日本共産党第10回中央委員会総会は2日目の14日、第29回党大会(来年1月15~18日)に提案する大会決議案、「党勢拡大・世代的継承の大運動」についての討論を続け、2日間で45人が発言しました。田村智子副委員長が討論の結語を、志位和夫委員長が閉会のあいさつを行いました。
田村副委員長が結語
総会は、第29回党大会の歴史的意義を強調した志位委員長のあいさつ、大会決議案、小池晃書記局長の「大運動」推進の訴え、田村副委員長の結語を全員一致で採択しました。また山下芳生副委員長が、第29回党大会の代議員定数と選出基準などについて提案し、これを総会の総意として拍手で承認しました。
討論の結語に立った田村氏は、「大会決議案は全体が大きく歓迎され、『21世紀の共産党宣言』に値するという感想も寄せられている」と述べました。その上で、感想・受け止めの特徴を三つの点から語りました。
第1は、改定綱領の生命力が、大きな確信になっていることです。
田村氏は、改定綱領を力とした「党の外交ビジョン」の方向こそが世界の本流であることが、アメリカいいなりの日本政府・自民党政治との対比でも明らかとなり、「多くの市民の平和の願いに応えるのが日本共産党の綱領路線だと、全党の誇りと確信が広がっている」と強調。また討論では、ジェンダー平等を日本の民主的改革の柱とした綱領の一部改定が力となり、市民とともに政治を動かしていることや、党の自己改革の努力も熱く語られたと述べました。
第2は、大会決議案第3章の「多数者革命と日本共産党」の項目が、強く大きな党づくりへの意欲を高める力となっていることです。
田村氏は、強く大きな党をつくることの根源的な意義とともに、国民多数を結集することとの関係で、民主集中制がいかに大切かということが深くつかまれていると述べ、「決議案を議論することが、大運動の取り組みを飛躍させる力になる」と強調しました。
また、同項の「国民の自覚と成長を推進する」との部分に関わって、自覚とは多くの国民が変革の展望をつかむことだとし、「この自覚と成長は自然には進まない」と指摘。国民は支配勢力とメディアが流す情報を日々圧倒的に受け取っており、変革の展望への自覚を妨げる、自覚を眠り込ませるような状況に置かれているとして、「不屈性、先見性を発揮する日本共産党が、国民全体の自覚と成長を推進することなしに、統一戦線に国民多数を結集することはできない」と訴えました。
第3は、綱領の未来社会論、「社会主義・共産主義」をめざすということが、党の魅力となるという確信です。
田村氏は、決議案が社会主義・共産主義の最大の目的・特質が「人間の自由」にあることを、(1)「利潤第一主義」からの自由(2)人間の自由で全面的な発展(3)発達した資本主義国での社会変革が「人間の自由」とのかかわりでも壮大な可能性をもつ―という三つの角度から明らかにしたことを強調し、「討論では『社会主義の復権の時代』との発言もあった。第4章が、若い世代にとって、日本共産党の根源的な魅力となるとの確信が語られた」と述べました。
第29回党大会までに大会成功のうねりをどうつくりだしていくか―。田村氏は、志位委員長があいさつで述べた第29回党大会の三つの意義を全党の決意にしていくことを呼びかけました。討論では、党員拡大数で党大会水準を回復・突破した福岡県党の活動に照らして、自己分析的な発言が多数あったとして、「ここに学んで、あきらめない。大会現勢回復・突破を、期日を決めてやりきって、『130%の党づくり』をゆるがずめざそう」と訴えました。
最後に田村氏は、二つの全党運動として、(1)決議案の全党討議で、全党の英知を結集して、大会議案を練り上げること(2)「大運動」の目標達成を全党運動でやり遂げること―を呼びかけました。
大会決議案の全党討議については、決議案を全党員に届け切り、支部での討議を直ちに開始すること、指導的同志は23日までに読了し、全党討論を推進して決議案を練り上げることを提起しました。
大運動の目標達成については、一にも二にも全党運動にできるかどうかにかかっていると訴え。「大会成功の先頭に私たち一人ひとりが立ち、必ず第29回党大会の成功を勝ち取ろう」と結びました。
2023年11月15日(水) しんぶん赤旗