日本共産党の田村智子政策委員長は2日、国会内で記者会見し、1日に公表された政府の「こども未来戦略方針」の素案について、「全くの看板倒れだ。とてもじゃないが子育て世帯も若い世代も納得できない。日本の政治のあり方が問われている」と指摘しました。
田村氏は、素案で大きな予算措置をするのは児童手当の拡充や所得制限の廃止ぐらいだと指摘し「この程度の中身でも財源の裏付けを示すことができていない」と批判しました。
軍拡財源づくりに縛られ、税収確保のために、高校生がいる世帯への所得控除を見直す案が俎上にのっていると批判して、「大企業や富裕層に応分の負担を求める税制改革に踏み込まなければ、まともな少子化対策の予算措置はできない」と主張しました。
子育て世帯への重い負担となっている高等教育費に関し、大学院生に授業料の〝出世払い〟を求める内容になっていることに言及。「1000万円近い奨学金返済を抱えて苦しむ院生と何人も会ってきた。そこに授業料も借金で担わせるのか」「こんな政策しか出せないようでは全くだめだ」と批判しました。
非正規雇用を拡大し、不安定で低収入な働き方を若い世代に広げてきた経済政策など「少子化の要因、とりわけこれまでの政策との関係での分析と反省がなさすぎる」と指摘。「日本の政治のあり方が根本から問われる課題として少子化対策を見ていかなければならない」と説きました。
2023年6月3日(土) しんぶん赤旗
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