一、東日本大震災から13年を迎えるにあたり、犠牲になられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災者のみなさんに心からのお見舞いを申し上げます。あわせて、今年1月1日に起きた能登半島地震で、犠牲になられた方々に哀悼の意を表します。厳しい避難生活を送られている方々はじめ被災者のみなさんに心からのお見舞いを申し上げます。生活再建と復興への努力をねばり強く続けておられるみなさんに敬意を表します。日本共産党は、被災者の暮らしと生業(なりわい)の再建、被災地の復興のために、国民のみなさんとともに力を尽くします。
一、東日本大震災の被災地からは、甚大な被害に加え、深刻な不漁、新型コロナ禍、物価高騰の〝四重苦だ〟という痛切な声が上がり、復活した水産加工業者や旅館などが借金で立ちゆかなくなることも起きています。被災者の高齢化や孤立・孤独死など新たな困難に対して、心のケアやコミュニティーの維持・継続などへの支援が必要です。被災者の状況に応じた支援に中長期的に取り組んでいくことが求められているにもかかわらず、政府が支援策の縮小・打ち切りを進め、復興特別所得税の約半分を大軍拡の財源に充てるなど断じて許せません。被災者支援、暮らしと生業の再建に国が責任を果たすことを強く求めます。
一、東京電力福島第1原発の重大事故の深刻な被害は今も続いています。収束の見通しもたたず、多くの人たちが故郷を奪われ、今も数万人が避難を余儀なくされています。溶け落ちた核燃料に触れた放射能汚染水が大量に発生し続け、漁業関係者や三陸沿岸の自治体などの反対や懸念を無視して「ALPS処理水」の海洋放出が強行され、建屋外への高濃度汚染水漏れや、汚染廃液飛散などのトラブルが続出しています。能登半島地震でも、志賀原発、柏崎刈羽原発で深刻なトラブルが相次ぎ、地震で道路が寸断されるなど「避難計画」が「絵にかいた餅」にすぎないことが明らかになりました。ところが岸田政権は、原発事故の甚大な被害と福島県民の苦難をなかったことのようにして、原発の再稼働、老朽原発の運転延長などの原発回帰に突き進んでいます。地震・津波国の日本で原発を稼働させることは許されません。「原発ゼロ」の日本こそ目指すべき道です。
一、東日本大震災の痛苦の教訓を生かすことが政治に求められます。被災者からも、被災自治体からも「同じ苦しみを繰り返さないで」という声があがりました。しかし、能登半島地震などの大災害で、同じ苦しみが被災者にのしかかっています。避難所の環境は劣悪で、ジェンダーの視点も弱く、住宅や事業の再建への国の支援はきわめて不十分です。その根底には、災害から暮らしや生業を再建することさえも「自己責任」にしようとする政治があります。被災者生活再建支援金を600万円以上に引き上げ、対象を半壊・一部損壊にも広げる、事業再生支援を借金の押しつけでなく直接支援へと抜本拡充するなど、被災者が暮らしの再建に希望がもてる支援を行う政治に転換しなければなりません。
日本共産党は、被災者、被災自治体のみなさんの大変な苦労に向き合い、その教訓を生かす政治、災害から国民の命と財産を守る政治に変えるために全力をあげます。
2024年3月11日(月) しんぶん赤旗