活動報告

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家賃補助制度の実現を/負担大きく将来不安/単身者調査、切実な声/田村参院議員質問に反響

 物価高騰が長期間続く中、住居費、特に賃貸住宅の高家賃が庶民のふところを直撃しています。昨年12月、日本共産党の田村智子参院議員(現委員長)が家賃補助を求めた国会質問(12月10日付2面既報)が、反響を呼んでいます。単身者の調査を中心に、家賃補助の必要性を考えます。

 

 「収入が大幅に減った時に、家賃が払えるかどうかが将来の不安の中で一番大きな割合を占めている。住居がなければ何もできない。単身者への住宅支援をしてほしい」(40代・独身・非正規職員)
 「家賃の負担が非常に大きい。失職、年金生活になった場合に現在の家賃が払えない。家賃の安い部屋に引っ越そうとしても、単身高齢女性は容易に部屋を借りることができない。政府には、家賃補助金や単身女性が公営住宅に住む権利を要求したい」(50代・独身・正規職員)
 任意団体「わくわくシニアシングルズ」が40歳以上の単身女性2345人に調査した、「第2回中高年シングル女性の生活状況実態調査」(2022年12月)には、このような切実な声が多数寄せられています。単身者で賃貸住宅に住む方ならば、こうした不安を抱える方も多いでしょう。

 

賃貸支援乏しく
 政府の住宅政策は、長年ハウスメーカー支援に役立つ持ち家政策が続いており、住宅供給策は民間市場任せです。賃貸住宅への支援は乏しく、政府支出による家賃補助制度もありません。家賃の安い公営住宅は、全住宅ストックのわずか3・6%程度しかなく、首都圏では10倍を超える高倍率の抽選に当たらなければ、入居できません。民間の賃貸住宅の高家賃も、放置してきました。
 「横浜市の単身世帯の住まいの状況・ニーズ調査報告書」(公益財団法人「横浜市男女共同参画推進協会」23年3月)によれば、賃貸住宅居住者は住居費に6万円以上の高額の支出をしている人が59・2%、女性の65・3%に上ります。その結果、月収のうち住居費が占める住居費負担率が3割を超える単身世帯は、賃貸住宅居住者で37%もあります。持ち家を入れた全体平均より約10%も高く、家計が圧迫されています。
 さらに重大なのは、住宅困窮者の少なくない方が、家賃が払えなくなると、自己責任論で自分を責める事態に追い込まれていることです。
 その結果、家賃のために生活費を切り詰める事態が当たり前になっています。先の横浜市調査では、住居費支払いのために食費(44・6%)、水道光熱費(35・4%)等、生活に欠かせない支出を節約していると答えています。

 

仏で2割が受給
 それではOECD諸国では、GDP比で住居費支援にどれだけお金を使っているでしょうか。
 イギリスは高家賃で知られますが、家賃支援に1・4%分の政府支出を行っています。日本は0・2%未満です。フランスは戦後、人々の生活保障(権利)と密接に結びつけて住宅保障制度をつくっており、人口の2割が国から住宅手当を受給しています。日本とGDP比で同程度の支出にとどまるアメリカでも、連邦政府の家賃補助制度があります。
 日本は国レベルの一般的な家賃補助制度がありません。日本の「住宅支出」の大半は、生活保護における住宅扶助です。生活保護以外の家賃補助に準じる制度はほとんどない、賃貸住宅の居住者に冷たい国です。
 横浜市の調査では、公的な住まいのサポートとして単身者が利用したい第1位が「国や自治体からの家賃補助」(グラフ3)。生活苦を乗り切るには、賃上げと同じぐらい家賃を下げることが大事です。公的賃貸住宅を増やすとともに、民間賃貸住宅への家賃補助制度を実現すれば、人生設計に希望がもてる方が多いはずです。政治を大本から変えて、実現しましょう。


2024年1月24日(水) しんぶん赤旗


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