日本共産党の田村智子政策委員長は14日、国会内で記者会見し、大阪府・大阪市が申請していたカジノを中核とする統合型リゾート(IR)の整備計画を政府が認可したことについて「認可の撤回を求める。大阪府・市に対しても計画の撤回を求める」と表明しました。
田村氏は、カジノの実施計画であり、ギャンブル依存症が増えることは避けられないと指摘。大阪のカジノには年間1千万人の来場を見込んでいるとして「いったいどれだけギャンブル依存症になる人を増やしてしまうのか」と懸念を示し、カジノをつくることはギャンブル依存症対策と決定的に矛盾すると主張しました。
「国内外から多くの観光客を呼び込む」とした岸田文雄首相の発言をあげ「カジノは人の不幸の上に成り立つ経済だ。利益を上げるために大負けする人をどれだけつくるかという話になる。それのどこが日本の魅力なのか」と批判しました。
田村氏はまた、ギャンブル依存症にならないよう規制をかけるという政府の主張にも疑問を呈しました。大阪のカジノ事業を担う事業者はベトナムの事業計画から撤退したことがあると指摘。この事業者が大阪府・市と交わした基本協定には、規制が厳しく国際競争力が確保できない場合などは協定を解除できる「解除権」があるとして、「本当に規制を厳しくできるのか」と述べました。需要見込みも過大でずさんだと批判しました。
IRを整備する大阪市の夢洲(ゆめしま)では深刻な土壌汚染と液状化対策のために巨額の税金が投入され、土地が不当に安く評価されて事業者に売り渡された疑惑も浮上していると指摘。大阪府知事選・市長選の出口調査でもカジノ反対の世論が多数だとして、「問題だらけであり、なぜこれで認可できるかという状態だ」と断じました。
2023年4月15日(土) しんぶん赤旗