日本共産党の田村智子議員は9日の参院国土交通委員会で、全国の鉄道網を維持・活性化させるために国が責任を果たすよう求めました。
田村氏は、党が昨年12月に発表した鉄道提言にふれ「国は鉄道網の役割をどう位置づけているのか」と質問。斉藤鉄夫国交相は「日本の鉄道は世界でトップクラス。社会、経済活動を支えている」と答弁しました。田村氏は鉄道の役割は重要と言いながら政府が提出した地域公共交通活性化法改定案は、鉄道の廃線もありうるものだと批判しました。
田村氏は、斉藤国交相の「民間任せでは維持は困難」との発言をあげ、「国鉄分割・民営化では地域鉄道の維持はできなかったということか」と質問。斉藤国交相は「分割・民営化全体の評価とローカル線の問題は切り離して考えないといけない」と答弁しました。
田村氏は、分割民営化後、無人駅の増加、みどりの窓口の激減など利便性が後退している現実をあげ、国が鉄道に責任を持たない実態を批判しました。
ローカル線利用者減の原因の一つとされる人口減少について「規制緩和で東京一極集中を進め、地方の人口流出を加速させたからだ」と指摘。鉄道の災害復旧も国が責任を持つべきだと求めました。
2023年3月12(日) しんぶん赤旗ホームページ
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
今国会には、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の改正法案が提出されています。この中で、利用者の少ない鉄道路線について、地方自治体又は鉄道事業者の要請によって国土交通大臣が再構築協議会を組織するとされています。存続も廃止も前提としない協議なんだという説明を受けているんですけれども、現に存在している鉄道ですから、廃止があり得るということも意味した協議になります。
日本共産党は、「全国の鉄道網を維持・活性化し、未来に引き継ぐために」とする提言を昨年十二月に発表いたしました。そして、この提言をもって全国各地の自治体の首長さんとの懇談も進めています。どこでも存続のために協議し努力している、どこでも鉄路を維持するために国が役割を果たしてほしいと、こういう御意見をお聞きしています。
そこで、法案審議の前提としてお聞きしたいと思うんです。そもそも国は、日本の鉄道網の役割をどのように位置付けておられるんでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 日本における鉄道の位置付けという御質問でございます。
我が国の鉄道は、旅客輸送量が世界トップクラスであり、国内の旅客輸送量に占めるシェアも諸外国と比べて非常に大きく、大量輸送機関として、国民の日常生活のみならず、観光、物流といった我が国の社会経済活動を支えてきました。安全性においても世界トップクラスの評価を得ています。また、初の高速鉄道となった東海道新幹線や、最速で東京―名古屋間を四十分程度、東京―大阪間を一時間強程度で結ぶこととなるリニア中央新幹線など、我が国は世界的に見ても大変優れた鉄道技術を有しています。さらに、旅客鉄道の輸送量当たりのCO2排出量は自家用乗用車の約八分の一であり、運輸分野のカーボンニュートラル化にも大きな貢献をしているところです。
このように、鉄道は様々な分野で我が国の社会経済を支えてきましたが、将来においても更に重要な役割を果たすことが期待されている、このように考えております。
○田村智子君 全く同感なんですね。それは地域においても、首都圏においても、都市部においても全く同じだと思うんですが、国交省から鉄道をどう再生していくのかというこの法案の説明を受けたときに、今のような説明は皆無なんです。むしろ、空気を運んでいるような区間があると。空気を運んでいるという言葉が何度も出てくる、そんな説明なんですね。
今朝のニュースで、JR東日本が、千葉県の久留里線、久留里―上総亀山間、ここをバス転換していく方向と、こういうふうに検討していくということが報じられています。JR東日本が災害復旧をせずにバスに転換をしたという例はあるんですけれども、赤字のみを理由としたバス転換の検討を示したのは初めてのことです。これもこういう国交省の法案の動きを受けてのことではないのかと思うわけですね。君津市には何の打診もないということが取材での答えなんですよね。
鉄道網の今の大臣が答弁された役割の上に立って、存続するために、活用していくためにどうするか、そういう協議が重要であり、法案もそのためのものだというふうに理解してよろしいでしょうか。また、久留里線のこの区間についても、JR東日本に対して廃止前提の協議はしないようにと指導すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
久留里線につきましては、今後、鉄道事業者と自治体との間で協議が進められていくものというふうに考えておりまして、私どもとしましては、まずは今回国会の方に提出をさせていただいております地域公共交通法改正案、これを御審議をいただいて、さらに、地域の公共交通の中で鉄道が果たす役割につきまして、この法案に基づきましてしっかりと政策を進めていきたいというふうに考えております。
JR東日本がどういう形でこれから協議を進めるかということについては鉄道局としても注視をしておりまして、私ども、法案の御説明の際に申し上げましたとおり、廃止ありき、存続ありき、こうした先にそういうことを決めての協議というのは望ましくないというふうに考えております。この点も踏まえまして、今後、鉄道事業者と自治体との間の協議を見守ってまいりたいというふうに考えております。
○田村智子君 さっきも言いましたけど、今あるものなんですから、それを、存続ありきで協議はしないというのは違うと思うんですよね。やっぱりいかに活用していくかの協議をしましょうよということでなければ私はおかしいというふうに思います。
問題は、確かにローカル線の危機だと言われている、それがなぜ起きてきているのか、そういう原因分析も必要だと思うんですね。
昨年十一月、衆議院国交委員会での我が党高橋議員の質問に大臣は、このまま民間事業者任せにしていては、利便性と持続可能性の高い地域公共交通を維持していくことが困難になりつつあると答弁をされています。
元々国有鉄道だったものを民間事業者に任せている状態です。その結果が今、持続可能性の高い地域公共交通の維持が難しいということは、分割・民営化では地域鉄道の維持はできなかったということになるんでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 分割、三十五年前のJR発足、いわゆる分割・民営化と、その全体の評価と、今回地域が、地域のローカル鉄道が直面している問題、これは切り離して考えなくてはいけないのではないかと、このように思います。
今、地域の公共交通、特にローカル鉄道が大変厳しい状況にある中、これをどのようにすれば最も、地域の公共交通、これをなくすわけにいきませんので、どうすれば持続可能で地域の皆さんにとって利便性の高いものになるかということを、まず現状を事業者と地域公共団体とそして国が意識を共有し、認識を共有し、そしてどうすれば先ほど言ったような持続可能な公共交通機関を維持できるかということを真剣に話し合いましょうということでございます。
その際、そのローカル鉄道、今あるローカル鉄道についても、廃止する、存続するということ、その結論を前もって持っているのではなくて、認識を共有して真摯な議論をしましょうということでございますので、是非協力を、御理解をいただきたいと思います。
○田村智子君 今、分割・民営がどうだったかということと切り離してと言われたんですが、分割・民営をするというときにも大問題になったのがローカル線は維持できるかということだったんですよ。だから、これ切り離して考えるというのはおかしいですよ、そもそも、鉄道の考え方として。
この分割・民営のときも、国鉄赤字だ赤字だ言われたんです。だけど、それは、田中首相が当時、日本列島改造論をぶち上げて、余りにも過大な需要見込みで国鉄への長期投資を行った、これが最大の要因だったんです。
しかし、その反省もなく、全国一社だから赤字だとか、親方日の丸だから駄目だとか、こういう大宣伝の果てに分割・民営は強行されました。そして、分割・民営化後、JR各社は収益のために何を進めてきたのか。大幅な人員削減やりました。これで、運転する方も非常に過密労働で、これ事故起きかねない、あるいは事故が起きたりという問題もありました。線路の保守管理、外部委託されています。技術や経験の継承が危うくなっていると現場から深刻な実態もお聞きしています。
ホームの駅員がいなくなりました。みどりの窓口も激減、車内販売もほとんどなくなりました。無人駅は激増して、鉄道利用に手伝いを必要とする方の利便性は置き去りにされました。冬場に暖房もない無人駅、トイレが撤去された駅もあります。駅舎は老朽化してもそのまま。新幹線と並行する在来線は本数が激減して、地域住民の利便性は後退しました。北海道を始め赤字路線は次々と廃止、第三セクターへの移行で料金が高くなり、通学定期などで子供たちにも重い負担となっています。
国鉄分割から三十五年、民営化から三十五年、国が鉄道網に責任を持たないという政策が今何をもたらしているのか。私が今挙げたような事例を見て、サービスが向上されていると言えるのか。地方はどうなったのか。こういう分析と議論は必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 国鉄改革から三十五年が経過しておりますが、JR発足時と比べ、新幹線開業後の並行在来線を含めたJR旅客会社等の鉄道ネットワークは営業キロベースで微増し、旅客輸送量についてはおおむね三割増加し、サービス水準については、新幹線の開業などによる列車のスピードアップ、ICカードの導入やバリアフリー化などの利便性の向上も図られるなど、破綻の危機に瀕していた当時から考えると、国鉄改革が目的とした鉄道の再生が図られているものと評価しております。
一方、まだ残る課題として、JR北海道やJR四国、JR貨物については厳しい経営環境下に置かれており、令和三年に本委員会で御審議いただいた改正債務等処理法に基づき支援を行っているところでございます。また、ローカル線については、利便性と持続可能性の高い公共交通の再構築が急務となっているものと認識しております。このため、本国会に地域公共交通活性化再生法の改正案を提出しているところでございます。
また、先ほど、切り離してという私言葉を使いましたが、その意味は、近年、人口減少や少子高齢化の進行に加え、自然災害の頻発化、激甚化、新型コロナウイルス感染症を契機としたライフスタイルの変化、カーボンニュートラルへの対応など、鉄道を取り巻く環境は大きく変化しており、こうした環境の変化に的確に対応する必要がある、こういう趣旨も含めてそういう言葉遣いを使ったものでございます。
○田村智子君 今述べられたように、新しい課題も出てきている、それはそのとおりだと思うんです。だから、地域の鉄道をどうやって守って活用していくのかということが問われてきているというふうに思うんですね。様々な人口減少ということを言われましたので、私、本当に、それは国の政策との関係もあるでしょうということを、いっぱい思うところあるんですよ。東京一極集中につながるような規制緩和やってきたし、鉄道は民間に任せる一方で、自動車道路は次々と建設をしてモータリゼーションの推進というのは国がやってきたわけですからね。
では、ちょっと具体にお聞きします。一つは東京一極集中なんですね。二〇一四年、まち・ひと・しごと創生総合戦略の作成をして、地方創生も掲げて、東京一極集中の是正、これ、いろんな省庁取り組んでいます。国土交通省としても取り組んでいる。二〇二〇年までに東京圏への転出転入を均衡させるというふうに言ってきました。しかし、この目標は達成されていない。もう周知の事実です。
国土形成計画に基づいて一体東京一極集中どのように是正しようとしたのか。達成していないことをどう分析されているんでしょうか。
○政府参考人(木村実君) お答えいたします。
東京一極集中の是正につきましては、国土政策の重要な課題としてこれまで取り組んできたところでございます。東京圏の人口の転入超過数につきましては、二〇一九年に約十四・六万人であったものの、二〇二二年には約九・四万人と、三年間で約五・二万人減少したところでございます。これはもちろん、新型コロナウイルス感染症の影響に留意が必要であるということでありますけれども、一方で、地方への人の流れの拡大に向けたこれまでの各省の様々な取組は一定の成果を上げてきたものと考えてございます。
他方で、就学や就職、これを契機とした十代後半から二十代の若年世代における東京圏の転入超過、これは依然として継続していることも踏まえまして、地方への人の流れを重層的で力強いものにすることが重要と考えております。
このため、先ほど委員のお話にもございましたけれども、まち・ひと・しごと総合戦略を受けまして、さらに昨年十二月にはデジタル田園都市国家構想総合戦略、これが策定をされました。地方への人の流れをつくることが重要な柱の一つとして掲げられたところでありまして、企業の地方移転、地方創生テレワーク、転職なき移住の更なる推進に加えまして、デジタルを活用したスマート農林水産業等による稼ぐ地域づくり、あるいは観光DX、そうした取組を推進していることとしているというふうに承知しております。
また、国土交通省としましては、委員からもお話ありました新たな国土形成計画、これを本年夏に策定することとしております。その中で、国土構造の基本的な考え方として東京一極集中の是正ということをしっかり位置付けまして、引き続き関係府省と連携いたしまして東京一極集中の是正に向けた国土づくりを進めるべく議論を深めてまいりたいと考えております。
○田村智子君 地方に移転する企業に減税したりとかということをやっているんですけれども、私は、その流れ以上に東京に呼び込む流れを国がつくっているんじゃないかというふうに言わざるを得ないんです。
国家戦略特区による規制緩和によって東京都心の再開発、驚くような規模とスピードで進んでいます。事業者、自治体、国で区域会議を行って計画決定をすれば、様々な許認可手続も必要がなくなりました。
資料の一枚目、この国家戦略特区の資料ですね。容積率は、商業地域で五〇〇%であるところを都市再生でまず六八〇%に緩和がされ、更にオフィスビルに隣接する住宅容積率を加算し、八五〇%まで都心部は緩和をしたんです。東京の都心にオフィスだけでなくマンションもどんどん造りましょうという規制緩和を民間ディベロッパーの提案に基づいて実施をしたということです。
この規制緩和によって、商業施設、オフィス、マンション、これ全部入った超高層ビルが次々と建設をされています。既にこの国会周辺見ても超高層ビル増えたなと皆さんも思われると思いますが、今後、二〇三〇年までに竣工予定の二百メートルを超える超高層ビルは更に三十棟あります。超高層ビルの定義は高さ六十メートル以上なので、そこまで含めますと二百三十棟を超えて二〇三〇年までに竣工されるということです。二百三十棟。ビジネスも居住も観光も、更に東京への集中が加速度的に進むのはこれ明らかですね。そういう箱が次々と造られていくわけですから。これで一極集中是正できますか。地方の人口減少、とりわけ若い皆さんの人口減少、これ止めることできますか。いかがでしょうか。
○政府参考人(木村実君) お答えいたします。
先ほども東京一極集中、これは政府としてもまた重要な課題としてしっかりと位置付けてきているところでございます。取り組んできているところでございます。他方で、我が国、人口減少、少子高齢化、直面しておりますけれども、またグローバルな国際競争激化する中で、海外から人材、企業あるいは投資を積極的に呼び込んで我が国の国際競争力を高めることもこれ政府として重要な課題でございます。
したがいまして、東京一極集中の是正、これと我が国の国際競争力を維持発展させるために東京の環境を整備していくこと、これは両立すべき課題であるというふうに認識しております。
東京におきましては、引き続き我が国の成長を牽引する役割を果たすとともに、世界をリードする国際都市として発展していくことが求められております。国際競争力強化に資する取組などを促進するため、今ほど委員から御紹介ありました、都において容積率の緩和が活用されているものと認識をしております。
容積率の緩和につきましては、都市機能の集約化あるいは強化という政策効果がございまして、良質なオフィスの空間の形成あるいは緑豊かな都市空間の形成が図られるなど、都市の質の向上を進める中で有効であるというふうに考えておりまして、必ずしも人口を増やすことを目的に容積率緩和を行っているわけではございません。
今回の新型コロナウイルス感染拡大を受けた働き方あるいは生活様式の変化を踏まえまして、地方の活性化と東京の国際競争力の強化、これが車の両輪として両立をして持続可能で活力ある国土づくりが図られるよう、引き続き関係府省と連携し、一層の取組を進めてまいります。
○田村智子君 そういう説明で進めてきて、地方の人口減少は止まらない、東京だけが人口増える、そういう状況が続いてきたわけですよね。都心の通勤通学電車は異常な満員状態で、地域の鉄道は利用者減少で存続の危機に遭っていると。これは国土グランドデザインの失政だと言わざるを得ないですよ。こういう規制緩和路線の転換こそが必要だというふうに言わざるを得ません。
次に、じゃ、国は鉄道維持のためにどのような対策を取ってきたのか、伺いたいと思います。
国鉄分割・民営化後、鉄道を廃線にしないために国は何をしてきたんでしょうか。
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
JRの特に上場各社につきましては、JR会社法に基づきまして、国鉄改革の経緯を踏まえ定めました、新会社がその事業を営むに際し当分の間配慮すべき事項に関する指針、いわゆる大臣指針におきまして、現に営業する路線の適切な維持に努めること、現に営業している路線の全部又は一部を廃止しようとするときは、国鉄改革実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を関係地方公共団体及び利害関係人に対して十分に説明することとしております。
国土交通省といたしましては、この大臣指針が適切に遵守されるように今後とも指導してまいりたいと考えております。
○田村智子君 資料の二枚目が、国鉄分割・民営化後、廃線となった路線の一覧です。
二〇〇一年、平成十三年の指針が今の説明なんですけれども、既に国が保有する株を手放して上場企業となったJR東日本、東海、西日本に対して、その後九州もそうですね、ローカル線維持に努めてくださいという指針、努めてくださいというお願い、ガイドライン、これを出したということです。
一方で、一九九九年、鉄道事業法の改定で、廃線を許可制から届出制に緩和をして、国の審査もなく事業者の経営判断で廃線できるようにしてしまいました。規制緩和です。
指針を示しても廃線は止まっていません。今日の都市部への人口集中の下では、都市部での利益をローカル線維持に充てて廃線を防ぐことはできたはずだし、先ほどの東日本の例でもやるべきだと私は思います。そういう指導はしてこなかったんでしょうか。せめて、廃線について国が審議する許可制に戻すべきではないですか。
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
国鉄改革の際に、昭和六十年、国鉄改革に関する意見が出されておりますが、こちらにおきましても、いわゆるローカル線の中でも、全国のネットワーク、幹線ではないような、シビルミニマムとしての輸送の確保につきましては、基本的には輸送需要に応じた最も効率の良い交通機関により確保されるべきものであると指摘されております。利用者の利便をまず確保する、あるいは持続可能性を確保するという意味で、他の交通モードに転換されることというのは国鉄改革の際も認識をしていたところと考えております。
一方で、鉄道事業法につきましてはそうした制度になっておりますが、先ほど申し上げましたとおり、国鉄改革の経緯も踏まえまして、JRの各社、特に上場各社につきましては、先ほど申し上げましたように、まず適切に遵守する、適切に維持を図ること、それから、もし廃線をしようとする場合には関係者にしっかりと説明責任を果たすことということを義務付けております。
各鉄道事業者におきましても、何とかこの路線を維持するために、様々な省人化の努力でありますとか、あるいは新しい技術を活用してメンテナンスの効率化を図ったりと、こうした努力を行っているものと認識しております。
○田村智子君 先ほど、CO2の問題とか、大臣が答弁されたことどっか行っちゃうんですよ、ローカル線の話になると。
私、本当におかしいと思うのは、日高線を始め、災害で被災した路線が復旧されずに廃線に追い込まれています。資料の中で米印一となっているのがそれなんですよね。今、九州の日田彦山線、添田―夜明間、北海道の根室線、富良野―新得間も被災してそのまま放置されていて、日田彦山線は廃線、バス高速輸送システム、BRTになるというんですね。
でも、道路が被災したら必ず復旧します。それから、例えば病院や保育所、学校、こういうところ被災しても必ず復旧します。なぜ鉄道はこのように放置され、なぜこのように廃線ということになってしまうのか。公共施設で、このように被災したらそのままにします、廃線にしてしまいます、そういうのって鉄道以外にあるでしょうか。
鉄道については、国が責任持って廃線にはさせないと、まず復旧すると、これはせめて必要なことだと思いますけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
鉄道事業者が行います災害復旧事業に関しましては、黒字の鉄道事業者に対しましても、平成三十年六月に議員立法によりまして鉄道軌道整備法が改正されております。赤字路線など一定の要件を満たせば補助することが可能となっておりまして、平成二十三年七月の新潟・福島豪雨で被災したJR東日本の只見線等におきましてこの制度が活用され、昨年十月には全線運転が再開されておりまして、観光需要の掘り起こしなどが図られているところでございます。
また、先ほど例に挙がりました路線につきましては、各地域の中で今後の鉄道の取扱いを議論されまして、その中でそうした方針が定められて、例えば日田彦山線につきましては、BRTの方向で今工事が進められているものと認識しております。
○田村智子君 今提起した問題は、法案審議の前提となる問題だと思っています。しっかり今後も審議していきたいと思います。
以上で終わります。