活動報告

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まん延防止延長/高齢者救う対策尽くせ/田村氏求める/参院議運委

 参院議院運営委員会は4日、まん延防止等重点措置期間延長にあたり、政府から報告を受け、質疑を行い、日本共産党からは田村智子議員が質問しました。

 田村氏は、「コロナ感染で死亡した人の数が昨年夏を超える状態が続いている」と指摘。厚生労働省は高齢者施設でのクラスター感染防止のために、従業員等に原則週1回の定期検査を要請する一方で、大阪府や愛知県はともに2週に1回だけで、しかも愛知県では最大4回への制限まで行っていると指摘し、「これでクラスター感染を抑えられるのか」とただしました。

 山際大志郎経済再生担当相は「検査回数を増やす方向に、できることはやりたい」と答弁。田村氏は、オミクロン株は感染者が別の人にうつすまでの世代時間は2日と短く、頻回検査が必要だと強調しました。

 そのうえで田村氏は、大阪府の自宅療養者6万6570人のうち、社会福祉施設等での療養者数はゼロで、埼玉県、千葉県、京都府、兵庫県でもゼロだとして、「これで高齢者施設の状態が把握できるのか」と指摘。入院できない高齢者の実態把握を求めました。

 山際担当相は「改善が必要なのはその通りだ」と答弁。田村氏は「まん延防止等重点措置が解除できるかどうかは、高齢者の感染、重症化、死亡者をどう抑えていくかが問われる。実態を見て有効な対策を」と求めました。


2022年3月6日(日) しんぶん赤旗

 

 

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 死亡者数が昨年夏を超える深刻な状況が続いていて、高齢者への感染をどう抑えるかということが問われています。

 高齢者施設でのクラスター感染、昨年一年間の最多は、一週間で百七件です。今、最新データを見ると、二月二十一日の週で三百三十三件と。その前の週は四百四十七件ですから、相当深刻な感染が高齢者施設で起きているというふうに言わざるを得ません。

 まん延防止等重点措置がとられている地域では、高齢者施設等で原則週一回の定期検査をと厚生労働省は都道府県に要請しています。ところが、それによって都道府県がどういう計画を立てているかという一覧表があったので、見ました。そうすると、東京は週一回というふうになっていたんですけれども、大阪府、二週に一回、大阪市、おおむね二週に一回、愛知県、二週に一回と書いてあるだけでなくて、括弧して最大四回と、回数制限まで書かれているんですよ。これ、つまり四回を超えて検査やったところは公費検査にできませんよと言っているのと同じだと思うんです。

 これで高齢者施設のクラスター感染を抑えることができるのかということが問われていると思いますが、いかがですか。

○国務大臣(山際大志郎君) 検査そのものは、検査の容量を増やすということをこれまで努力してやってまいりました。検査キットの数も相当数もう用意できるような状況になってまいりましたので、検査の回数を増やすという方向に、我々もできることはやりたいと思っております。

 一方で、検査だけでこの感染症を止められるわけではありませんので、やはり徹底した感染症、感染拡大対策、感染防止対策ということも併せてやっていかなくてはいけないものですから、検査も拡充させなくてはいけないと思いますが、オペレーションの方もしっかりやれるように、より共に努力をしたいと思っております。

○田村智子君 いや、検査なしには止められないんですよ、高齢者施設でのクラスター感染。だから、厚労省も原則週一回と。これ、衆議院でも議論があって、週一回でいいのかと。オミクロン株はもう二日に一回で世代時間あるんじゃないかと、だから週二回必要じゃないかということを私たち要求していますけれども、これね、二週に一回なんてやっていたら、クラスター感染止まらないですよ。

 ですから、この特に感染が深刻な地域のところは、それでいいんですかと、計画取って聞き取るだけじゃなくて、ちゃんとその返しをやらなきゃ駄目だと思いますよ。最大四回とかね、こんなふうに区切ったら駄目だと。その点、いかがですか。

○国務大臣(山際大志郎君) これまでは、その検査キット等も含めて、有限な資源をどう使うかということで、言ってみれば苦肉の策としてやってきたところがありますが、先ほども申し上げましたように、検査キットをそこそこもう用意できるような状況になってまいりましたので、検査が大切だというのは私も同意いたしますので、より頻回検査ができるようにしてまいりたいと思います。

○田村智子君 東京都と大阪府には、高齢者に特化した臨時的医療施設もつくられました。
 国からの医師、看護師の派遣によって、大阪府でも二月二十二日に受入れを始めています。介護を必要とする人も入所可能なので、待たれていた対策です。しかし、ビジネスホテルの転用なので、ストレッチャーがエレベーターに入らず、寝たまま状態の方の受入れはできないというふうに報道されています。介護度の重い方がどうなっているのか大変心配で、大阪府は高齢者入所施設に往診チームを派遣するという方針なんですね。

 一方で、大阪市の高齢者施設には、直接救急車を要請するのではなく保健所に連絡をという通知が出されていて、現場からは、急変した方、重症化した方、保健所に電話を掛けてもつながらないと、こういう声も上がっています。

 一体どれぐらいの患者さんが高齢者施設にとどまっているのか、厚労省が各都道府県からの報告でまとめた療養状況の調査結果を見ました。二月二十三日時点、大阪府、自宅療養者数六万六千五百七十人、うち社会福祉施設等療養者数はゼロになっているんですよ。これ、実態から乖離していると思います。大阪だけじゃなく、埼玉、千葉、京都、兵庫、ここも同じくゼロなんですね。

 これでは、高齢者施設で入院できない状態の方がどれくらいいるのか、どのぐらいの規模なのか、どう対応するのか、これ実態もつかめないという状態だと思います。いかがでしょうか。

○国務大臣(山際大志郎君) お尋ねの件に関しては、改善が必要だというのは私たちもそのとおりだと思います。
 その上で、現場においてやれることを一生懸命やっていくしかないというのも事実でございまして、そのために、病床の確保を進めたり、あるいは病床を増やしていただけるところに対しての補助率を上げたりということを累次やってまいりました。

 しかし、それでもまだ現場において負荷が非常に掛かっているということも分かっておりますので、これもその現場と相談をしながら、やれることをやってまいりたいと思っております。

○田村智子君 これは、本当にまん延防止重点等措置を解除できるかどうかというのは、高齢者の方の感染、重症化、死亡者、本当にどうやって抑えていくかと、これが本当問われているんですよ。

 是非実態を見て有効な対策取っていただきたい、このことを要望して、質問を終わります。


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