活動報告

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〝生きることに税かけるな〟/田村政策委員長、消費税減税訴え/NHK日曜討論

 日本共産党の田村智子政策委員長は19日のNHK「日曜討論」で、参院選の争点について各党政策責任者と討論しました。

 田村氏は、司会者から有権者に何を訴えるかと問われ、「ウクライナ危機に乗じた軍事一辺倒の議論が行われているが、軍事対軍事の悪循環になっていく」と指摘。戦争を起こさないために「アメリカ、中国、日本も含めた東アジアの包摂的な枠組みをつくる外交ビジョンを示して選挙に臨む」と表明しました。

 暮らしの問題では物価高騰対策として消費税減税は当然だとした上で「異常円安の大きな原因は、異次元の金融緩和だ」と批判。大企業が内部留保を積み増す一方、賃金が上がってないと指摘し、「新自由主義、アベノミクスからの転換が必要で、そのための政策を正面から訴えていく」と述べました。

 日本経済の現状について問われた田村氏は、「政府は、暮らしの痛みが本当に分かっているのか。消費税減税もできない理由を言い立てている」と厳しく批判。消費税は「生きることにかけているようなもの」と強調し、公正な税負担への転換が必要だと訴えました。

 自民党の高市早苗政調会長は「国防力、または外交力の強化」を強調。同党が公約に掲げる軍事費対国内総生産(GDP)比2%について、「決意を示すことが大事だ」と主張すると、公明党、日本維新の会、国民民主党などの出席者が賛同しました。

 

NHK日曜討論/田村政策委員長の発言

 日本共産党の田村智子政策委員長は19日のNHK「日曜討論」で、ロシアのウクライナ侵略を口実とした大軍拡論や、物価高騰対策など参院選の争点について各党の代表者と議論しました。

平和と暮らしどうするのか
 冒頭、司会者から参院選で有権者になにを訴えるかと問われた田村氏は「平和をどう守るのか」「物価高騰から暮らしをどう守るのか」という二つを挙げました。
 田村氏は、ウクライナ危機に乗じ敵基地攻撃能力、軍事費2倍化、憲法改悪など軍事一辺倒の議論が出ていることに「これでは軍事対軍事の悪循環になる」と指摘。「戦争を起こさないために日本がどういう外交をするのか、アメリカ、中国、日本も含めて東アジアの包摂的な話し合いの枠組みをつくろうという外交ビジョンを示して選挙に臨む」と表明しました。
 物価対策については、「消費税の減税はもちろんだが、異常円安の大きな原因は異次元の金融緩和だ。大企業は内部留保を積み増しているのに賃金が上がらない。こういう新自由主義、アベノミクスの転換が必要で、そのための政策を正面から訴えていきたい」と述べました。
 他の野党からも消費税減税を求める声が相次ぐなか、自民党の高市早苗政調会長は日本の物価高騰は国際的に低く抑えられていると主張。消費税が法人税率減税にあてられてきたとの指摘に「事実無根だ」と根拠も示さず反論し、消費税減税に応じない姿勢を示しました。公明党の竹内譲政調会長も消費税減税に反対しました。

 

大企業や富裕層に公正な税負担を
 田村氏は「くらしの痛みが本当に分かっているのか」と批判。「きめ細かい対策を打ってきた」という岸田文雄首相は日本の物価高騰は「限定的」だというが、卵など輸入品以外の生鮮食料品にも値上げが波及して家計を圧迫しているとして、「この痛みが分からないから、6月から年金も減らしてしまう」と批判。「欧米では最低賃金の大幅な引き上げが議論され、実施されている国もあるが、政府には大幅引き上げの議論もなく、消費税減税ができない理由を並べたてている。もともとは直間比率の見直しから出てきたのだから、もう社会保障の目的だという口実は本当にやめていただきたい」と訴えました。
 消費税減税の財源について問われた田村氏は、アベノミクスで23・2%まで下げた法人税率を28%に戻すべきだと主張。岸田首相が就任前には「所得1億円の壁」(所得が年1億円を超えると税負担率が落ちる仕組み)の見直しを表明したのに、首相になった途端、この政策を引っ込めてしまったと批判しました。
 その上で、公正な税負担を求める声が世論調査でも多数派だと指摘。消費税は「生きること」や「働くこと」にかける税金だと強調し、「大企業や富裕層に公正な税負担を求める税制改正を消費税減税とセットでやるべきだ」と主張しました。

 

賃上げのために内部留保課税を
 与野党問わず各党が賃上げを口にするなか、田村氏は「大企業が内部留保を470兆ぐらいにまで膨らませたが、実質賃金は下がり、格差が広がった。これが何で起きたのかしっかり反省し転換しなければいけない」と指摘しました。
 その上で、「アメリカでは与党・民主党が最賃を2倍の約1950円にする法案を提出しようとしている」と指摘し、手取り20万円ないと暮らせないという若者の声を紹介。全国どこでも時給1500円が必要だとして、内部留保のごく一部に課税し、5年間で10兆円の財源を生みだし、中小企業の賃上げを直接支援して最賃1500円を実現する具体的政策を示すなど、「賃上げには戦略が必要だ」と力説しました。

 

戦争させない外交戦略こそ
 日本の軍事費の国内総生産(GDP)比2%への引き上げが議論になり、高市氏は最終的に5兆円規模の軍事費増となる可能性を認めました。竹内氏も「増額は不可欠」だとし、立民、維新、国民も増額を容認する姿勢を示し、維新は赤字国債で財源を確保する考えを示しました。
 田村氏は、10兆~11兆円規模の軍事費となれば、消費税は2%以上の増税となり、社会保障のさらなる削減・抑制に向かうほか、「国の借金(赤字国債)でということになれば、借金はどんどん膨らんでいく」と警告しました。
 また、5月の衆院予算委員会で岸田首相自身が、軍事力を強化すれば相手もさらに軍事力を強化し、結果として脅威が増す「安全保障のジレンマ」に陥ると答弁したが、「私はその通りだと思う」と強調。「自民党は敵基地攻撃能力(反撃能力)を公約に掲げたが、仮想敵をもって大軍拡をやれば、まさに軍拡の競争になりかねず、安全保障のジレンマに陥ってしまう」として、「戦争の準備ではなく、戦争を起こさない具体的な外交の戦略こそが求められている」と主張しました。


2022年6月20日(月) しんぶん赤旗


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