日本共産党の田村智子議員は27日の参院国土交通委員会で、豊田俊郎国交副大臣が統一協会(世界平和統一家庭連合)の韓鶴子総裁が出席した協会主催の集会であいさつした問題を追及し、集会に参加した経緯など統一協会との関係すべてを説明するよう求めました。
豊田副大臣は自民党の「点検」で、「関連団体の会合への出席」を認めています。参加したのは2017年10月の「Peace Loving Festival KANAGAWA」です。
田村氏は、集会の主催者あいさつを日本の統一協会の徳野英治会長(当時)が行い、メインイベントは韓鶴子総裁の25分間の「お言葉」だったことを示し、「関連団体ではなく統一協会そのものの大集会であいさつしたのでは」とただしました。
豊田副大臣は「会合が旧統一協会に関するものとは認識していなかった」などと開きなおりました。
田村氏は、集会で豊田氏が「韓鶴子総裁をお迎えしてメッセージをお聞きになると伺っている。皆さま方の運動の大きな飛躍の機会となることができるよう祈念」すると述べ、韓総裁が「幸福は与えれば与えるほど大きくなる」と呼びかけたことを指摘。これは高額献金につながるものだとして、「集会の動画は今も視聴できる状態だ。統一協会の集会に参加し、団体への期待を述べた重大性をどう認識するか」と迫りました。
豊田副大臣は「韓さんの演説は聞いていない」などと無責任な答弁に終始しました。
2022年10月28日(金) しんぶん赤旗
○田村智子君 次に、統一協会の問題について質問いたします。
豊田副大臣、自民党の調査一覧では、関連団体の会合への出席、議員挨拶ありと公表されていますが、いつ、どういう会合での挨拶ですか。
○副大臣(豊田俊郎君) 今の田村議員の御質問でございますけれども、二〇一七年十二、十月にですね、千葉県の幕張メッセで開催されたピースラビングフェスティバル神奈川に来賓として招待されたので、御挨拶をし、退席したものと思います。当該会合が旧統一教会に関するものとは認識しておりませんでした。
今後は、社会的に問題が指摘されるような組織、団体とは一切関係を持たないよう、十分に注意し、厳正に対応してまいります。
○田村智子君 ピースラビングフェスティバル神奈川、集会の概要が統一協会関係団体のホームページにありましたので、資料三でお配りしています。
ユーチューブに動画もありましたので見たのですが、大変驚きました。まず、祈祷、神奈川教区代表が行っています。続いて、主催者挨拶は、世界平和統一家庭連合、つまり、統一協会会長の徳野氏です。全世界の難問題を解決するために、一九五四年、文鮮明総裁が我が統一運動を創設され、一九六〇年、文鮮明総裁と韓鶴子総裁の御成婚式によって本格的に出発した、この統一運動こそが人類の新たな希望である、人類のまことの母、韓鶴子総裁が幕張メッセに来てくださった、このように述べ、会場に万雷の拍手が響きます。この挨拶を聞く来賓席も動画に記録されています。メーンは、韓鶴子総裁の二十五分にわたるお言葉です。
関連団体ではなく統一協会そのものの大集会で挨拶をしたのではないんですか。
○副大臣(豊田俊郎君) 先ほども申し上げましたけれども、当該会合が旧統一教会に関するものとは認識しておりませんでした。
○田村智子君 統一協会だと知っていたら出席はしなかったということですか。
○副大臣(豊田俊郎君) まあ仮定の御質問でございますので、考えたことはありません。
○田村智子君 知らなかったと言われるんですけど、副大臣は一九五二年にお生まれになって、九九年に千葉県議になられて政治家人生を歩んでこられました。統一協会の霊感商法は、八〇年代には大きく報道され、九〇年代にも芸能人の集団結婚が社会に衝撃を与え、文鮮明夫妻による祝福も報道をされています。文鮮明、まあ文鮮明氏というこの名前を聞いても、あるいは統一運動という挨拶が行われても、明らかに宗教団体の集会だということが分かっていても、これ、分かんなかったんでしょうか。この日というのは、解散・総選挙の真っただ中なんですよ。選挙応援で多忙を極めるときに、どういう団体かも分からずに挨拶に行くということがあり得るんでしょうか。一体どういう団体だと思われたんですか。
○副大臣(豊田俊郎君) 当時、もう五年前でございますので、まあ正確には覚えてはおりませんけれども、まあいわゆる平和活動をしている団体に一人の国会議員として御案内をいただいたものと認識をいたしております。
なお、千葉県で開催されたわけでございますけれども、神奈川大会だというふうに承知をしております。
○田村智子君 そうやって神奈川とか大阪とかって掛けているんです、付けているんですけど、これ全国集会なんですよ、信者の、動画を見てみると。
で、そのときの挨拶も全部動画に残っていて、真の家庭運動を世界的規模で展開されているとお伺いしております、本日はこの運動を提唱し、指導されておられる韓鶴子総裁をお迎えしてメッセージをお聞きになると伺っております、世界平和の実現を目指す皆様方の運動の大きな飛躍の機会となることができるよう御祈念申し上げ云々なんですよね。
この後、韓総裁は、幸福は、与えれば与えるほど大きくなる、これ、ハングル語なので、そのホームページに書いてあるものの日本語で言いますけど、この日本、こういう呼びかけを日本の信者にしているんですよ。与えれば与えるほど、つまり、高額献金をすればするほど幸福になるというこのマインドコントロールでどれだけの被害がもたらされたかなんです。
知らなかったとおっしゃる。だけれども、あなたが統一協会そのものの集会に参加をして、この団体への期待を述べた、その動画が、あなたが副大臣になった今も視聴できる状態にある。この重大性はどのように認識されますか。
○副大臣(豊田俊郎君) まあ時間が経過した中で、今回の一連の事件によって、このことにクローズアップされたというふうに思います。
実は、私も、これが動画に記載されていることも知りませんでした。で、私の関係者が、動画で載っているよというようなお話がございまして、私も早速その動画を見ました。そこでの挨拶はそのとおりに載っていました。そのときに、まさしくそのとおりに挨拶したかどうかははっきり覚えておりませんけれども、韓さんの挨拶云々ということを今先生おっしゃいましたけれども、私はその韓さんの演説は聞いておりませんので、何をどう話ししたのかは承知いたしておりません。
○田村智子君 あのね、だから、そういう集会に国会議員が参加をして箔を付けてしまったんですよ。そういう動画をいろんなところで見せて勧誘をするわけですよ。で、国土交通行政との関係でいえばね、今日時間ないから質問できないんですけど、日韓トンネルという、これを口実にした献金というのもやらされているわけですよ。全く知らなかったのだとするならば、なぜ統一協会の集会に参加したのか、どのように招待され、誰からどのような説明を受けて挨拶をされたのか、こういうこと全部御説明いただかなければならないと思います。
委員会に対してこの説明を行うよう、是非、委員長からも取り計らいをお願いいたします。
○委員長(蓮舫君) 後刻理事会において協議します。
○田村智子君 終わります。あっ、まだ一分あった、ごめんなさい。済みません。
先ほど述べたように、日韓トンネルの問題も含めて本来質問しなければならないと思っています。
それでですね、やっぱりこの統一協会の問題というのは、この国会で本当に焦点になっているのはなぜか、長年にわたって自民党との癒着がどのようにこの行政に対してのゆがみをもたらしてきたのか、どれだけの被害を与えてきたのか、このこと、やっぱり、様々な法案を審議する本来私は前提として審議をされなければならないというふうに考えます。
そして、もう一つ言えば、豊田副大臣という政治家が、家庭、何だ、名称変更したですよ、その名前を聞いて統一協会と分からなかったということになればですね、安倍政権下で、下村大臣も知っていながらこの名称変更を認めた、このことの重大性はますます明らかになったと思います。
以上申し上げ、質問を終わります。