正しいことを正しいと言えるのは強い
「誰一人取り残さず、平和で健康な社会を築く」ための取り組みを議論する「第10回GGG+フォーラム」(特定非営利活動法人「日本リザルツ」主催)が28日、東京都内で開かれました。イスラエルの大規模攻撃によるパレスチナ・ガザ地区での深刻な情勢について学生に何ができるかを考えるセッションで、会場の学生とオンライン参加した国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)保健局長の清田明宏さん、UNRWA職員の吉田美紀さんが意見を交わしました。日本共産党の小池晃書記局長が司会し、田村智子副委員長も登壇しました。
大学4年生の制野瞳美さん(21)からガザの食料政策について質問を受けた清田さんは「過去最大の人道的危機」と述べ、食料、燃料、水の大量供給が緊急に求められており、中長期的には食料確保のための農業支援が大事で、そのために経済封鎖をやめてガザが自立できる体制を構築すべきだとしました。
大学院生の水上英一さん(24)は教育環境について質問。現在ガザにいる吉田さんは、子どもたちにとって教育は「自分たちが輝くチャンス」であり希望だが、学校が大きな被害を受けており今までのレベルの教育を続けていけるか大きな課題だと話しました。
会場から「世論形成が必要では」「若者のSNSなどでの発信が現地や意思決定をする議員にどう伝わっているのか」などの質問が出ました。
清田さんは「学生は正しいことを正しいと言える意味では強者。世論をつくってほしい」、吉田さんは「ガザで自分たちのことを思ってくれる人がいると知ることは勇気づけられる」と話しました。
田村氏は「学生が行動し声を上げていることが伝われば、国会議員も一緒に声を上げ行動する」と強調。同日の参院予算委員会で、東日本大震災後、ガザで3月にたこ揚げをして被災者への思いを示した写真を示して質問したことにふれ、「UNRWAなどが情報を発信しているので私たちに届いた。SNSを行動をつなげていくものにして一緒に頑張りたい」と話しました。
立憲民主党の吉田統彦衆院議員、公明党の新妻秀規参院議員もそれぞれ発言しました。
小池氏は「正しいことを正しいと言えるのは強いという言葉は勇気がわくメッセージだ。間違っていることは間違っていると言いましょう。きょうの議論を力にしてほしい」とエールを送りました。
最後に学生から何ができるか提言があり、大学2年生の佐藤光世さん(20)は「知ること。知ったのち情熱と希望を持って動くこと」と述べました。
2023年11月30日(木) しんぶん赤旗