか。
「財界・大企業中心」「日米同盟絶対」という「二つのゆがみ」に切り込むからこそ、責任ある財源論とともに、暮らしの全体を応援する政策の実現へ力をつくすことができる――ホンモノの改革の党として奮闘しましょう。
戦後80年、「日米同盟絶対」でよいのかを厳しく問う国会に
アメリカではトランプ新大統領が就任しました。「米国第一」を最優先し、パナマ運河を「取り戻す」「領土を拡大する」などと宣言し、気候危機打開への合意「パリ協定」や世界保健機関(WHO)からの離脱、移民の強制送還などの大統領令に次々とサインする姿は、国連憲章・国際法にもとづく平和秩序に反し、人類が国際協調によって解決すべき死活的な課題に背を向けるものです。
今日の世界は、米国一国の思い通りになる世界では決してありません。トランプ大統領のこうした「米国第一」の姿勢は、国際社会との矛盾を深め、日本国民との矛盾を広げざるをえないでしょう。日本政府は、それでも「日米同盟絶対」の姿勢を続けるのかが、厳しく問われます。
今年は戦後80年です。寺島実郎氏は、1月10日付「毎日」のインタビューで、次のように述べています。「20年後の45年には、敗戦から100年となります。私が投げかけたいのは、敗戦から100年たった時点でも、今の日米地位協定の下、日本に米軍基地が存在し続けているのか、という極めてシンプルな問いです。戦後間もない頃に進駐軍が敗戦国にとどまる例は世界にいくらでもあります。しかし100年たっても外国の軍隊が駐留していて構わないという感覚を持つ国は、国際政治の世界で『独立国』とは言えません」
沖縄をはじめ、米軍基地があるがゆえの米兵等による性暴力事件、繰り返される重大事故、騒音被害、対中国包囲網の最前線でミサイル基地化する日本、そしてアメリカの核使用にまで関与しようという拡大抑止――「日米同盟絶対」で良いのか、世界の平和の本流はどこにあるのか、唯一の戦争被爆国として日本が歩むべき道は何か、日本共産党の抜本的な外交的対案――「東アジア平和提言」を掲げ、正面から問う国会にしようではありませんか。
参院選・都議選勝利の活動と一体に党づくりを
最後に、全党はいま、参院選・都議選勝利にむけた取り組みと、世代的継承を軸とした党づくりを一体に進めようと奮闘を開始しています。この活動を一気に飛躍させるために、4月末を期日とする「500万要求対話・党勢拡大・世代的継承」の大運動をなんとしても成功させましょう。国政で私たちが国民の要求にこたえ、どういう奮闘をしているか、対話でも大いに知らせて、支部と党員のみなさんを激励し、全党の運動にしていきましょう。これこそが選挙勝利への道だと固く決意し、奮闘することをよびかけてあいさつとします。ともに、がんばりましょう。
2025年1月25日(土) しんぶん赤旗