日本共産党の田村智子政策委員長は3日、国会内で会見し、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に対する政府の水際対策などについて問われ、「国内での医療や検査、保健所の体制をいまから構築していくべきだ」と強調しました。
オミクロン株への対応で田村氏は、政府の水際対策の目標はオミクロン株が日本に入ってくることをゼロにすることではなく、できるだけ遅らせていくことにあると説明されたと述べ、いまから医療、検査、保健所の体制を構築すべきだと指摘しました。
医療体制をめぐっては、政府は病院に対して、ウイルスで汚染された危険のある空気を室外に出さない陰圧室の確保を要請しているにもかかわらず、そのための予算はつけられていないと指摘。「病院経営は非常に厳しい状況だ。オミクロン株への対応で、医療に対する予算措置、人の確保、検査体制、保健所体制の強化を急いで進めなければならない」と強調しました。
また、水際対策では、待機日数がどの国から入国するかで区分されている点について、圧倒的に0日だと指摘。「空港検疫で陽性でなければいいのか」として、待機0日を前提に待機施設を確保すればすり抜けを許すことになると指摘しました。
空港での検査が抗原定量検査となっていることについて、政府はPCR検査を増やすスペースがないと説明したことに触れ、「PCR検査は、オミクロン株かどうかのスクリーニング(検出)ができ、オミクロン株の疑い事例をつかむことができる」と指摘。スクリーニングもあわせてPCR検査の結果がでるまで待機できる場所を確保することが必要だと述べました。
田村氏は、政府が日本着の国際線の新規予約停止を撤回したことについて、「政府内で協議し方針を定めて徹底していくことは当然のことではないか。混乱が生じないよう、方針が国民に伝わるように実施してほしい」と指摘しました。
2021年12月4日(土) しんぶん赤旗