政策・マニフェスト

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【田村智子の実績】国家公務員のサービス残業を問題に!賃上げと雇用の安定を要求してきました!

2018年11月27日(火) しんぶん赤旗

残業代不払い 是正を 田村智子議員 国家公務員の実情指摘

 

 日本共産党の田村智子議員は、22日の参院内閣委員会で、超過勤務命令がないことを理由に国家公務員の不払い残業が事実上合法化されている問題をただしました。

 田村氏は、人事院が行った各省庁別在庁時間のサンプル調査をもとに試算した年間在庁時間と、実際に支払われた超過勤務手当の時間数とで大きな乖離(かいり)があることを示しました(乖離は厚労省で約160時間)。

 また霞ケ関国家公務員労働組合共闘会議の残業実態アンケートで「超過勤務手当が全額支給されている」との回答が半数程度であり、「100時間を超える残業が3カ月続いたのに、30時間程少なくされた」などの記述もあると指摘し、「実態として不払い残業があるのではないか」と迫りました。宮腰光寛担当相は「超過勤務命令に従い、超過勤務手当を支給することとなっている」と答弁。

 田村氏は、「勤務時間内に終わらないような仕事量を与えながら、もう帰りなさいと言えば、手当は払わなくてよいことになる」と厳しく批判。政府が民間事業所に対して、残業時間の適正な申告を妨げてはならないことなどをガイドラインで示していることも指摘し、同様の措置をとるべきだと人事院に求めました。

 

 

【2018年11月22日 内閣委員会 議事録】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 私も、国家公務員の働き方改革について、まず質問いたします。

 人事院は、人事管理に関する報告書で、超過勤務の縮減に取り組んでいく必要があるとしています。しかし、その内容を見れば、これでどうやって超過勤務が縮減できるのか、極めて疑問です。

 超過勤務命令を行うことのできる上限として、現在は指針で月四十五時間、一年三百六十時間、他律的な業務の多い職員に対しては一か月百時間かつ年七百二十時間等と定めていて、これをそのまま人事院規則とする方向です。しかも、ただし書で、重要法案の立案等公務の運営上やむを得ない場合にはこの上限を超えることができるとあります。

 さきの通常国会で、民間事業所での時間外労働について、労使協定があっても超えることのできない上限を百時間未満とする法規制が行われました。私たちは、これも過労死ラインをはるかに超えるもので、到底認めることはできないと断固反対をいたしましたが、国家公務員についてはこの百時間未満という規制さえも行わない、これで超過勤務の縮減になるのでしょうか。

 

○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 国家公務員につきましても、職員の健康保持や人材確保の観点等から長時間労働を是正する必要があり、超過勤務を縮減するために、民間労働法制において設けられた時間外労働の上限時間や現行の超過勤務の縮減に関する指針における超過勤務の上限目安時間を踏まえて、超過勤務命令の上限時間を設定することとしたものでございます。

 一方で、公務においては必要な行政サービスの提供を中止するということはできないものですから、大規模な災害への対応や重要法令の立案、重要な国際交渉など、重要性、緊急性が高い業務に従事しなければならない職員には、この上限を超えて超過勤務を命ずることを認めることとしております。

 一方で、上限時間を超えて超過勤務を命ずる場合には、その超過勤務を必要最小限にとどめるとともに、健康確保に最大限配慮しなければならないとすることとし、上限を超えて超過勤務を命じた各省各庁の長に対しては、その要因の整理、分析を行う義務を課すこととしています。

 さらに、一か月について百時間以上の超過勤務を行った職員等に対しては、職員からの申出がなくとも医師による面接指導を行うことを義務付けるとともに、職員からの申出があった場合の面接指導につきましても、その対象となる超過勤務時間の基準を一か月について百時間から八十時間に引き下げるなどの措置も講ずることとしております。

 各府省においては、検証を行った結果も踏まえ、業務の削減又は合理化に取り組むなど、超過勤務の縮減に向けた適切な対策を講じていただく必要があると考えております。

 公務における長時間労働の是正については、政府全体で連携しつつ取り組んでいくことが必要であり、本院としても、必要に応じて制度の運用状況を把握し、各府省を指導していくなど、引き続き適切に役割を果たしてまいりたいと考えております。

 

○田村智子君 災害などの非常事態は、労働基準法も労働時間規制の対象外とする条文があるんですよ。民間企業でも、例えばクライアントの都合だとか要求だとか、あるいは海外の事業所と関連する仕事など、他律的な業務というのは山ほどあると思うんです。それでも、他律的であっても繁忙期であっても、時間外労働は百時間未満、これを超えてはならないと規制をしたわけですよね。重要法案の立案等公務が自然災害と一緒じゃ駄目だと思うんですよ。これは人為的努力によって縮減が可能な範囲のはずであると思うんです。そういう人為的な努力によって長時間労働にならないような措置ができると、そういうものであっても百時間を超えて天井なしで超過勤務が命令できてしまう、そういうことになってしまうんでしょうか。

 

○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 重要な法令には、臨時、緊急に措置をしなければならないものもあるため、職員がそうした法令の立案に従事する場合も公務の運営上真にやむを得ない場合に含まれていると考えておりますけれども、これが必要以上に拡大されて解釈することがないようにはしたいと思っております。

 

○田村智子君 私も、霞が関国家公務員労働組合共闘会議の勤務実態アンケート、これ毎年行われているものを読みまして、その中で国会対応での待機だとか、早朝、深夜の勤務に国会との関係でなっているという記述が幾つもあって、本当に胸が痛むわけです。過労死ライン超えるような働き方をさせては駄目なんだということを閣僚にも各党議員にももっと徹底しなければならないと、本当このアンケートを読んで思いました。

 不誠実な資料や答弁が出てくれば、それは資料要求や説明レクの回数どんどん増えちゃいますよ。深夜、早朝になるということはありますよ。強引な議会運営は、当然質問レクを遅らせるということにもなりますよ。もちろん平時であっても、私たちは、ちゃんと質問レク早め早めに終わらせて、超過勤務にさせないようにという努力がもっと求められると思うんですけれども、こういう公務上やむを得ないというような規定で、曖昧な規定で天井なしの超勤命令をこれ許してしまったら、そのことを徹底するという努力もこれまたちゃんと取られていかないというふうに思ってしまうわけです。

 だからこそ、月百時間超の勤務命令、これは容認してはならない、こんな内容を人事院規則とするようなことはあってはならないと、このことを厳しく申し上げておきたいと思います。

 そもそも、国家公務員の場合、超過勤務の時間は客観的な把握もされていないと、このことも大問題です。

 民間事業所に対しては、厚労省が示している労働時間適正把握のガイドラインで、タイムカード、ICカードなどの客観的な記録によって勤務時間の開始と終了時間を把握することを原則としています。その上で、自己申告制を取る場合にも、自己申告のルールを示しています。例えば、自己申告が適正に行われているかどうか実態調査を実施すること、あるいは、残業時間に上限を設けて、上限を超える申告を認めないなど、労働者の適正な申告を阻害してはならないことなどですね。

 それでは、各省庁ではどうか。タイムカードやICカードなど客観的な記録による始業・終業時刻の把握を原則とし、これを実施しているのかどうか、内閣人事局、お願いします。

 

○政府参考人(植田浩君) お答えいたします。
 国家公務員につきましては、人事院規則等に基づきまして、出勤簿や勤務時間報告書等により勤務時間管理を行っているところでございます。他方、民間につきましては、委員御指摘のように、使用者が自ら現認すること、ないしタイムカード等の客観的な記録を基礎とすることを原則としつつ、措置を講ずるということと承知しております。

 

○田村智子君 これは、置いているってまず聞いたことがないんですよね。先ほど、御答弁の中で、例えば月百時間超の超過勤務をやった場合には本人の申出がなくとも医師面接義務付けられるという御答弁あったんですけど、ということは、客観的な記録がなかったらこれ実施できないわけですよ。客観的に把握しなければならない義務があるはずです。

 ところが、現実には、例えば厚生労働省、お聞きしましたら、出勤すると出勤簿に判こを押すそうです。そして、超過勤務はその都度、一枚紙の在庁時間管理簿というのに記入をして、それを一々上司のところに提出をして、それで上司の承諾を得るというやり方だというふうにお聞きをしたんです。まあ今どきこんなアナログなやり方というのは本当に驚くわけですけれども、そもそも忙しいから超過勤務になるわけで、その忙しい人がわざわざ紙に書いて上司のところに願い出る、本当に非現実的なことなんですよ。不合理なんですよ。

 先ほど御紹介した霞国公のアンケートでは、超過勤務手当が残業時間のとおりに全額支給されているというふうに回答したのは五二・六%にとどまっています。残業時間の六割未満しか払われていないとする方は一割近くあって、自由記述の欄には、三か月連続で残業百時間超え、産業医の面談の対象となるため、勝手に三十時間ほど少なくされたという記述さえあります。また、上司が、超過勤務手当の予算が足りない、こうやって言い触らすと、そうすると申告もしづらいと。一旦職場の電気が消されてから戻ってきて仕事をする、こういう方も少なくなくおられるということもお聞きしているわけです。

 大臣にお聞きします。国家公務員には、実態として未払の超過勤務があるということになるんじゃないでしょうか。

 

○国務大臣(宮腰光寛君) 長時間労働を前提とした働き方を改め、しっかり休んで集中して働き、限られた時間で成果を上げる生産性の高い働き方へと変えていくことは、官民共通の重要な課題であると考えております。

 国家公務員の超過勤務は、公務のための臨時又は緊急の必要がある場合において、正規の勤務時間以外の時間において勤務することを命ぜられたとき、この超過勤務命令に従って行われるものであります。この超過勤務命令に従い、勤務した時間に対して超過勤務手当が支給されることというふうになっております。

 

○田村智子君 言及避けているような答弁なんですけどね。

 資料をお配りしましたので、見ていただきたいんです。
 人事院は、各省の在庁時間というのをサンプル調査を行っています。これは一週間当たりの時間ですので、これは四十五時間で掛けてみました。通年換算、一年間で大体五十二週で、そこから、夏と冬の休みの期間とかゴールデンウイークとか、これを考えますと、少なめかなと思いつつ四十五を掛けてみたわけですけれども、それと国家公務員の府省庁別総超過勤務時間数、これはつまり超勤手当が払われたものから計算されたものということになりますけれども、この結果を一覧にして比較をしてみました。

 そうすると、各府省で在庁時間と超過勤務手当の支給時間、大きな乖離があります。例えば、平成二十八年、在庁時間のサンプル調査、内閣府は、一週間当たり九・八時間、年間に直すと四百四十一時間、同じ年、実際に手当が払われた時間数を見てみますと四百二十・五時間。厚労省、もっとひどいですね、在庁時間年間五百二十六・五時間、ところが手当が支払われた分は三百六十四・五時間。

 人事院、この乖離をどう考えますか。

 

○政府参考人(合田秀樹君) お答えいたします。
 委員御指摘の人事院が把握しております在庁時間でございますが、これはサンプル調査といたしまして、各月の第一週の一週間につきまして、全本府省の各局の一つの課に所属する超過勤務手当支給対象職員の在庁時間を調査し、年度単位で集計したものでございます。

 一方、お示しの総超過勤務時間数の方でございますが、これは国家公務員等給与等実態調査という人事院が行っている調査を基に算出されているものと承知しますけれども、これは、この調査の対象となっております全職員のうち、一月から十二月までの全期間において超過勤務手当の支給対象となっていた全職員について、一年間の超過勤務手当を集計して算出したというものでございます。

 御説明しましたように、在庁時間のサンプル調査とそれから平均年間超過勤務時間数とは調査対象等が異なっておるから、両者を単純に比較することはできないと考えておるところでございますし、また、国家公務員の超過勤務は、公務のため臨時又は緊急の必要がある場合において正規の勤務時間以外の時間に勤務することを命ぜられたとき、この命令に従って行われるものでございまして、在庁時間には超過勤務時間とそれから食事等業務外の時間も含まれ得るというところでございますから、必ずしも一致しないものであるというふうに認識をしております。

 

○田村智子君 私も在庁時間がそのまま勤務時間だとは言いませんよ。だけど、百時間以上もの乖離があるんですよ。これ、ずっと私も人事院とも内閣人事局ともやり取りしているんですけど、命ぜられた以外はたとえ職場に残って仕事をしていても超過勤務ではないという、この平行線なんですよ、ずっと。

 そうすると、命令がなければ超勤ではなく手当も支払われない。管理者が勤務時間内にとても終わることのできないような仕事を与えていながら、もう帰りなさいよとか勤務時間内に終わらせてよと言い続ければ超勤命令になりませんから、そうすればこれ不払残業が合法化されることになってしまうと思うんですよね。大臣、それはおかしいと思うんですけど、どうですか。

 

○国務大臣(宮腰光寛君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、超過勤務命令に従い勤務した時間に対して超過勤務手当が支給されることとなっております。

 なお、平成二十九年四月からは、超過勤務を実施する際にその理由や見込み時間等を上司が把握するなど、超過勤務の適切な管理の徹底に取り組んできております。

 国家公務員の長時間労働を是正するため、また職員の健康確保の観点からも、勤務時間管理を適切に行うことが重要であります。今後、人事院において勤務時間管理の適切な方法について定めるものと承知しておりまして、その内容を踏まえた上で、人事院や各府省と連携しつつ検討を行ってまいりたいというふうに考えております。

 

○田村智子君 答弁がかみ合っているのかどうかがよく分からないんですけれども、とにかく、民間事業者に対しては、例えば、もう残業手当を出すだけのお金がないから、だからもう残業やっていてもカウントしないよなんてことはやってはならないわけですよ。適正な申告を妨げることはやってはならない、こうやってガイドラインで示しているんですよ。ずっともう私たちのやり取りでは、とにかく超勤命令を出してくれと、実際に働いているんだったら後からでも超勤命令出してくれということを言い続けるので、だったら人事院、せめて民間に示しているガイドライン並みのことを改めて言うべきだと思うんですよ。

 不払超勤というのはあっては駄目なんだと、実際に働いた時間に基づいて超勤手当は支払わなければならないと、その際、請求できる条件を設けるなど適正な申告を妨げるものであってはならないと、こういうことをしっかり示すべきだと思いますが、いかがですか。

 

○政府参考人(合田秀樹君) お答え申し上げます。
 国家公務員の超過勤務手当は、先ほど、公務のため臨時又は緊急の必要がある場合において正規の勤務時間以外の時間に勤務することを命ぜられたとき、この命令に従い職員が勤務するというものでございます。

 公務における長時間労働を是正し、職員の健康を確保していくためには、職員の勤務時間を適正に把握し管理していくことが重要であるというふうに考えているところでございます。このため、今般講ずる措置の中では、課室長等による超過勤務予定の事前確認や、所要見込み時間と異なった場合の課室長等への事後報告を徹底するということにしております。

 また、超過勤務時間につきましては各府省において適切に管理していただくべきものでございまして、人事院としても、今般の制度化によって適切に措置を講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 

○田村智子君 今日、ちょっと障害者のこともお聞きしたかったんですけど、時間がなくなっちゃったので、一点、もう一回、済みません、先ほどの答弁の中で私聞き落としたのかもしれないんですけれども、こうした超勤手当ちゃんと払うということと、それから百時間超えたら医師の面接をちゃんとやらなければならないということで、客観的な把握、これはもう絶対的な条件だと思うんです。これは、在庁時間イコール勤務時間というふうに私しろとは言いませんが、午前中にもありましたけど、コンピューター開けたらもう始業だと、あるいは閉めたら終業だと、こういう客観的な記録については今後やっていく方向なのかどうか、これはもう一回ちょっと、内閣人事局、お答えください。

 

○政府参考人(植田浩君) 国家公務員の長時間労働を是正するために、また職員の健康確保の観点からも、勤務時間管理を適切に行うことが重要と考えております。

 今後、人事院において、本年八月の人事院報告を踏まえまして勤務時間管理の適切な方法についての定めがあるものと承知しておりまして、その内容を踏まえた上で、人事院や関係府省と連携しつつ検討していきたいというふうに考えております。

 

○田村智子君 客観的な記録ができる方向で検討するということでよろしいですね。

 

○政府参考人(植田浩君) お答えいたします。
 繰り返しになりますけれども、人事院からの定めがあるものと承知しておりまして、その内容を踏まえた上で、人事院や関係府省と連携しつつ検討していきたいということでございます。

 

○田村智子君 それじゃ、ちょっと人事院の方にも確認したいんですけれども、先ほど御答弁総裁からあったように、本人の申出がなくても百時間超の場合には医師面接が必要だというところまで規則の中に入れるわけですよね。ということは、それは客観的な記録がなければできないことになると思うんですよ。客観的な記録を行う方向であると、そういうふうに人事院は検討しているということでよろしいですか。

 

○政府参考人(合田秀樹君) お答え申し上げます。
 先ほど総裁から申し上げましたように、百時間以上の超過勤務を行った職員に対しては、本人から申出がなくても医師の面談等を行うということにしておりまして、その時間数の把握が必要になってまいりますので、課室長等による超過勤務予定の事前確認ですとか、所要見込み時間と異なった場合の課室長等への事後報告を徹底するとともに、超過勤務時間の確認を行う際には、課室長と周囲の職員等による現認等を通じて行うものとし、客観的な記録を基礎として在庁の状況を把握している場合には、これを参照することもできるようにすることというのを考えているというところでございます。

 

○田村智子君 時間ですので一旦終わり、また続きやりたいと思います。

 


 

2022年4月6日(水) しんぶん赤旗

公務員の賃上げこそ 田村智子氏、手当引き下げ追及

 

 日本共産党の田村智子議員は5日の参院内閣委員会で、国家公務員の期末手当を引き下げる一般職給与法案について追及し、新型コロナ禍や物価高騰などのもと、賃上げこそ必要だと主張しました。

 田村氏は日本国家公務員労働組合連合会が実施した昨年秋のアンケートで49・5%が「生活が苦しい」と回答していると紹介。アベノミクスの異次元金融緩和による円安や、ロシアによるウクライナ侵略などの非常事態のもと、「生活実態にも物価急騰にも対応していないのが今回の改定だ」とただしました。

 二之湯智国家公務員制度担当相は、今回の措置は「妥当と考える」と強弁。田村氏は「本格的な賃上げをするつもりがあるのか」と批判しました。

 さらに田村氏は、公務職場には時給で働き、3年ごとに求職活動をしなければならない非常勤職員が多数いることや、高卒の常勤職員の初任給が最低賃金を割り込む地域が増えていることを指摘し「労働法制の適用除外との理由で放置されているのは異常だ」と迫りました。二之湯担当相は「(非常勤職員の)処遇改善に努めたい」と述べました。

 同委は同日、国家公務員の給与2法案と育児休業3法案を賛成多数で可決しました。日本共産党は一般職給与法案に反対し、特別職給与法案と育児休業3法案に賛成しました。

 

 

【2022年4月5日 内閣委員会 議事録】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。

 岸田総理は、昨年十一月に発表した経済対策の柱として成長と分配の好循環を掲げ、賃上げを推進すると表明されました。さらに、今年二月、物価高への対策としても賃上げを強調されました。大企業に恩恵の厚い賃上げ減税など、その政策には賛同しかねますが、少なくとも、OECD各国との比較でも異様なまでに賃金が上がっていないのが日本だという共通の認識があってのことだと思います。それだけに賃上げが急がれます。生活全般にわたる物価急騰という事態に、生活防衛のためには本格的な賃上げへと日本社会全体を動かしていくことが急務となっています。

 ところが、その下で、公務員の給与は据置き、期末手当はマイナス改定をするというんですね。二之湯大臣は、衆議院での審議で、期末手当の〇・一五月分が全体として数千億円の規模になる、これが消費に回らないということが非常に厳しい経済の下で大きな影響を与えるのではないかという認識も示されました。そのとおりだと思います。

 今回のこの法案、岸田政権の経済政策にも逆行するのではありませんか。

 

○国務大臣(二之湯智君) 今回の措置は、人事院勧告を踏まえて、民間との比較で国家公務員の給与を決定するものでございまして、これは国家公務員の適正な処遇の確保と国民の理解を得るために妥当なものだと思うわけでございます。

 政府として民間の賃金水準の引上げにもしっかりと取り組んでいるところでございまして、民間の賃金水準が上がれば、改善されれば、それを受けてまた今後国家公務員の給与水準の改善も期待できることから、岸田政権の経済政策に逆行するとの御指摘は当たらないのではないかと思うわけでございます。

 

○田村智子君 日本国家公務員労働組合連合会が昨年九月から十一月に実施したアンケートでは、四九・五%が生活が苦しいと回答しています。本格的な賃上げをしてこなかった影響は、物価高騰の前から既に現れています。

 今年六月期に支給される手当が〇・一五月分の引下げとなるだけではなくて、昨年十二月に支給した分の減額調整も行うというわけですよね。午前中にもありました。通常、人事院勧告を受けた給与法の改定は、遅くとも年内に行われてきました。今回のように、年度をもまたいで給与法を改定するというのは初めてのことだという答弁も午前中にありました。

 なぜイレギュラーな時期の給与法の改定なのか。岸田内閣は、ボーナスのマイナス改定が経済に影響を与えないように経済対策をしてからだと、だから年を越えたんだという説明をしてこられましたけど、しかし、経済状況は昨年秋から更に深刻な事態を迎えているんじゃないでしょうか。ロシアのウクライナ侵略による物価高騰は、まだこれから始まるんですよ。アベノミクスの異次元の金融緩和策によって、円安はこのままでは出口も見えずに、長期にわたるインフレが強く懸念をされます。こうした非常事態とも言える下で昨年八月の人事院勧告にただ従うと、これでは私は政策がなさ過ぎると思います。

 生活実態にも目を向けていない、物価急騰にも対応していない、それが今回の給与法の改定ではないですか。

 

○国務大臣(二之湯智君) 繰り返しになりますけれども、今回の措置は人事院勧告を踏まえた民間との比較で国家公務員の給与を決定するものでございまして、民間の給与、これは給与が上がる場合であっても下がる場合であっても、国家公務員の適正な処遇の確保と国民の理解を得るというために妥当なものと考えているところでございます。

 政府といたしましても、民間の賃金水準の引上げや物価高騰対策などにもしっかりと取り組んでいるところでございまして、その実現に向けた各施策を講じることにより民間の賃金水準が改善されれば、それを受けて今後また国家公務員の給与水準の改善も期待できると考えておるところでございます。

 

○田村智子君 人事院勧告は、日本の雇用者人口の約一三%、七百七十万人の労働者に影響を与えると言われています。国と自治体の公務員だけでなく、公定価格で給与水準が示される保育士などの処遇にも直接影響を及ぼします。大臣の認識以上に経済へのマイナス効果がもたらされてしまうということを私は強く危惧しますし、果たしてこれで賃上げが本当に進んでいくのかなということの危惧も示さなければなりません。

 繰り返しになりますけれども、今最もやらなければならない政策が賃上げです。その点で看過できないのが、地域によって最低賃金に達しない俸給表がそのままになっているということです。高卒の初任給が地域別最低賃金を下回る地域、これ国公労連のデータによれば三百六十一の市町村に及びます。

 二〇一九年十一月、衆議院内閣委員会で我が党の塩川議員がこの問題を取り上げて、当時の人事院総裁は、最低賃金法の趣旨は国家公務員においても重要であると考えておりますと答弁しております。

 人事院総裁にお聞きします。なぜ二〇二一年の俸給改定でこの問題を放置したのでしょうか。むしろ、最賃割れの地域は二〇一九年よりも広がってしまっているのではないでしょうか。

 

○政府特別補佐人(川本裕子君) お答え申し上げます。
 枠組みとして、国家公務員は最低賃金法の適用を受けないこととされております。そのような中、国家公務員の給与は民間の水準と均衡を図りつつ、全国一律の俸給表とこれを補完する諸手当から成る給与体系が法定されており、適正な水準を確保するようにしています。

 こうした枠組みの下で、近年、民間企業の初任給の上昇などを踏まえまして、初任給を含む若年層に重点を置いた改定を行って対応してきております。令和三年においては、月例給について、民間給与との較差が極めて小さく、俸給表等の適切な改定が困難であることから改定を行わないことといたしましたが、今後とも民間企業の状況等を見つつ、適切に対応していきたいと考えております。

 

○田村智子君 民間準拠と言いますが、最賃割れの給料なんというのは民間ではあり得ないですよね。やっちゃいけないことなんですよね。そういう地域が広がっているというのは、これ重大事態だということを重ねて指摘したい。これ、在り方見直さなければ駄目だと思いますよ。

 それから、今年三月で定年退職した職員については、午前中の質疑で、昨年十二月に支給したボーナスからマイナス分、この返金は求めないというふうに答弁がありました。しかし、再任用によって四月以降勤務を継続する場合、公務員の身分は消滅して新規採用者として扱われ、給与も手当も大きな減額になるのに、昨年十二月分の手当減額調整、これをやるということになってしまうんですね。

 既に支給済みの手当を後から減額調整するということ自体、これ民間企業だったら大問題だと思いますよ。まして、定年退職後に退職前の公務員の身分に付随する不利益措置を引き継ぐというのは、これ余りに不合理だと思いますが、いかがでしょうか。

 

○政府参考人(堀江宏之君) 期末手当の支給額は、現行制度上、ボーナス支給の基準日より前の最大六か月間の在職期間を考慮して算出することとしております。したがいまして、この六か月以内に退職して再採用された場合、現在におきましても、退職前と再採用後の在職期間を通算するなど、身分の継続性を問わずに在職期間を評価してボーナスを支給しているところでございます。

 今回の期末手当の減額調整に際しましては、このように、三月に定年退職し、その後再任用職員となるなど、在職期間が通算される場合には減額対象としたものでございます。なお、この措置につきましては、人事院の見解も踏まえたものでございます。

 

○田村智子君 これね、不合理としか言いようがないわけですよ。それでもいいんだと言い張るわけですね。

 先ほど紹介した国公労連のアンケートで、再任用者の約七五%が生活が苦しいと回答しているんですよ。長きにわたる定員削減方針の影響で国家公務員の年齢構成にはゆがみが生じていて、経験のある職員層が急激に減少する時期を迎えています。再任用職員は業務上も今や不可欠の存在となっている。けれど、とてもこの処遇が下がるので、本当に生活苦しいというのはよく分かりますよ。そこで、その退職前の不利益を、退職後、再任用にまた引き継がせるというのは本当にやっちゃいけないことだと思いますよね。むしろ再任用職員の抜本的な処遇の改善、ここを検討すべきだということも指摘をしておきたいと思います。

 もう一点、では、非常勤の職員については今回の手当の改定はどのように影響するのでしょうか。

 

○国務大臣(二之湯智君) 今回の給与法改正案に伴う非常勤職員の給与の取扱いにつきましては、法律成立後に内閣人事局が各府省に対して考え方をお示しできるよう、人事院とも相談しつつ現在検討中でございます。

 検討の方向性といたしましては、基礎額や支給月数などで常勤職員と同等の取扱いをしている場合は今回の減額調整の対象としていく方針です。他方、これら以外の非常勤職員については、減額調整の対象とするのではなく、各府省において現場の実態に合わせた対応としていただきたいと考えております。

 

○田村智子君 つまりは、長く働いていて、その仕事も常勤の方と同じような仕事をやっている方は減額をしてしまうと。

 非常勤の方々の処遇というのは各省庁に任されていて、昨年七月に人事院が非常勤職員の給与指針改正して、雇用期間や仕事の内容を参考にしつつ常勤職員の支給月数を基礎とするよう努めるというふうにしていますけれども、そもそも給料も手当も極めて安いと、低い処遇だというふうに指摘せざるを得ないんですよ。それで頑張って働いている方を、非常勤の方まで減額するのかということですね。私、あり得ないと思いますね。

 非常勤職員の処遇については、私も毎年のように質問してきました。二〇一六年十一月には、期間業務職員へのボーナス支給をしていない省庁があるということも指摘をしました。その後、その省庁も手当が払われるようになったというふうに聞くんですけれども、勤務時間の調整などで月給分の方を減らしてボーナスでプラス・マイナス・ゼロとするので、年収としてボーナス分が増えたという扱いになっていないということも聞くわけですよ。だから、手当が支給されても、それで年収が、じゃ、増えるようになったかと言えば、そうなっていない職員がいるということなんですよね。それでも減額するのかということも、本当に私は不合理だと思いますね。

 こういう官製ワーキングプアという言葉が表すような状況を改善するために、非常勤職員に対する給与やボーナス、ここの予算を増やしてもっと処遇を改善するということが求められていると思うんですけれども、大臣、もう一度、いかがでしょうか。

 

○国務大臣(二之湯智君) 非常勤職員は、常勤職員とは職務内容や勤務時間などに差があるために、ボーナスの支給月数においても、この差異を踏まえつつ常勤職員とのバランスを考慮することが重要だと思っております。

 これに関して、昨年七月に人事院指針が改正され、職務、勤務実態、形態などが常勤職員と類似する非常勤職員のボーナスは、常勤職員のボーナスの支給月数を基礎として、勤務時間、勤務実績などを考慮の上支給することとされたところでございます。この人事院指針の改正を踏まえた取組状況については、必要に応じて人事院においてフォローアップがなされるものと認識をいたしております。

 内閣人事局においても、各府省の非常勤職員の適切な処遇が確保されるよう、人事院と必要な連携をしてまいりたいと考えております。

 

○田村智子君 これ、内閣人事局の資料を見ますと、厚労省は今、非常勤の職員四万九千三百四十九人と、これ常勤職員よりも一万七千人以上多いんですよ。もちろんコロナの影響などで特別な臨時的な雇用というのがやられているかとは思います。それでも、非常勤職員なしには業務は成り立たない。法務省も、非常勤五万七千七百二十九人、これも常勤職員よりも多いんですよ。ほかにも、文科省、人事院、復興庁なども非常勤職員の方が多いというのが内閣人事局の示した資料から分かるわけですよ。こういう方々の処遇がどうなっているか、私は、是非調査なども行って、本当にどういう処遇で働いていらっしゃるのかということを見ていただきたいというふうに思いますね。

 育休法についても質問をしたいと思いますので、次に進みます。
 国家公務員の男性職員における育児休業の取得率は、昨年の人事院の調査で初めて半数を超えて五一・四%となったと。ここには防衛省や裁判所の職員が含まれていないという説明も受けています。防衛省なども含めた内閣府の調査では二九%ということなんですけれども、政府の男性育休取得の目標が三〇%なんです。そうすると、国家公務員はほぼ目標達成ということになるんでしょうか。現状の評価と今後の取組について簡潔に御答弁ください。

 

○政府参考人(堀江宏之君) 御指摘のとおり、政府全体の男性育休取得目標は、令和七年度におきまして三〇%でございます。現状、二九%でございますので、もう少しで達成というところでございます。

 ただ、もちろん三〇%を達成すればいいというわけではございませんので、更に仕事と生活の両立支援を進める、あるいは業務の見直しを進める、マネジメントを向上させるによりまして、一層男性職員も育休を取りやすい環境整備を進めてまいりたいと考えております。

 

○田村智子君 明らかにこの一年で男性の育休取得率が大きく上昇したということは私も注目したいし、評価できる取組だというふうに思います。対象となる職員全てについて育休取得の意向を確認し、あらかじめ計画を作る、男性職員の育休取得率を管理職の人事評価の要素とするなど、本気で位置付ければ短期間で育休取得率を向上できるんだということを言わば実証しているというふうにも思います。

 内閣人事局の職員へのアンケート調査の結果、これは令和元年度、二〇一九年度ですね、これ見て私、大変興味深いなと思ったのは、男性の育休取得について、これまでに取得したかという問いに、五割近くが利用しておらず、利用したいとも思わなかったと回答しています。三十歳未満でも四一・五%。ところが、今後取得したいかとの問いには、利用したくないは一七・三%、三十歳未満は九・五%にとどまるわけですね。利用したいという意欲が男性職員の中に広がっているということも、私は良い変化が生まれていると思います。しかし、利用したいができないと思うが二八・五%。その理由として、収入を減らしたくないが最も多く、次いで、残業が多い、業務が繁忙だと思われると。

 給料が上がらない国になってしまったことの影響がここにも現れていて、まあ最初の質問に戻ってしまうんですけど、やはり給与や手当はマイナス改定ではなくて、本気の賃上げをやらなければ育休取得率の向上にもつながらないということも指摘しておきたいんですが、この残業や業務が忙しい、それで育休を諦める、取得できても期間が短い、ここはやっぱり解決が求められますよね。

 この間、中央官庁で働く国家公務員の在庁時間調査についてはこの委員会で何度も審議になってきました。二〇二〇年十月、十一月、勤務時間外の在庁時間調査では、二十代総合職の約三割が過労死ラインの目安となる月八十時間を超えて、そのうち約半数が月百時間を超えていた。

 こうした超過勤務の実態は解決に向かっているのかどうか。深刻な長時間労働、過密労働がそのままでは全ての対象者に育休取得の権利を保障するに至らないというふうに考えますが、いかがでしょうか。

 

○政府参考人(堀江宏之君) 御指摘のとおり、二〇二〇年十月、十一月の在庁時間調査では、特に二十代かつⅠ種総合職の職員について、四十五時間、月四十五時間以上の在庁時間が三分の二以上、三分の二、それから八十時間超が三割、百時間超が二割弱という状況、長時間勤務が若手の総合職に偏っているという現状が明らかになりました。

 御指摘のとおり、これを是正することは非常に重要でございますので、既存業務の廃止、効率化、デジタル技術の徹底活用、また、管理職のマネジメントの向上、それからテレワーク、フレックスタイムなどの柔軟に働ける環境整備、こういったことを進めまして、長時間労働対策をし、また、男性職員が育休を取りやすい環境整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 

○田村智子君 この在庁時間の調査というのは、今後も私たちに示されるものは出されてくるんでしょうか。これ是非検証していかなきゃいけないと思うんですけど、その点いかがですか。

 

○政府参考人(堀江宏之君) この在庁時間の調査は二〇二〇年の十月、十一月に行いました。実は、午前中の議論でも少し申し上げましたけれども、現在、私どもの勤務時間管理といいますのがシステム化が進んでおりません。したがいまして、このときの在庁時間調査というのは、毎日、五万人の職員に毎日エクセルに記入していただくという方式を取りました。非常に、正直言いまして手間の掛かる方式を取っております。その後、こういった状況、これで分かった状況を踏まえまして、超勤手当の対策も取りましたし、さらには、やはりこのような勤務時間管理ではいけませんので、勤務時間の客観把握あるいはシステム化を進めることとしております。ということでございますので、従来のような在庁時間の調査というのを今後また行うということは予定していないところでございます。

 

○田村智子君 それでは検証できないんですよね。こういう深刻な事態が改善に向かっているのかどうか、これ是非検討していただきたいと思います。

 そもそも、やっぱり定員そのものを増やさなければ、これほどの長時間勤務を解消することできないわけです。その中で育休をということで今一生懸命進めていくと、職場の人間関係にも影響を与えかねないですよね。業務の忙しさから同僚の妊娠を素直に喜べない、いつからあの人産休に入るのかな、あるいはいつまで育休取るのかなと、業務への影響を考えてしまうんだ、そういう声も現場からは聞こえてくるわけです。

 一方で、だから男性の育休なんて無理としないで、対象者全員に意向を確認し、計画を策定するというのはとても大切なことだと思います。妊娠が分かってすぐに申し出ることができれば、子供の出生までには半年以上の時間があるわけですから、育休期間中の体制を整える準備時間、これが得られるということになります。これ是非民間にも広げていくべき取組だと思うんですね。

 では、その準備期間に代替職員をどうするか、こういうことも検討できると思うんですけれども、その代替職員の確保のための施策というのは講じられているんでしょうか。

 

○政府参考人(堀江宏之君) 制度上、育児休業期間中の職員の場合には代替職員の採用ができることとなっております。ただ、職場の状況は様々でございますので、上司においてしっかりと仕事の状況を踏まえまして、代替職員の採用で対応するのか、あるいは業務分担の見直しで対応するのか、さらには、例えば業務のスケジュール自体を見直す、様々な方法があると思います。職場の状況に合わせて管理職がしっかりと対応できるように努めてまいりたいと思います。

 

○田村智子君 是非、育休取得にやっぱり理解が広がるようにするには、人の手当て以外にないんですよね。定員そのものを増やすか、代替職員どうするか、こういうところを是非踏み込んでいただきたいと思います。

 非常勤職員の育休取得の保障はどうなっているんでしょうか。期間業務職員の場合は、原則一年雇用で契約更新二度まで、三年が経過するとその職は公募に掛けられることになります。三年目に差しかかるような職員の育休、これどのように保障されるんでしょうか。

 

○政府参考人(堀江宏之君) 今回の改正案におきましては、任期中で公募を迎え再度再任用された場合、育児休業の取得回数の数え方について不利益とならない措置を講じております。

 具体的には、育児休業の取得回数を数える際に、任期が満了することによって育児休業を終了し、再度採用された上で引き続き育児休業を取得する場合には、前の任期が満了するまでの育児休業を取得回数のカウントから除外するという規定を設けているところでございます。

 これは、実質的には一回の取得にもかかわらず、途中で公募、任用が入ることによって二回と、二回のカウントとなってしまう不合理な結果を防ぐための措置でございます。これは、御指摘の三年目の任期で公募を迎えて再度任用された場合にも適用されるものでございます。

 

○田村智子君 制度上は保障するようにしますがということなんですけど、これが果たして本当にどこまで適用されていくかなんですね。

 期間業務職員の三年で公募に掛けるというこの細切れの雇用については何度も質問してきました。二〇二一年七月時点で、非常勤職員約十六万人、常勤、非常勤合わせた職員数の三七・二%に上っています。先ほど非常勤の方が多い省庁があるんだというふうに指摘もしましたけれども、その非常勤の四七・八%が女性です。一年契約で、三年たったら、同じ仕事を希望しても自分の職場、求人募集されて、就職活動しなければ働き続けることができないと、もう一度雇ってもらえるという保障も分からないと。そうすると、妊娠、出産を理由とした雇い止めは許されないけれども、三年目で公募に掛けられるときに重なったら、果たしてもう一度雇ってもらえるのかということになると思うんですよ。まして男性が、女性の場合は、それは出産をするときにそれを妨げちゃいけないというのはありますけれども、男性は育休がこういう条件で取れますかということになってくると思います。

 これ、内閣人事局は、昨年八月に、男性国家公務員の育休取得についてフォローアップ、公表しています。今後の取組として、職員アンケートなど通じて課題などを把握するとしていますが、これ非常勤の育休取得についても、私、調査をすべきではないかというふうに思うんですね。フォローアップ調査、今後もやるべきだし、非常勤についての調査も行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 

○政府参考人(堀江宏之君) まず、男性職員の関係でございますが、内閣人事局では、令和三年十二月に、国家公務員の働き方改革に関する職員アンケートを実施しております。この中で、男性職員に育児休業を取ってもらうための課題を把握し、さらに育児休業を取りやすい環境整備を進めたいと考えております。結果について、アンケート調査の結果について現在取りまとめ中でございまして、夏前には公表したいというふうに思っております。

 なお、非常勤職員の育児休業の取得状況については、これまでも人事院さんの方で調査し公表されておりますので、まずは人事院において調査内容を検討していただければと考えております。

 

○田村智子君 是非、職員アンケートというのはとても大切だと思うんですね。その職場の人間関係含めてどうなっているかということはしっかり見ていくことが必要だと思いますので、非常勤職員も含めて職員アンケートという形での調査も是非とも行っていただきたいと思います。

 最後、大臣にお聞きしたいんですけれども、今日質問したとおり、公務の職場というのはあたかも身分が安定していて給料も安定しているというふうに多くの国民が思っていると思います。しかし、その職場では、時給で働いて、これからゴールデンウイークにもなるわけですけれども、そうすれば収入が大きく減って、十年以上働いていても三年ごとに求職活動しなければならない、こういう非常勤の職員が大勢います。また、民間企業ならば雇用期間通算五年を超えれば非常勤は無期雇用に転換されるのに、公務職場にはそれさえありません。そして、常勤職員の中に最低賃金に届かない給料が許されてしまって、長時間労働も客観的な労働時間の把握がやっと始まったところだと。

 こうした問題が労働法の適用除外だからという理由で放置され続けてきているんですよ。これ、異常だと思います。この点について大臣の認識を最後お伺いしたいと思います。

 

○国務大臣(二之湯智君) 今委員御指摘になりましたように、常勤職員と非常勤職員の処遇の差が非常に乖離が大きいということをお聞きをいたしたわけでございます。同じ職場で働く人に余りにもこの処遇の差があってはいけないと思うわけでございます。

 内閣人事局におきましても、各府省の非常勤職員の適切な処遇が確保されますよう、人事院とも必要な連携をして処遇改善に努めてまいりたいと思っております。

 

○田村智子君 先ほど、国家公務員を目指す人が減っているんじゃないかという議論もありましたけれども、やっぱり長時間労働で大変そうということが大きな理由だと思います。また、その国家公務の仕事がどこを向いて誰のための仕事なのか。コロナ対応での布マスクなど、政権の意向で業務がゆがめられてしまったということも大きな影響を与えてきたんじゃないかと思います。

 公務とは何か、やりがいのある職場としての労働条件はどういうものか。是非、今後こういう根本的な問題も本委員会で議論していきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

 


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