活動報告

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飲食店“密告”制度見送りへ グルメサイト通じ感染対策を「評価」/ 田村智子議員が政府追及

 政府が、グルメサイトを通じて利用客に飲食店の感染対策を評価させ、情報収集する制度の実施を当面見送る考えを示したことがわかりました。西村康稔経済再生担当相が16日の記者会見で、「今は、このシステムはなじまない」と説明しました。

 同制度は、飲食店に(1)手指消毒の呼びかけ(2)席の間隔1メートル以上(3)食事中以外のマスク着用の呼びかけ(4)換気―の4項目の感染対策をきちんと講じているか、大手グルメサイトを通じて利用客から政府が直接情報を収集する仕組みをつくろうとするもの。日本共産党の田村智子議員が15日の参院内閣委員会で、同制度を取り上げ、「一般市民からの“密告”で飲食店を取り締まろうというのか」と批判し、撤回を求めました。

 西村担当相は「都道府県とも連携して進めていきたい」と応じませんでしたが、田村氏は「飲食店が身を削って努力していることに対して、取り締まりという観点しかないのか」と厳しく批判。田村氏の質問は反響を呼び、政府への批判の高まりもあって、制度実施の見送りにつながりました。

 田村氏は、感染対策で飲食店の協力を得るために必要なのは、「取り締まり」ではなく、「支援だ」と指摘していました。


2021年7月18日(日)しんぶん赤旗
 

【第204回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第1号 令和3年7月15日】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 昨日の質問通告以降、状況の変化がいろいろありますので、西村大臣、ちょっとそういう質問への御答弁よろしくお願いしたいと思います。
 まず、昨日の東京都の感染者数、第四波のピークを超えて一千百四十九人、デルタ株の蔓延、これまでにない速度での感染急拡大が起きているのではないかという事態です。
 この下で東京オリンピック開催なのかがやっぱり問われると思うんですよ。海外から数万人規模の入国、夜遅くまでの開会式、応援キャンペーン、深夜までの競技。また、今日のしんぶん赤旗では、オリンピック関係者の送迎バス乗務員の宿泊先、シャワーが個室にないんですよ。共用のシャワーで数が不足している。食事の提供もなくて給湯や電子レンジスペースも共有、かつ狭い。感染症対策が不安だという声とともに報じています。プレーブック、これ全く徹底されていない。この実態も連日明らかになっています。これらは感染の波を高める要素しかもうあり得ないんですよ。
 一方で、ワクチン接種でやっと感染を抑えていくという方向も見え始めているときでもあります。今、波が高くなればなるほど命が奪われる、医療提供の危機が迫る、事業者への営業規制も子供たちの我慢もどんどんどんどん長引いていくと。それが分かっていてもオリンピックをやるのかということなんです。
 酒類提供をめぐる事務連絡について、西村大臣は、とにかく感染を抑えたいという思いだったという答弁を繰り返しておられます。ならば、オリンピック開催の是非を私は対策本部で議論すべきだ、これこそ直ちにやるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(西村康稔君) オリンピックの件につきましては丸川大臣にお聞きになった方が適切かと思いますけれども、私の立場で感染を何とか抑えていくということに全力を今挙げているところでありまして、今般の様々な事務連絡、撤回した、させていただきましたけれども、これも何とか抑えたいという強い思いから様々な検討の上で発出させていただいたものではございました。
 いずれにしても、撤回をいたしましたけれども、引き続き感染拡大を抑えるために多くの皆さんの御協力を得ながら、全力を挙げていきたいというふうに考えております。
 その中で、オリンピックにつきましては、こうした状況を踏まえて、緊急事態宣言ということもあり、一都三県無観客で行う、あるいは、御指摘のような様々な取組、多くの方がワクチン接種を済ませてこられる、あるいは、いわゆるシャボン玉の中にあるバブルの中でしか行動しないといったことを含めて感染防止策の徹底を、組織委員会、そして丸川大臣、連携しながら対応されているものというふうに認識をいたしております。
 いずれにしましても、私の立場で、何とかこの感染拡大を抑えていけるように全力を挙げていきたいというふうに考えております。
○田村智子君 いや、感染を抑えたいという強い気持ちならば対策本部で議論しましょうと言うべきですよ、言うべきだと思いますよ。もう飲食店への取締りばかりが西村大臣の問題意識なのかというふうに思えてくるんですよ。
 昨日の衆議院内閣委員会では、酒類販売事業者への支援給付金について、申請の際に提出が求められる誓約書に、直接、間接に飲食店が要請に応じていないことを把握した場合に取引を行いませんという事項がある、このことが指摘をされました。西村大臣は、東京都の上乗せ分だから自分は関与していないかのような答弁を行った、今日の質疑のやり取りでもそうですね。
 今日は、各紙報じていますけれども、六月十一日、各都道府県宛てに内閣府地方創生推進室と内閣官房コロナ対策推進室の連名で事務連絡が発出されていた。その中に、要請に応じていないことを把握した場合には取引を行わないよう努める旨の書面の提出を求めるなど取組を行うようにとちゃんと書かれていますよ。
 この事務連絡というのは、五月二十日の事務連絡、地方創生臨時交付金における協力要請推進枠の取扱いについて(酒類販売事業者に対する支援)、この事務連絡のバージョンアップなんですよ。都道府県の上乗せ分というのは国の臨時交付金が入ります。補助金の適正、補助金適格化法にのっとってその運用解釈を政府が示す、そういう事務連絡ですよ。だから、国の方針にたがえば交付金の返還を都道府県に求めることもできるわけですよ。こういう事務連絡で誓約書出させていた、出させようとしていた。
 コロナ対策推進室が連名でこうした事務連絡を発出していて、西村大臣、知らなかったということなんでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(西村康稔君) 国と東京都はこれまで連携してこうした感染防止策、取組で来ているところでありますし、都は時短要請や酒類停止の要請に応じていただけない店に対して、見回り、呼びかけを行いつつ、既に命令、過料なども実施しているという中で、そうしたお店にお酒を出さないようにとの都の考え方は理解できる面があるということを、昨日、私、答弁でも申し上げております。
 他方、昨日、通告がない中で突然の御質問でありましたので、正直に東京都の誓約書自体は私初めて見たということを申し上げましたけれども、繰り返しになりますが、こうした考え方は理解できる面があるということも申し上げていたところであります。
 その上で、確認をするということを申し上げて、質疑終了後、確認をいたしましたら、国から六月十一日にこうした同趣旨の通知を出している。ただ、その内容は、飲食店が要請に応じないことを把握した場合には取引を行わないよう努める旨の書面という言い方をしておりまして、そうした方向性を出させていただいておりましたけれども、都として誓約書の形で、更に厳しい文章でそうした誓約書を提出を求めていたということでありましたので、昨日、この事務連絡は廃止をいたしまして、そして東京都にも取組を変えるようにということでお願いをしたところでございます。
○田村智子君 これ、一般的な都道府県への依頼文書じゃないんですよ。交付金の運用に関わる事務連絡なんですよ。まさに政府の方針として飲食店いかに取り締まるかと。そこに西村大臣に相当な問題意識があって、コロナ対策推進室も動いてきたんじゃないのかと。一連の動きはそのことを示しています。
 もう一点お聞きしたいのは、七月二日の大臣の記者会見です。飲食店が、手指消毒の呼びかけ、席の間隔一メートル以上、食事以外でのマスク着用の呼びかけ、換気、この四項目の感染対策をきちんと講じているか、大手グルメサイトを通じて利用客から政府が直接情報を収集する仕組みと、これつくっていきたい、また、コールセンターも置いてそういう情報の提供も呼びかけるというふうに述べておられる。まん延防止等重点措置の地域では、これらの対策が取れていれば酒類提供を認めるとも述べておられるんですよ、この会見の中で。
 これ、一般市民からの密告で言わば飲食店取り締まろうと、これやるわけですか。コールセンターに予算も付けて行うんですか。
○国務大臣(西村康稔君) 四項目ですね、それぞれのお店にこういったアクリル板とか換気、手洗い、あっ消毒、それから会話のときのマスク着用を奨励していく、こうしたことの認証制度、これは各都道府県と連携をして今進めているところであります。それぞれのお店に感染防止策を徹底していただくということで、委員長の山梨県であるとか多くの県で取組が進んでいる、これを後押ししていこうと。
 こうしたしっかり感染防止策を徹底しているお店は、時短とかあるいは酒類提供とか、ほかの店よりも、それはしっかり感染防止策が徹底されているから、より柔軟に対応できるのではないかと、こういう判断の下で、それぞれの都道府県で、そうした要件の下、お酒の提供を認めたりしているところでありますので、このことをしっかり確認をしていく中で、こうしたグルメサイトなども連携をしてできないかということの、そうした方針を先般お示しをしたところであります。
 まだどういう形でいつから始めるかというところは具体的に検討を進めているところでありますけれども、都道府県とも連携をしてこうしたことを進めていきたいというふうに考えております。
○田村智子君 飲食店の相談に乗りながら徹底するなら分かりますよ。だけど、今言った、認証を受けておきながら守っていないという情報が来た場合には改善指導を行っていくんだと、都道府県に情報提供するんだと、そういうことを述べておられるんですよ。
 飲食店がお客さんにマスクをと声を掛けるのにも苦悩しているんですよ。楽しい時間を過ごしているときに、お客さんに声掛けようかどうかと。席の間隔一メートル。それ、売上げを諦めろということですよ、狭い店ならばなるほど。酒類提供も同じですし、時短営業も同じですよ。身を削って削って削って削って飲食店が努力している。そこに対してもう取締りという観点しかないんですよ、この間の発言は。
 八日、問題となった記者会見は、尾身会長と一緒の記者会見でしたよね。そこで尾身会長が示した資料を資料の一枚目で配付しています。
 尾身会長は、緊急事態宣言四回目が出されると、その効果を発揮するために求められること、人々の気持ちとしてということを述べている中に、飲食店の営業制限などによる経済的、心理的な限界、これを指摘しています。そして、政府、自治体に対して、一般市民の気持ちに向き合い、これまで以上に配慮の行き届いた支援をと求めたんですよ。その同じ場で西村大臣は、金融機関や販売事業者を使って酒類提供停止に従わせようという方針を示した。気持ちに向き合い、これまで以上の配慮どころか、飲食店の取締り。飲食店は取締り対象だと、こうみなしているんですよ。
 これ、私は、もう政府への不信、もう政府の言うことなんか聞いていられるかと、こういう感情を国民の中に噴出させてしまったと思いますよ。感染症対策に大きなマイナスが今もたらされている、そういう認識はありますか。
○国務大臣(西村康稔君) まず、御指摘のあったこの認証制度ですけれども、きちんと感染対策をやったお店にはそうした時短なり酒類提供なり柔軟に対応できるのではないか、やっているお店に報いていくための仕組みでありまして、そのために各都道府県と連携をして進めているものであります。何か投稿された情報だけをもってその認証が取り消されるわけでもありませんし、もちろん認証受けたけどやられていないところは改善を求めますけれども、他方、ライバル企業からとか一部の利用者から悪意ある書き込み、こうしたことを心配する声もあるとも聞いておりますので、具体的な運用方法については検討を進めているところであります。
 その上で、しっかりと守っていく、いただいているお店、これは本当に有り難い、感謝を申し上げたいと思いますが、一方で、守っていただけないお店がある。そして、そこに人が集まり、夜遅くまで人が出る。それによって、これはもう、夜の、夜間の人口、人流と感染状況、関係があるということは多くの分析がなされておりますので、何とか多くのお店に守っていただきたいと、その思いから進めているところでありまして、飲食店の皆さんに守っていただけるよう、今回の協力金の早期支給、こういったことを含めてしっかりと寄り添いながら対応していきたいと思いますし、特措法がなかなか、強制力がそれほど強くはないという中でなかなか有効な手段がない、そうした中で、協力に応じていただける仕組みをより丁寧に、より寄り添いながら考えて対応していければというふうに考えております。
○田村智子君 いや、飲食店の見張りや取締りですからね。私は、このコールセンターの設置だとか大手グルメサイトを利用してとか、これも撤回すべきだと思いますよ。支援ですよ、必要なのは。しかも、オリンピックの開催は強行なんですよ。もう、何というんでしょう、この矛盾。
 私、今、国民の協力が得られるかどうかと、得られなくなっていくんじゃないかという、そういう事態だと思うんですよ。感染対策の土台を菅政権自らが瓦解させるようなもの。西村大臣が今後記者会見やら何やらでメッセージ発する。それ国民に届きますか。とりわけ協力を本当に求められる飲食店の皆さんに、あなたのメッセージ届きますか。私は届かないと思う。一度離れた人心を取り戻すということは、相当なことをやらないとできないと思いますよ。
 大臣は、私、まず辞任すべきだと。そうやって政府への信頼をやっぱり回復するということ、これ以外に私ないと思いますね。加えて、オリンピックの開催の是非は本当に検討していただきたいというように思います。
 飲食店以外の事業者も本当に大変なんです。
 一時支援金についてお聞きします。
 今年一月から三月分、約五十七万件の申請に対して給付は約四十八万件です。給付に至っていない中には、不備があるというメールが来て、それに対応するとまた不備メールが送られてくる、出口の見えない不備ループに陥っていると、こういう方が少なくありません。
 昨日、中小企業庁への要請で全商連の皆さんが事例を示されたんですけれども、審査と給付の委託事業者であるデロイトトーマツの対応、本当にひどくて驚きました。
 資料のまず三枚目を見ていただきたいんですけれども、これ、最初の不備メールなんですよ。分かりますか、これ。改行もない。これ解読できますか。私、読んでも全く分かりませんでした。これ、さすがに笠井亮衆議院議員がおかしいというふうに中小企業庁に意見を言って、改行と書式は改善されたんですよ。だけど、改善されたけど、資料の二枚目見てくださいよ。意味不明ですよ。「ご提出いただいた保存書類について以下の通り不備がありますので、ご対応をお願いします。不備のある項目はありません。」。何ですか、これ。
 それでも、申請者は生活が懸かっているから懸命に解読して資料を提出するんですよ。するとまた不備メールが来るんです。十回以上不備メールが返ってきた、大量の資料をデータ送信した十分後にまた不備メールが届いた、こういう方もいらっしゃる。
 これは大阪市内の旅行代理店の方が送った資料のコピーです。経営実態も容易に分かって、コロナの影響も明らかです。これだけ大量の資料提出をして、まだ不備ループから抜け出せないんですよ。これ異常だと思うんですね。
 これ適正な対応と言えるんでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 今委員御指摘ございましたけれども、改行のないこの不備通知でございますとか、あるいは二枚目にお示しいただいておりますメールでございますけれども、こちら事実でございまして、委員今御指摘ありましたように、改善しているところは改善してございます。
 それから、二ページ目のこれにつきましても、数件こういった事例があったことは事実でございますので、お送りした方々にアプローチをして、謝罪とともに趣旨について改めて説明させていただいているところでございます。まず、その点についてはおわび申し上げたいと思います。
 その上ででございますけれども、確かにコロナでお困りの中小企業の皆様が大勢いらっしゃる中で、中小企業庁としても、この一時支援金、できるだけ速やかにお届けすべく日々取り組んでおります。しかしながら、書面による事業実態の確認が十分にできない、こういった事情によりましていまだにお届けできない事業者の方々がいることも事実でございます。
 これ、どうしてこういうことかということなんですけれども、一時支援金でございますけれども、これ、緊急事態宣言による影響により大幅に売上げが減少した事業者の事業継続を支援すると、このために支給するものでございます。こうした要件を確認させていただくために、申請者の方々には、緊急事態宣言の影響でございますとかその売上げの減少、それから、実際にその事業を営んでいることを確認するために、売上台帳ですとか本人確認などの書類を求めております。
 御指摘の不備の指摘が行われている書類につきましては、事業実態を確認するためのものが多いと思われます。これらは、持続化給付金、前にやったやつですけれども、この支給に当たりまして、事業実態がないにもかかわらず、あたかも事業を行っているかのように偽装して確定申告を行うと、こういったことで不正受給が多く見られたことから求めているものでございまして、必要性については御理解いただきたいと思います。
 この持続化給付金の実務で得られた知見も活用いたしまして、不備解消するための書類の類型もこれ随時増やしてきているところではございますけれども、今御指摘ありましたように、あるいは我々に別途寄せられている御意見も踏まえますと、それでもなおこれまでの知見では確認できないような事業実態もあるのではないかと思われるところでございます。
 こうした方々と更にコミュニケーションを行いまして、事業実態を偽装して不正受給しようとする方々による悪用防止、これ前提になるわけでございますけれども、更にどのような書類があれば実際の事業実態を確認できるのか、引き続き私どもとしても検討してまいりたいと思っております。
○田村智子君 これまで支援受けてきた人たちがこの不備ループに入っちゃっているんですよ。足運んでもらったらすぐ分かるって言っていますよ。手数料取って行政書士さんに確認してもらっている方もいるんですよ。
 で、これ、何が不備か分からないからコールセンターに掛けると、今度はつながらない。やっとつながると、青色申告は提出資料が大量になるので白色申告に変更してくれと。これできるわけないんですよ。こんな要求されたり、また、どうしたら給付してもらえるんですかと聞くと、不備を解消する方法を教えると不正の手口を教えることになると、こう言われた方もいます。
 相談事例や我が党議員団が聞き取って調査したところ、こういう不備メールを送る対象は、現金取引の方、また特定の業種など、幾つかの共通項があるんです。そうすると、デロイトトーマツは、幾つかの要注意フラッグを立てて、申請者をプロファイリングして不備メールを送っているんじゃないのかと、このフラッグが立つと。だから、一件の不正を出さないために九十九件を諦めさせるような過剰審査をしているんじゃないかと指摘せざるを得ないんです。
 二点確認します。現金取引だから給付できないという基準はありますか。不備ループから抜け出すために何を証明したらいいのか、基準を明確にすべきではないのか。この二点お願いします。
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 まず、現金取引であるので給付できないという基準はございません。
 その上で、以下、現金取引の方々に追加で書類を求めている場合の考え方ですとか、あるいはどういう書類を求めているかについて御説明させていただきたいと思います。
 一時支援金でございますけれども、繰り返しになりますが、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業、あるいは外出自粛の影響を受けている事業者の事業継続を支援するということでございますので、審査に当たりましては、その影響の因果関係ですとか、あるいはその事業実態を確認するために、原則として顧客などの取引先の情報に関する書類提出、例えば請求書とそれにひも付く通帳記録、こういったものが一般的なんですけれども、これを基本的には求めております。
 これで出していただいている方たくさんいらっしゃるんですが、今御指摘のような現金取引の方々はこうした取引先の情報についての書類が存在しない場合がございます。こういった方々につきましては、持続化給付金のときもございましたので、別の書類によって緊急事態宣言による影響の確認、あるいは実際に事業を実施しているということの確認を別途求めるということもやっております。
 例えば、申請の際には、申請の際に保存書類を求めておりまして、例えば緊急事態宣言の影響を受けている取引先や顧客との反復継続した取引を示す帳簿書類及び通帳の保存、こういったものを求めているんですけれども、こういったものの中から、事業実施に必要となる物品、サービスの仕入れ、あるいは事業の売上げを確認できる書類、こういったものがないのか、何かその事業やるときに仕入れするときのその書類ですね。あるいは、そのお店の名前とかいった、その事業者の名前で契約している公共料金などの経費に関する書類、こういったものでもいいんですけれども、こういったものを御提出いただけないかということでお願いをしております。こういう保存書類につきましては、申請に当たって、審査に当たっては追加していただくということも御同意をいただいておるものでございます。
 それでもなお、実際にはこの制度、地域や業種を問わずいろんな方々から御申請があるわけでございます。今申し上げたような様々な書類も御提出いただけない方もいらっしゃると思います。また、その各事業者の置かれている状況によって提出可能な申請書類あるいは保存書類なども異なるということも理解をしております。こういったことから、不正防止と両立させながら、どういった書類を提出いただければ事業実態や緊急事態宣言等の影響を確認できるのか、引き続き検討してまいりたいと思います。
 また、御指摘ありましたけれども、コールセンターなどの対応でございますけれども、こうしたコールセンターの対応も含めて、問合せについては、申請者のお声を踏まえながら継続的に改善を図ってまいりたいと思っております。
○田村智子君 今言ったようなやつは、私さっき掲げたこれに全部入っているんですよ、請求書とか領収書とか。それでも不備ループなんですもの。
 これ、女性一人で起業して、エステサロンを小さいながらも経営してきた、こういう方が、先ほど示した解読できないようなメールを送り付けられたらどういう思いになるかなんですよ。今、各地の民主商工会が相談に乗っているから何とか諦めずに事業実績や減収証明しようと手だてを尽くしている。それなのに、頭から不正を疑うような、申請諦めさせるような対応を続けている。だから、私が働いてきたことを全て否定されているようだと、人として扱ってほしいと、こういう訴えなんですね。
 それで、これ要望しておきますが、今審査が滞っている申請については、是非中小企業庁として内容を確認し、不備解消への対応を続けている案件というのは審査の打切りがないように対応してほしい。それから、一時支援金の支給というのは四月以降の月次支援金の申請につながっていくんです。不備ループで一時支援金の対応が遅れると、四、五月の申請締切日、八月十五日に間に合わない可能性があるので、この点での対応を求めておきます。
 それで、最後、ワクチンについてお聞きします。
 ファイザー製ワクチンの大幅な出荷減が自治体や医療機関に大混乱をもたらしています。高齢者の七月末接種完了という菅総理の発言を受けて、政府は、週当たりの接種数が多い医療機関に加算を付けるなどして医療機関の特別な体制求めました。自治体に対しても、総務省が直接電話をして、早期のワクチン供給を約束して接種の前倒しを求めました。自治体や医療機関、全力で努力をして、手を挙げていなかった医療機関も特別な体制を取ったと。
 河北新報には、東北地方のある市長が、総務省課長からの電話に対して、計画を立てて準備しても期日までにワクチンが来なかったらこっちは大混乱ですよというふうに答えたということが報道されているんですね。今まさにそのとおりになってしまったわけですね。
 この自治体と医療機関に大混乱をもたらしていることについて、河野大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 七月、八月の供給数を各自治体にお示しをいたしましたので、先々の計画を立てながら予約を取っていただくことができるようになったというふうに思っております。
○田村智子君 なぜか私の質問にはいつも冷たい御答弁なんですけど。
 申し訳なかったということは会見などでも述べられていると思うんですけれども、これ、ファイザーのワクチンの七月以降の供給量が六月以前に比べて急速に減るということを政府が認識したのはいつなのか、また、そのことを明らかにしたのはいつなのか、事実確認します。
○国務大臣(河野太郎君) 当初、七―九のファイザーの供給は二千万でございましたが、これが、総理がアメリカを訪れたときにCEOと電話会談をやっていただいて五千万の追加供給を合意をいたしましたので、これはおっしゃるのとは逆で、ファイザーは大幅な供給増になっております。
 正式に契約を取り交わしたのは五月十四日だと思っておりますが、これは、総理が訪米をしてCEOと電話会談をした後に追加で五千万の供給が決まったということを明らかにしております。
○田村智子君 七月以降の入ってくる量ですよね、順次入ってくる量が六月以前に比べて、まあ六月に比べて特に急速に減ると、五、六ですね、これを認識したのはいつなんですか。
○国務大臣(河野太郎君) 当初からファイザーの供給は、六月末までに一億回、その後、七―九の第三・四半期は二千万回、第四・四半期も二千万回と申し上げておりましたが、総理の訪米で第三・四半期に五千万回が追加されて第三・四半期は七千万回に供給増になったと申し上げているんです。
○田村智子君 今の説明聞いていても、本当に、じゃ、何でこんな大混乱起きているんだという話になっちゃいますよね。
 資料の最後のページ見てください。
 これ、私の事務所で、実際に二週間の一クールごとにどういうふうに入ってきたかというのをまとめたものなんですよ。それで、七から九月は七千万回分送付というふうに五月二十八日の会見で述べられた。四月から六月は約八千万回と。本格的な配送始まったのは四月最終週で四千箱。五月が急増して一万六千箱。そこから急減していくんですよね、やっぱり、七月五日で一万一千箱ですから。五月、六月で、一万六千、一万三千五百、一万六千と続くわけですよ、一万一千箱。
 これ、五月下旬には、七月以降が七千万回というふうに言っているわけですから、五月二十八日の記者会見でね。これ、だから五月中旬あるいは下旬にはもう分かっていたと思うんですよ、こうやって減っていくということは。七月以降七千万回、考えてみると。しかも、医療機関等がV―SYSに入力した希望量、これ、本格的に出荷が始まった四月最終週から一貫して希望量の方がずっと上回っているんです、配送量が多かった五月、六月も含めて。
 そうすると、五月の下旬、二十八日の会見で七―九月は七千万回と大臣が述べられたとき、このときには七月以降についてはこれまでの半分程度しか供給できなくなるよという注意喚起ができたんじゃないのかと、そのこと踏まえて接種体制を考えてくださいねという情報提供はできたんじゃないかと思うんですけど、違いますか。
○国務大臣(河野太郎君) V―SYSの希望量というのは、このワクチンにはコストが掛かるわけではございませんから、希望する量をどんどん入れていただきますが、当然にそれは合計すると供給可能量を超えるわけでございまして、それを供給可能量まで配分をする、そういう作業をやっております。
 もう既に、七月から九月にかけての供給量は七千万回ですよということは会見あるいは様々な場を通じてお伝えをしておりますが、当初二万件あったかかりつけのお医者様の接種が今五万件を超えております。恐らく五万数千件になるんだろうというふうに思います。それぞれのかかりつけのお医者さんが一生懸命打っていただいておりますから、それぞれのお医者様は自分が打てる量を希望量という形でV―SYSにインプットをしていくことになります。それを合計すると、当然に希望量は供給可能量を超えることになるわけでございます。
 本来なら、個別のお医者様に対して上限はどれぐらいですよということをお知らせをできればよかったのかもしれませんが、五万数千件のお医者様、しかも数がどんどん増えている中で、個別にお知らせをすることができなかったというのは現実でございまして、そこは大変申し訳ないと思っております。
○田村智子君 ちょっと時間が来てしまったので、要望なんですけど、そうすると、特別な医療体制を取って、看護師さんも新たに雇って接種のためにと頑張ってきた医療機関あるんです。ところが、キャンセルになってしまったと。自治体の大規模接種のキャンセルについての損失は国の補助金で負担すると言っている。だったら、医療機関についてもこうした損失については国が補填をすると、このことは是非やっていただきたいということを要望して、質問を終わります。

 

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