日本共産党の田村智子委員長は8日、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市と七尾市を訪れました。輪島漆器商工業協同組合や和倉温泉観光協会・旅館協同組合などから要望を聞き取り、党に寄せられた救援募金目録を手渡しました。山添拓政策委員長、井上哲士参院議員、藤野保史前衆院議員、佐藤まさゆき県議、鐙史朗市議(輪島市のみ)、磯貝和典前市議(七尾市のみ)が同席しました。
輪島漆器商工業協同組合の日南尚之理事長は輪島塗の存続について「もうだめだとなったことは何度もあるが、今回の震災はこれまで以上の危機だ」と悲痛の声をあげました。「だが、ここで終わるわけにはいかない。何とか次につなげていきたい。どうか助けていただきたい」と切実な思いを語りました。
田村氏は政府の「被災者の生活と生業支援のためのパッケージ」にふれ、伝統産業の支援枠をつくったことは大事だと強調。一方で、輪島塗の職人たちから工房だけではなく、「住居とセット」での復興をとの声があがっていることについて「省庁の縦割りに縛られない支援を政府に要望していきたい」と話しました。
田村氏は、事業継続に必要な道具や原材料確保のための費用の支援枠が補助率4分の3で最大1000万円までだと指摘し、「これでは不十分なのではないか」と質問。日南理事長は「残りの4分の1をどうするのか。新型コロナの時の借り入れが残っている中で新たな借り入れは厳しい」と答えました。田村氏は「輪島塗の伝統を残していきたいというのは、市民の願いでもある。希望が持てるようなこれまで以上の支援策を設けるべきだ。ぜひ、応援していきたい」と応じました。
田村氏は坂口茂・輪島市長を訪問し激励。田村氏が「輪島の町全体の復興のために、党派を超えて私たちも全力を尽くしていきたい」と述べると、坂口市長は市内の朝市通りや千枚田など同市の核となる観光拠点が被災したと説明。その上で「皆さんと力を合わせて復興していきたい」と応じました。
鐙市議の案内で田村氏らは、震災で大規模火災に見舞われた朝市通りを調査。焼け焦げたにおいがいまだ立ち込めている中、壊滅的な被害状況を目にした田村氏は「時間がかかっても復興させなければ」と力を込めました。
輪島診療所の医師ら職員や被災地支援のため同診療所近くで炊き出しをしていた富山県農民連のボランティアチームに激励のあいさつも行いました。
2024年2月9日(金) しんぶん赤旗