日本共産党の田村智子委員長は26日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見しました。財界の利益最優先、米国いいなりの自民党政治からの転換を主張。初の女性党委員長として、ジェンダー平等の実現への決意を表明しました。
田村氏は、裏金事件で揺れる自民党には「政権党としての資格はない」と批判。事件の背景に、企業・団体献金で政治をゆがめる異常な実態があると指摘し、「日本経済の長期停滞を打破するには、国民の生活と権利を保障する経済システムがカギになる」として、男女の雇用・賃金格差の是正など人権重視の経済システムが必要だと訴えました。
平和の問題では、「日本の安全保障の土台は、侵略戦争の反省に立った日本国憲法への信頼にある」と述べ、憲法9条を生かした外交への転換を強調。「暮らしでも平和でも希望がもてる日本へ、どんな困難があろうとも切り開く決意だ」と力を込めました。
記者からは、ジェンダー平等にかかわる質問が相次ぎました。
女性リーダーを増やすために何が重要かと問われた田村氏は、「生理、妊娠、出産などを社会全体でサポートする体制を政治の力でつくることが不可欠だ」と強調。「私も、周りの協力を得ながら力を伸ばしていくという思いで、委員長の責務を担っている」と述べ、「多くの女性の皆さんに、決断と挑戦をしてみようと呼び掛けたい」と語りました。
「伝統的な共産主義の政策と違う」との感想に、「日本は豊かな生産力があり、民主的なシステムも構築されてきた」と指摘。「発達した資本主義国で、利潤第一主義から脱却すれば人間の自由が実現する。これが私たちの目指す未来社会だ」と強調しました。野党共闘については「国民が切実に求める緊急的な課題で一致する野党と、大いに力を合わせたい」、ロシアのウクライナ侵略については「国連憲章を守れとの一点で世界が連帯し、侵略戦争をやめさせることが必要だ」と答えました。
2024年3月27日(水) しんぶん赤旗