地方自治法改定案が国会で審議される中、その問題点に迫り、異議の声をあげていこうと14日、参院議員会館で院内集会がありました。改憲問題対策法律家6団体連絡会と総がかり行動実行委員会が主催し、70人が参加。オンラインでも50人が視聴しました。
田中隆弁護士は同改定案の問題点を解説。
「目的」の一つとされる災害対策について、「東京からの遠隔操作で対応するとの思考は災害対策のねじ曲げ」だと強調しました。
また、改定案の「国の包括的指示権」は、「安全に影響が出ていないような有事の『おそれ』でも発動が可能で、自治体は全面的に戦争体制に組み込まれる」と指摘。「対処にあたる自治体や職員の声を国会へ届けよう」と述べました。
岩手自治労連の新沼優書記長は、東日本大震災の経験から「事前の準備のない災害対応はできず、(その対応のない)改定案は不要」と言い切りました。
金沢市の森一敏市議(みらい金沢)は「能登半島地震で被災した家屋の公費解体は進んでいないが、これが国からの『指示権』で解決されるとは思わない」と語りました。
沖縄県石垣市の内原英聡市議(ゆがふ)は「今回の改定案で、住民の意思がないがしろにされないか、懸念する」と訴えました。
東京都世田谷区の保坂展人区長はビデオメッセージで「新型コロナ対応では、区から国に対し積極的な提案を行った。国からの指示を待つだけでは的確な対応はできない」と述べました。
各党国会議員が出席。日本共産党からは、田村智子委員長、宮本岳志衆院議員、伊藤岳参院議員が参加しました。田村氏は「今国会は、憲法があっても、それをなきものにしようとする数々の立法化が進んでいる。衆院の段階で、改定案を廃案に追い込むことに、みなさんと力を合わせていきたい」と強調しました。
2024年5月16日(木) しんぶん赤旗