2020年東京オリンピック・パラリンピックの会場計画について日本共産党の田村智子参院議員は、東京都が見直しを進めており、メーン会場となる新国立競技場の在り方が問われるとし、巨額の建設費や構造、後利用などについて質問主意書を提出しました。これに対する安倍内閣の答弁書がこのほど閣議決定されました。
田村議員は、1625億円にのぼる現在の総工費は消費税5%、1年半前の労務単価を基にした積算で、著名な建築家からさらに増大するとの予測が示されており、現時点での費用を示すよう要求。答弁書は「精査している」として明らかにしませんでした。
一方、答弁書は新国立競技場の修繕費については、大規模改修費と50年分の修繕費の合計が総工費の「約60%に相当する」と回答しました。国の建築物の保全について調査を行っている「建築保全センター」が「すべき修繕+望ましい修繕+事後保全」は建設費の154%などとしていることに比べても過小に見積もっていることが浮き彫りになりました。
昨年12月の国際オリンピック委員会(IOC)総会が「既存施設の最大限の活用」などをうたう「アジェンダ2020」を採択したことについて答弁書は「尊重されるべきもの」と回答しました。こうした姿勢を貫くなら計画は真摯(しんし)に見直すことが求められます。