日本共産党の田村智子副委員長はインターネット番組「路上のラジオ」(1日公開)でフリージャーナリストの西谷文和氏と対談し、「聞く力」どころか国民の声を「聞き流す」だけの岸田文雄首相を痛快に批判したほか、夏の参院選でも野党共闘を貫く決意を語りました。
西谷氏は、岸田首相に「聞く力」は「ほんまにあるのか」と質問。田村氏は、コロナ危機で「お困りの方」に給付金を支給すると語る首相に、代表質問で、いまの制度では支給対象外の人が大勢いるはずだとシンプルにただしたほか、「岸田ビジョン」で転換をうたった「新自由主義的政策」の中身をただしたものの、首相は質問を〝スルー〟しただけだったと指摘。「聞く力」というより、「聞き流す力」だと批判しました。
田村氏は、コロナ危機が始まった当時、NHK日曜討論で、自民党政調会長だった岸田氏に、自粛への損失補償や医療機関への支援を迫ったものの、同氏は反論もせず「そうですね」と聞き流しただけだったと指摘。その結果、国民に給付金も出さないまま緊急事態宣言に突入し、演劇などの関係者が損失を被ったとして、「コロナ危機はもう2年にもなるが、そういう連続の責任は安倍(晋三)・菅(義偉)さんだけでなく、岸田さんにもある」と訴えました。
西谷氏は「結局〝やるやる詐欺〟だった」として、当初前向きだった森友問題の再調査も否定し、自死した財務省近畿財務局元職員の妻が起こした賠償請求訴訟を「認諾」で終結させた暴挙に言及。安倍政権が国有地をただ同然で売却した問題の尻拭いのための賠償金約1億円をまた血税でまかなうものだと批判し、森友問題や「桜を見る会」も追及した「野党合同ヒアリング」は「絶対やめんといて」と求めました。
衆院選での野党共闘は「失敗」だったとの攻撃について田村氏は、「共闘していなかったら、もっととんでもない結果になった」と強調。本格的な政権協力合意を交わした野党への危機感を強めた自公や維新が「ここまでやるか」というほどの共闘攻撃を強めた結果だと強調しました。
田村氏は、共通政策合意からわずか約1カ月で、一本化した候補者の名前や政策も浸透させられないまま総選挙となった経過など反省点もあると強調。「政権をとりにいくのがどれだけ厳しいたたかいになるかを体感した。だったら2度目、3度目はどうやってより力をつけた共闘にするか、前向きな話し合いをしたい」と表明。野党が「肩を並べて訴える」ことの重要性も示し、共闘がつぶれて喜ぶのは、選択的夫婦別姓制度に反対する一部自民党議員や原発、石炭火力新増設推進勢力だと強調しました。
西谷氏は、岸田首相が金融所得課税の強化を拒否するなど、結局はアベノミクスに戻ったと批判し、「ここを代えへんかったら私たちは幸せになれない」と述べ、野党が共闘でスクラムを組んで政権交代を実現すべきだと主張。田村氏も「1%の人たちの利権に手を付けられなかった」と批判し、政権交代が「日本の経済も産業も本当に発展させていく力になることも示せるたたかいをしたい」と述べ、改憲や敵基地攻撃能力保有の検討にまで踏み出した危険な岸田政権を倒す決意を表明しました。
2022年1月3日(月) しんぶん赤旗