理化学研究所(理研)が来年3月に約600人の研究系職員の雇い止めを計画している問題で、日本共産党の田村智子政策委員長、宮本岳志衆院議員は24、25の両日、理研大阪・神戸地区にある生命機能科学研究センターの施設を視察しました。
雇い止め計画によって解散の危機にひんしている研究チーム(ラボ)は理研全体で42。そのうち同センターは、がんの早期発見や治療、認知症の病態メカニズムの解明など最先端の研究をしている19ものラボが廃止の対象になっています。
田村氏らは、ラボ廃止で使われなくなる、がん検査などで用いる放射性薬剤を開発・研究するための放射性物質を扱う装置などを視察。理研との懇談で同センターでは、がんの早期発見などにつながる、生命現象を分子・原子レベルで捉える研究分野の多くのラボが廃止されることが明らかになりました。
田村氏は、同センターの研究テーマは社会が求めているものだと指摘。「世界トップレベルの研究を切り捨てるのはあまりにも大きな損失だ。雇い止めされる研究者だけの問題ではなく、社会的貢献を掲げる理研は国民に対する説明責任がある」と述べました。
理研神戸地区の視察には森本真・党神戸市議も同行しました。視察団は24日夕、理化学研究所労働組合(理研労)などと懇談しました。
理研は、非正規の研究系職員の無期転換を逃れるために10年の雇用上限を設置。雇い止め対象者は296人(1月時点)。ラボの責任者も含まれ、ラボの閉鎖で約300人のスタッフも雇い止めになるとみられています。
2022年8月26日(金) しんぶん赤旗
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