田村智子議員は8日の参院国土交通委員会で、統一協会の創始者・文鮮明が1981年に提唱した「日韓トンネル計画」の会合に、古川康国交政務官が出席していた問題について質問しました。
日韓トンネル計画は、佐賀県唐津市から長崎県の壱岐、対馬を通り、韓国第2の都市・釜山に至る約230㌔㍍の海底トンネルで、現在は統一協会の関連団体・国際ハイウェイ財団が推進。トンネルは唐津市内で540㍍試掘されただけで、2007年以降工事は止まっています。
総事業費は10兆円とされ、完成の見込みがないのに資金集めを口実に多額の寄付を強要された信者もいます。
田村氏は、統一協会と議員の関係についての自民党の点検で協会関連団体の会合に古川議員本人が出席し、あいさつしたと回答しているが、「いつどのような会合に出席しあいさつしたのか」と質問。古川政務官は「日韓トンネル推進唐津フォーラムで講演した」と認めました。
田村氏は「日韓トンネルへの期待を述べる講演を行ったことは、統一協会の寄付金集めに手を貸したと言われても仕方がない」と指摘。古川氏は「今もなお大きな問題を抱えている団体だとの認識が足りず申し訳ない」と陳謝しました。
2022年11月26日(土) しんぶん赤旗
○田村智子君 残る時間で、統一協会の問題で古川政務官にお聞きします。
自民党の点検で、統一協会関連団体の会合に議員本人出席、挨拶と回答されていますが、いつどういう会合に出席をされ、挨拶をしたのですか。
○大臣政務官(古川康君) 日韓トンネル推進佐賀県民会議や日韓トンネル推進フォーラムなどの会合に参加、あっ、出席をしてメッセージの送付や講演をしたり、メッセージを送付したということがございました。
具体的に申し上げますと、日韓トンネル推進唐津フォーラム、日韓トンネル実現九州・山口連絡協議会結成式、日韓トンネル推進佐賀県民会議総会になります。なお、日韓トンネル推進唐津フォーラムでは講演をいたしました。
○田村智子君 日韓トンネル、これ、佐賀県唐津から長崎県の壱岐、対馬を渡り、通り、韓国の釜山に至る約二百三十キロメートルの海底トンネルの構想ですね。そもそもは戦前の日本が提唱したものであることや、将来構想として日韓首脳でも話が出されていたことなど、歴史的に経緯があるということは私も知っています。しかし、今言われた古川政務官が会合に参加をしたという時期は、実現性は極めて低く、国際ハイウェイ財団が推進する事業になっていたと思われます。国際ハイウェイ財団のホームページには、沿革の冒頭で、一九八一年十一月、文鮮明師、国際ハイウェイ構想を提唱とあります。
統一協会が深く関わっているということを認識しながら、日韓トンネルについて会合に出、講演も行ったということでしょうか。
○大臣政務官(古川康君) 統一、旧統一教会が社会的に問題があったということについては、一九八〇年から九〇年代頃にかけて大きく報道されたこともあり、知っておりました。一方で、私が関連団体の会合に出席した時点におきましては、こうした問題を耳にする機会も私自身はなく、大きく報道された頃から大分月日もたっているということから、いまだに大きな問題を抱えているとの思いに至りませんでした。
ここは、深く考えることなく私が誤解をしていたということでございます。当該団体の現状についての正確な認識を欠いたものであり、申し訳なく存じます。
○田村智子君 反省の弁というのが政治家の方から聞いたのは私はこれが初めてではないかというふうにも今思いながら答弁を聞いていたんですけれども、それでもやはり指摘をしなければなりません。
日韓トンネルは統一協会が寄附金を集める重要な手段の一つだったんですね。なんですよね、今もそうですね。古川政務官のまさにその地元の唐津で国際ハイウェイ財団の土地が五百四十メートル掘られて、これが試掘だ、トンネルができるんだと思わせる手口にも使われてきた。日韓トンネルの建設現場とされるところに連れていかれ、完成させるために資金が要ると寄附を求められて、約一億四千万円の土地を売却し、その利益のほとんどを寄附したという広島の方もおられます。
佐賀県知事も務められた。実は、知事時代の答弁を見ますと、日韓トンネルから距離を置く答弁をされていた。ところが、国政に転じた途端にといいましょうか、日韓トンネルへの期待を述べるような講演ということになってしまう。これは、本当に統一協会の寄附金集めに手を貸したというふうに言われても仕方がないと思うんです。
そこの認識について、いかがでしょうか。
○大臣政務官(古川康君) 委員からの御指摘、まず重く受け止めをさせていただきます。
もう繰り返しになりますが、こうした会合に出席をした、あるいは講演をした時点におきましては、今議員から御指摘があったことも踏まえて、今もなお大きな問題を抱えている団体であるという認識が足りませんでした。地元で確かに関係のあることでございまして、地元選出の国会議員としてどうしても一定の関心を持たざるを得ないと私は思っておりましたが、それ以上に大切にしなければならないものがあったということだと思います。
改めまして、申し訳なく存じます。
○田村智子君 この問題は、もちろん古川政務官だけの問題ではなくて、やはり自民党自身が選挙でも統一協会をやっぱり利用してきたという経緯がありますのでね、国政に転じられたときに、なぜ知事時代には距離を置いていたのに期待を述べるというような方向に古川政務官、変わられてしまったのかということも、これは自民党の組織的な問題として私は深く検証がされなければならないと思っています。
今の答弁も受けて、前回質問いたしました豊田副大臣にもう一度質問いたします。
速記録を読み返したんですけれども、豊田副大臣は、今回の一連の事件で様々にこの統一協会がクローズアップをされてきて問題になっているという認識しか示されていないわけですよ、統一協会そのものの集会に出席されて挨拶をされたにもかかわらず。
もう一度お聞きします。統一協会が社会的な問題がある団体だと分かっていて出席をされたのか、そして、あなたが出席をして期待を述べてしまったということについてどのように今認識をされておられるのか、答弁を求めます。
○副大臣(豊田俊郎君) 今の御質問でございますけれども、私も国会議員になって十年目を迎えておりますけれども、統一教会の主催の会合には一度も出たこともございませんし、御案内をいただいたこともございません。
ただ、五年前に一度あったということは、前回の質問でもお答えしたとおりでございます。まあいわゆる、千葉県で行われたフェスティバルにですね、ピースラビングフェスティバル神奈川という大会に御案内をいただいて挨拶したというのみでございます。それ以外のお付き合いもなければですね、それ以外の会合に御案内をいただいたこともないということでございます。
○田村智子君 済みません、時間が来ちゃったんですけど、その答弁は駄目ですよ。
私は、我が党は旧統一協会のことを統一協会と呼んでいます、名前変えたって同じだから。だけど、その旧統一協会の集会そのものなんですよ、ピースラビングフェスティバルっていうのは。だからね、その認識からして、私、非常に重大で、反省もないのかと。これは、引き続き質問も含めて取り上げさせていただきたいと思います。
以上で終わります。