日本共産党の田村智子政策委員長は3日夜のBSフジ番組「プライムニュース」で、憲法審査会で行われている改憲議論について、各党と討論しました。
冒頭、憲法改正について「気運は高まっていない」が7割(共同通信)などの世論調査が示され、田村氏は「国民がいま改憲が必要とは考えていない」「敵基地攻撃能力保有が憲法9条に反しているという国会質問に、岸田総理が説明できないことを反映している」と主張しました。
自民、維新がそれぞれ9条に自衛隊を明記する改憲案を示していることについて、田村氏は「(安保法制によって)自衛権は個別的自衛権だけではなく、集団的自衛権の行使容認となった。日本はどこも攻撃されていなくとも存立危機事態ということでの攻撃もありうる。しかも、敵基地攻撃だ」「海外での戦争ができる自衛隊を書き込むことになる」「専守防衛という歴代自民党政権の憲法9条の解釈を超えている」と指摘しました。憲法9条違反の自衛隊を書き込めば「制限なく海外での武力行使を認めることになる。絶対にやるべきではない」と批判しました。
自民党の新藤義孝政調会長代行は、「原点は、この国と国民を誰が守るのかという国防規定を設ける」ことだと述べ、日本維新の会の音喜多駿政調会長は「自民党と方向性は変わらない」などと述べました。
憲法問題での焦点を聞かれた田村氏は、「国民の命と暮らしを守る国防は戦争をしないこと」と述べ、9条を土台として、戦争の心配のない日本とアジアを作る現実的な外交を強調。「互いに脅威とならない」ことを確認した日中共同宣言を足がかりに対話を行うよう求めました。
田村氏は、「憲法の実現に全く向かわずに、なぜ改正の議論ばかりをするのか。ましてや、岸田政権のもとで、9条を公然と踏みにじり、専守防衛を投げ捨てる敵基地攻撃能力の保有が進んでいる。このことが最大の焦点だ」と強調しました。
2023年5月5日(金) しんぶん赤旗