日本共産党は13日、党本部で第10回中央委員会総会を開きました。第29回党大会(来年1月15日~18日)に提案する諸議案の審議と、「党勢拡大・世代的継承の大運動」の目標をやり抜く意思統一をはかることが任務です。志位和夫委員長が幹部会を代表してあいさつし、「第29回党大会を、日本共産党の100年余の誇りある歴史を踏まえて、次の100年に向かう最初の大会として大成功させよう」と呼びかけました。田村智子副委員長が大会決議案の提案報告を、小池晃書記局長が「大運動」推進の訴えを行いました。総会は2日間の日程です。
田村副委員長が提案報告
田村副委員長は冒頭、5章19項からなる大会決議案の全体構成と各章の特徴について報告しました。
第1章は、「国際情勢と改定綱領の生命力」です。田村氏は、国際情勢から入る理由について、戦争と平和をめぐる世界の大激動は日本の国内情勢に大きくかかわっており、第2章で記述する安全保障に関する問題でも、人権をめぐる問題でも国際情勢をどうとらえるのかを明確にしてこそ、日本共産党が国内で正確なたたかいを展開することができるからだと説明しました。
田村氏は、第1章では、ロシアのウクライナ侵略戦争、イスラエルのガザ攻撃、軍事対軍事の悪循環という世界の逆流に、▽日本共産党が改定綱領を力にどのように対応してきたか▽大逆流に抗する世界の平和の流れ、世界の本流が、どのように発展しているか―を明らかにしていると述べました。
第2章は、「自民党政治のゆきづまりと日本共産党の任務」です。田村氏は、岸田政権の支持率急落の根底には、自民党政治の深刻なゆきづまりがあると指摘しました。
田村氏は、安全保障と外交では、敵基地攻撃能力の保有と大軍拡という「アメリカいいなり」「軍事一辺倒の政治」が日本の平和と国民の暮らしを危うくし、経済と暮らしでは「失われた30年」ともいわれる長期にわたる財界の利益最優先の政治が、経済停滞と暮らしの困難をもたらしていると指摘。これに対し、日本共産党の、東アジアに平和をつくる「外交ビジョン」、「経済再生プラン」という綱領路線にもとづいた改革提案が、「自民党政治のゆきづまりと鮮やかな対照をなし、多くの国民にとっての希望の道となっている。このことが全党の確信になるものだ」と強調し、来たるべき総選挙で自民党政治をもとから変える日本共産党を何としても躍進させようと訴えました。
第3章は、「党建設―到達と今後の方針」です。田村氏は、「今大会期の党建設の評価は、大会までの全党の奮闘によって決まることになるが、前進の足掛かりとなる教訓、これを踏まえた強化点を示した」と語り、注目点として、冒頭の項「多数者革命と日本共産党の役割」を挙げました。
田村氏は同項で、多数者の意思にもとづく社会の段階的発展という綱領の立場に立つ日本共産党の役割が、「多数者革命の実現のために、国民の多数者を結集する」ことにあることを明らかにしていると指摘。多数者結集のためには、民主主義と行動の統一―民主集中制が大切になることを太く明らかにし、日本共産党の根本的役割とのかかわりで強く大きな党をつくる意義を述べていると報告し、「この項でこうしたまとまった叙述を行ったことは、新しいことであり、党大会に向かう大運動にとっても大きな力になるものだ」と強調しました。
第4章「世界資本主義の矛盾と科学的社会主義」は、日本共産党のめざす未来社会が、いよいよ輝く時代であることを示しています。
田村氏は同章で、社会主義・共産主義の本来の目的・特質が「人間の自由」にあることを、(1)「利潤第一主義」からの自由(2)人間の自由で全面的な発展(3)発達した資本主義国での社会変革が「人間の自由」とのかかわりでも壮大な可能性をもつ―という三つの角度から特徴づけているとしました。
第5章は、「1世紀の歴史に学び、新たな1世紀に向かおう」です。
党史『日本共産党の百年』と、党創立100周年記念講演(2022年9月)、党創立101周年記念講演(23年9月)について田村氏は、「わが党の100年の歴史の積み重ねが綱領に息づき、今日、その生命力を発揮していること、100年の不屈のたたかいによって、わが党が鍛えられ成長していることを示した」と強調し、この核心を決議案に書き込んだとしました。
田村氏は、「4章・5章は、いわばセットで、今日のわが党の歴史的到達点に立って、未来社会への豊かな展望、綱領、組織原則、歴史を広く国民に語り広げれば、強く大きな党をつくる道は必ず開けると高らかに宣言したものだ」と報告。「新たな1世紀に向けて、強く大きな党をつくる仕事に取り組み、日本の“夜明け”を開こう」と呼びかけました。
このあと、田村氏は各章各項ごとに、新しい解明点や強調点などをより詳しく説明しました。
2023年11月14日(火) しんぶん赤旗