自民党政治を終わらせる/政策掲げてのびのび挑戦
日本共産党第29回大会は討論で練り上げられた大会決議案などを採択、実践の先頭に立つ新たな中央委員会を選出し、15日からの4日間の日程を終えました。第1回中央委員会総会は中央委員会議長に志位和夫氏、幹部会委員長に田村智子氏を選出。女性が委員長に選出されたのは党史上初です。田村新委員長に聞きました。
―党大会の特徴は。
今回初めて大会決議案作成の責任者として仕事をしました。決議案は率直な議論と豊かな経験で練り上げられ、さらに充実したものになりました。
たとえば外交の問題です。志位さんを団長にした東南アジア訪問で、地域を平和の共同体に変えた東南アジア諸国連合(ASEAN)の努力の到達点をつかみ、その内容を決議に反映できました。戦争が絶えない世界の中で「こうすれば戦争のない地域はつくることができる」と具体的イメージを持つことができるようになりました。「平和をつくる外交は夢物語ではない」という受け止め、確信が広がっています。
若い世代の発言も相次ぎました。自分たちが党をつくるんだという自信にあふれていました。「『人間の自由』こそ社会主義・共産主義の目的であり特質」という未来社会論が日本共産党の大きな魅力となっていることが豊かに語られました。圧巻の討論に私も感動しました。
―幹部会委員長に選出されました。
国政で党を代表する立場となりました。責任は大きいですが、日々勉強しながら、のびのび挑戦し、役割を果たしていきたいと思っています。
党大会は「自民党政治を終わらせる国民的大運動」を呼びかけました。国民は自民党政治への不安と怒りを持っています。日本共産党が希望の政策を届け、国民と一緒に運動を広げ、「日本共産党ここにあり」という姿をみせていく。ここに挑戦していきたいです。
新委員長田村智子さんインタビュー/平和も暮らしも国民に希望を/全国に出かけて、一緒に党づくりにチャレンジしたい
―党大会は、強く大きな党をつくることも大きなテーマでした。
大会あいさつで、約10年間にわたって新入党員数の「空白の期間」が生まれ、その困難打開の集中した努力という点で党中央の指導が十分ではなかったことを明らかにしました。この解明に「よくわかった」との受け止めが共通して出されました。
党中央が間違った方針を出してしまったときのダメージの大きさを痛感しました。率直に自己分析し、明らかにしたことで、「綱領路線に問題があるのではないか」「党の組織の在り方に問題があるのではないか」ということに陥らず、前向きに党建設に向けた団結をつくることができました。「空白の期間」という傷跡による困難を乗り越えるには、50代以下の党員を本当に増やしていかなければならない。そうスッキリと決意ができる大会になったと思います。
明らかにされた教訓を全支部、全党員と共有できるよう力を尽くしたいです。全国に出かけ、一緒に党づくりにチャレンジしていきたいと思っています。
「ガチの議論」
―民主集中制の生きた姿を示す大会にもなりました。
民主集中制の「民主」は党内民主主義のことで、「集中」とは統一した党の力を集めることです。民主的討論を通じて決定したことは、みんなで実行する。これは公党としての責任です。
大会に向け約2カ月間、全党討論がおこなわれました。いろんな意見や疑問が出されました。これにどう応えるのか、中央委員会でも相当議論しました。それを踏まえ、中央委員会報告を行いました。民主的討論がやりぬかれ、決議案がみんなの力で練り上げられたと思います。
大会でも自由な発言がおこなわれ、中央委員会に対する批判的発言も保障されました。その発言の内容には重大な問題点があったため、討論でも率直な批判がおこなわれ、私も結語で厳しい批判をしました。
意見に誤りや弱点があれば、言いっぱなしで終わらせず率直に指摘する。そうしないとバラバラな党になってしまいます。討論を尽くして統一と団結をつくっていく。そんな党の姿を示すことができました。
青年・学生の代議員から「ガチの議論があったのはすごい」という感想がありました。発言は保障し、誤りには正面から提起する、それが議論だよねと受け止めてくれたと思います。
挑戦するから成長できる
―挑戦、成長の党員人生だったそうですね。
幹部会委員長は重責ですから、要請があったときは「私にできるのだろうか」という思いはありました。
私の党員人生を振り返ると、常に自分がいるところから二つ、三つ重い任務を要請されてきました。それを恐れずに挑戦し、エンパワーメントされる(力を与えられる)党員人生だったと思います。
今回の要請は、かなり重い挑戦が求められるものです。しかし、現状維持だと党も鍛えられないし、自分の成長もありません。要請を受けない方が楽かもしれませんが、成長もそこまでです。要請されたということは、日本改革を進める上で自分の力を伸ばし発揮することが求められていると受け止めました。決断し、挑戦しなければと決意しました。
若い世代の力
―チームワークも強調されています。
日本共産党は集団指導を貫くチームワークの歴史と伝統があります。選出された指導部は30代から90代まで豊かな年齢層で構成されています。これは日本共産党の特徴であり、強みでもあります。
日本共産党は100年を超える党史の中で、困難とたたかい、鍛えられ、成長、発展を築いてきました。それをリアルに体験してきた先輩方の話は文書を読むだけでは得られない大変貴重なものです。
野党外交でも理論活動でも蓄積を重ねられてきた志位(和夫)議長、小池(晃)書記局長、副委員長をはじめベテランのみなさんと一緒に相談しながら活動できることはとても心強いです。
同時に若い世代には、ジェンダー平等やハラスメント根絶、人権など新しい時代をつくる力があります。その力が豊かに反映される党運営にしていきたいです。
ジェンダー平等、党も社会も
―史上初の女性委員長ということでも注目されています。
ジェンダー平等実現に懸命に取り組んできた日本共産党として大切な一つの到達点になったと思います。選出された女性役員の比率は3割を超えました。
日本社会は全体としてジェンダーギャップがすさまじく、女性が政治活動をし、政党幹部になるにはさまざまな制約があります。自分自身、妊娠・出産、育児を経験しました。その経験から学んだこと、活動に生きたことは多くありました。しかし子どもが小さい時には活動を抑えざるをえない時期もありました。党としても活動の改善をはかりながらジェンダー平等で努力していくし、社会全体も女性の活躍を支えられるようにならなければいけません。飛躍的にジェンダー平等を実現していくには日本社会を変え、党も自己改革していくことが必要です。私はその両面で頑張っていきたいです。
日曜版読者の皆さんとともに
―国会が始まります。
能登半島地震では災害関連死が増え始めています。助かった命を守り抜く取り組みが必要です。同時に長い目で見て能登で生きる希望を失わせることのない政治にしなければなりません。
国政では、自民党政治が行き詰まり、腐敗し、国民の怒りが頂点に達しています。自民党派閥の政治資金パーティー「裏金」問題は、「赤旗」日曜版のスクープが契機となった重大問題です。パーティー券購入を含む企業・団体献金の禁止など腐敗の根を断つ論戦をやっていきたい。
「経済再生プラン」にも「外交ビジョン」にも「気候危機打開2030戦略」にも行き詰まりを打開する希望の政策があふれています。国民のみなさんが「平和も暮らしも希望がある」と思える大きな論戦をしていきたい
―日曜版の読者へのごあいさつを。
これまでも国会の場では日曜版編集部とタッグを組み、「桜を見る会」などで自民党政治を追い詰める論戦をやってきました。
日曜版の紙面が、真実を知らせ、怒りを共有し、運動を起こす力になっています。読者のみなさんにも、そういう運動にかかわっていただきたいし、周りに広げていただきたいと心から願っています。
2024年1月28日(日) しんぶん赤旗 日曜版