国会会議録

国会会議録
学生の家庭情報 提供対象/田村氏告発 国立大が民間企業に/デジタル法案で危険性が拡大も
写真

(写真)質問する田村智子議員=20日、参院内閣委

 日本共産党の田村智子議員は20日の参院内閣委員会で、国立大学法人が、受験生や学生の機微な情報を、民間企業等が利活用するための提案を募集していたことを明らかにし、同様の仕組みを自治体に広げるデジタル関連法案の危険性を告発しました。

 民間利活用の提案募集は2016年の個人情報に関する法律の改定に基づく制度で、個人情報を特定の個人が識別できないように加工することが前提とされています。17年度に始まりました。

 政府は20年度、国立大学86法人のうち受験生の入試の点数や内申点などの情報を含む個人情報ファイルを提案対象としている法人は49法人、授業料免除に関する情報を含む同ファイルを提案対象としている法人は30法人と田村氏に答えました。

 ある大学の授業料免除ファイルでは、母子父子家庭、障害者のいる世帯、生活保護世帯なども記録項目としています。大学センター試験の約60万人の受験生の氏名・住所・年齢・点数を記録した個人情報ファイルも利活用案募集の対象とされており、今後、予備校などによるビジネス利用が考えられます。大学によっては、住所・氏名・マイナンバーを含む個人情報ファイルまで提案募集の対象にしています。田村氏は、適法性を問うとともに「まさにプライバシーの侵害だ」と追及しました。

 政府側は、法に基づいた対応であり、問題はないなどと主張しました。

 田村氏は、こうした仕組みの是非を議論することこそ求められているのにデジタル法案では都道府県や政令市に民間利活用の提案募集を義務付けていると指摘。自治体は国よりも多くの個人情報を持っているが、機微情報も含め利活用の提案募集の対象となることに国民的な合意があるとは言えないはずだと批判しました。



2021年4月21日(水)しんぶん赤旗
 

【第204回国会 参議院 内閣委員会 第13号 令和3年4月20日】

 

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 デジタル社会とは、行政手続のデジタル化だけではなく、行政機関などが保有する個人情報を官民共に大規模に利活用していくことで実現するのではないですかと本会議で菅総理にお聞きをしたんですけれども、明確な答弁をいただけませんでした。
 改めて、平井大臣の認識をお聞きいたします。
○国務大臣(平井卓也君) デジタル社会形成基本法案第二条に規定するデジタル社会とは、ネットワークやデータの利活用により、あらゆる分野における創造的かつ活力ある発展が可能となる社会であり、その実現のために、行政手続のデジタル化を含む高度情報通信ネットワークの利用及び情報通信技術を用いた情報の活用を積極的に推進するために必要な措置やオープンデータの推進といった施策を基本的に規定しています。
 他方、今回の法案では、個人情報の一元管理を図るものではなく、国や地方自治体において引き続きそれぞれ個人情報を保有することを前提としておりまして、システムやルールを標準化、共通化し、データも利活用しようとするものであり、その際には個人情報の保護に十分に配慮をしてまいりたいと、そのように考えております。
○田村智子君 それぞれに保有するものを利活用していくんだと。
 官民のデータ利活用はこれまでのIT戦略の柱の一つで、そのための法改正は繰り返されてきました。二〇一六年の行政機関個人情報保護法の改定によって、各府省庁と独立行政法人は、保有する個人情報ファイルについて非識別加工情報として民間における利活用の提案募集を行うこととなったわけです。
 この仕組みをもう少し紹介しますと、各府省庁や独立行政法人は、利用目的ごとに個人情報ファイル、一人一人のデータベースですね、これを膨大に作成しています。タイトルを付け、何が記録されているかという項目とともに個人情報ファイル簿として公表しています。ここに提案募集の対象であるかどうかが記載されています。さらに、提案募集対象ファイル一覧も公表されていて、個人情報保護委員会のホームページから誰でも見ることができます。
 防衛省にお聞きします。
 横田基地騒音訴訟の原告名簿など横田基地訴訟関係の個人情報ファイル十五種類、小松基地騒音訴訟関係で三種類、なぜ提案募集の対象としたのか、それは適法だという判断なのか、お答えください。
○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。
 非識別加工情報に関する提案募集につきましては、個人の権利利益の保護というものを大前提といたしまして、行政機関個人情報保護法に基づき、行政機関が保有する個人情報を特定の個人が識別できないように加工し、かつ当該個人情報を復元できないようにした上で活用する事業者を募集し、審査や契約等の手続を経て情報を提供する制度でございます。
 提案募集の対象となります個人情報ファイルにつきましては、行政機関個人情報保護法の規定に基づき、情報公開請求があった場合に開示できる情報があるもの等を対象とするということとなっております。
 令和二年度の募集におきまして、先生御指摘のファイルにつきまして、提案募集について防衛省はさせていただいたわけでございますけれども、この当該個人情報ファイルを提案募集の対象とするに当たりましてはこのような制度の下で実施したということでございまして、私ども、問題があったとは考えておりません。
○田村智子君 十四日の本会議で菅総理は、今年度は開示できる箇所が非常に限られていること等を総合的に勘案し、提案募集を行わないこととしたと答弁をされました。
 提案募集の対象ファイルであるという記載を、では、削除したのはいつのことで、今の説明だと適法だということなのに、なぜ対応を変えることになったんですか。
○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。
 まず大前提といたしまして、提案募集の対象となる個人情報ファイル、これは、行政機関個人情報保護法の規定に基づきまして情報公開請求があった場合に開示できる情報等、そういったものを対象としているということでございます。
 先生御指摘のとおり、本件につきましては、本年四月十四日の参議院本会議におきまして総理からも答弁させていただいておりますが、私ども、毎年、毎年度末に翌年度の提案募集につきましては検討させていただいております。令和三年度に係る提案募集につきましては改めて検討したところでございまして、御指摘の個人情報ファイルにつきまして検討してみますと、提供できる箇所というのが非常に限られているということなどを踏まえまして、令和三年度の提案募集を行わないということとしたところでございます。
 防衛省といたしましては、引き続き、行政機関個人情報保護法の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
○田村智子君 開示できる情報が非常に限られている、そんなの初めから分かっていますよね。初めから分かっていることです。
 三月八日に原告団、弁護団が提案募集を撤回するように申入れをした、だから三月二十三日に方針を変えたというのが実際のところじゃないんですか。
○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。
 お尋ねの申入れにつきましては、本年三月、申入れ書の郵送という形で、横田基地公害訴訟原告団及び同弁護団のお名前で防衛大臣に宛てて申し入れられたものと承知をいたしております。
 これは、先ほども申し上げましたが、御指摘の個人情報ファイルにつきましては、毎年度末に翌年度の提案募集について検討しておりまして、当該ファイルにつきましても改めて検討いたしましたところ、提供できる箇所が非常に限られているということ等から令和三年度に係る提案募集については行わないということとしたということでございまして、原告団の申入れを直接の契機としたものではございません。
○田村智子君 横田基地騒音訴訟、小松基地騒音訴訟に関わる計十八ファイル以外にも二十二ファイルが提案募集の対象とされています。これらはほとんどが基地周辺の住宅に対する防音工事、空調工事の実績なんですね。氏名、住所、工事内容、工事費用、施工業者など、中には八項目しかないファイルがあるんですよ。当然、氏名とか住所とか、これ当然示すことのできない情報ですから、これ開示できる情報が非常に限られているということになると思うんですよ。それが提案募集をしないという判断の基準だというのなら、なぜこの工事実績のファイルについては今も提案募集の対象なんですか。それとも、もう外したんですか。
○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。
 御指摘のファイルにつきましては現在も残っております。ただ、これにつきましては、それぞれのその性質等々に応じまして個別の検討の結果として残っているということでございまして、防衛省としては、いずれにしましても、その適切な運用に努めてまいるということには変わりはございません。
○田村智子君 個別の検討なんですよ。どんな基準なのか全く分からないんですよ。基準も分からずに民間に提供しようという、これ全く説明になっていないですね。
 横田基地騒音訴訟の原告団の個人情報ファイル簿見ますと、ある方のファイルは、記録項目は百十二項目に及ぶんですよ。住所、生年月日、死亡年月日、過去の訴訟を提訴していたか、外国人か、当該個人に対する国の主張、防音工事をした住宅への入居日、退去日、訴訟を継承した者がいる場合には承継人の住所、続柄など、訴訟遂行に国が必要としたと思われるありとあらゆる項目が網羅されています。別の方のファイルには損害賠償額やその内訳も記載されています。
 個人情報保護委員会にお聞きします。
 訴訟原告団の個人ファイルを提案募集対象とすることは適法かつ適切であるという判断なんでしょうか。
○政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。
 行政機関非識別加工情報の提供に関します提案募集の対象となる個人情報ファイルにつきましては、情報公開法に基づく開示請求がなされた場合に開示できる部分があること、行政の適正かつ円滑な運営に支障のない範囲内で行政機関非識別加工情報を作成できるものであること等の要件を満たすこととされてございます。
 当委員会では、防衛省から、御指摘の個人情報ファイルにつきまして、情報公開法に基づく開示請求を受けた場合に部分開示すべき部分があるため、令和二年度においては提案募集の対象としたものの、令和三年度に改めて検討したところ、当該個人ファイルのうち提供できる箇所が非常に限られていることから、行政機関非識別加工情報を作成する際に行政の適正かつ円滑な運営に支障が生じるものとして対象から除外したとの説明を受けてございます。
 防衛省の説明の内容につきましては、行政機関個人情報保護法の規定に照らして問題ないものと認識をいたしております。
○田村智子君 省庁の言ったとおりのことをただ是認しているんですよね。
 平井大臣にお聞きします。
 横田基地訴訟の原告であることは、本来、当事者以外に明かされることがあってはならない情報です。これが一方的に訴訟の当事者である国から民間利活用の提案募集に掛けられるんですよ。非識別加工されたとしても、原告やその家族は怖さを覚えるんじゃないですか。在日米軍基地に対する個人の意見、つまりは内心をさらされるのではないかという不安、また今後の訴訟をためらわせるということにもなると思います。
 訴訟提起という個人の正当な権利の行使、政治活動、市民活動の萎縮をもたらすことになると私は思いますけれども、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(平井卓也君) 先ほどからお話がありましたとおり、行政機関の非識別加工情報は、個人情報保護の観点からは、個人情報ファイル上の個人情報を個人情報保護委員会が定める基準に従って、特定個人を識別できず、また復元もできないように加工すること、法人の利益を害するおそれ等、その他の利益、権利利益の保護についても、情報公開法上の不開示情報を加工元情報からあらかじめ削除することなど、権利利益保護の観点からは問題のない仕組みとなっています。
 加えて、提案の審査に当たっては、当該の情報の利用の目的及び方法等が本人の権利利益を保護するために適切なものであること等の審査基準への適合を求めるなど十分な措置を講じた仕組みとなっており、したがって、非識別加工情報により個人の権利利益が侵害されることはないと考えています。
 また、個別の行政機関における非識別加工情報の取扱いは、本制度に基づいて各行政機関において適切に行われていると考えております。
○田村智子君 それでは、文科省にもお聞きします。
 国立大学八十六法人のうち、入試ファイル、授業料免除ファイル、それぞれ提案募集をしている大学法人は幾つありますか。
○政府参考人(川中文治君) お答えいたします。
 個人情報保護委員会が公表しています令和二年度の各国立大学法人の提案募集の対象となる個人情報の一覧表によりますと、受験生の入試の点数や内申点などの情報を含むファイルを提案対象としている法人は四十九法人、授業料免除に関する情報を含むファイルを提案対象としている法人は三十法人該当がございました。
○田村智子君 私たちの事務所が数えたら、ものとちょっと数字が違うので後でもう一度確認したいというふうに思うんですけれども、この授業料免除ファイル、ある大学のものを見ますと、母子、父子家庭であるかどうか、障害者がいるかどうか、生活保護世帯であるかどうか、被爆者がいるか、長期療養がいるか、家計支持者別居世帯かなども記録項目として挙げられているんですよ。極めてセンシティブな情報ですね。
 大学センター試験の入試データも提案募集の対象になっています。センターのホームページ見ますと、二〇一八年度五十八・三万人、一九年度五十七・七万人、二〇年度五十五・八万人が受験をしているので、その一人一人について個人情報ファイルが作られ、氏名、住所、年齢、入試の点数などデータとして記録され、しかも提案募集の対象ということになります。これは予備校や進学塾などがビジネスのために活用するということは大いに考え得るんじゃないかと思うんですけれども。
 では、自分の個人情報がこうした個人情報ファイルになっていること、そして民間企業等に利活用の提案募集されていること、これを受験生や学生は知っているんでしょうか、知らせているんでしょうか。文科省、いかがですか。
○大臣政務官(鰐淵洋子君) お答えいたします。
 非識別加工情報制度につきましては、各国立大学法人の判断に基づきまして運用がなされております。御指摘の内容につきましては、当該大学の受験生や学生がどの程度把握をしているかということにつきましては、文部科学省としては承知をしておりません。
 非識別加工情報は特定の個人を識別できないように加工したものであり、個人の権利利益を保護するための十分な措置を講じた仕組みとなっていると承知をしております。
 文部科学省としましては、各国立大学法人におきまして、関係法令の趣旨に基づき適切な運用がなされることが重要であると考えております。
○田村智子君 この場ではあえて大学名は出しませんけど、ある大学の入試業務のためのファイルというのを見ますと、八十項目に及んでいて、試験の調整前得点とか、入試の詳細な情報が分かるものになっているんですよ。健康診断情報も入っていました。また、別の大学では、学生支援課の精神保健相談、心理相談診断、これも相談内容とか書かれているんですよ。また、向神経薬管理簿、どういう薬が処方されたのか、こういうことも提供情報になっているんですよ。また、別の大学、ちょっと驚いたんですけど、報酬、謝金支払のマイナンバーシステムというファイル簿が提供対象になっているんですね、提案募集対象になっているんです。何が記録されているのかといったら、住所、氏名、マイナンバーですよ。
 個人情報保護委員会、お聞きしますけど、これ、個人情報保護委員会のホームページから見ることできるんですけど、マイナンバーシステムを提案募集に掛けるなんて、これ適法なんですかね。本当にちゃんとチェックしているんですか、何が提案募集になって、それが適法、適切であるか。いかがですか。
○政府参考人(福浦裕介君) マイナンバーについてお話ありました。
 マイナンバーにつきましては、個人情報保護法上、個人識別符号という位置付けで全部削除ということの運用になると考えております。
○田村智子君 では、全部削除ですよ。住所と氏名とマイナンバーですよ。これ、非識別加工してどうやって提案募集するんですか。こんなものまで入っているんですよ、提案募集可の中に。全然チェックなんかできてないんじゃないんですか。
 ちょっと大臣にお聞きしたいんですけど、個人情報保護委員会に、国や独法が保有する複数のデータを連携させた上で、じゃ、非識別加工個人情報として提案募集することができるのかというふうに問い合わせたら、それは想定していないけれども、法的には排除もされないとも説明を受けたんですよ。
 幾つかのファイルを連携させる。学籍番号をキーとして、入試点数、成績、進路、これは進路というのもファイル簿の中にありますから、こういうのを連携させた上で非識別加工して提供することも法的には排除されないということになりますね。どういう成績で大学に入学したのか、どういう学績を修めたのか、どこに就職したかなどは人格形成に関わる情報であって、プライバシーそのものです。当事者の知らないところで情報が連携され利活用される。これ、まさにプライバシーに関わる問題、プライバシー侵害だと私は思います。いかがでしょう。
○国務大臣(平井卓也君) 入試情報などが提案募集の対象とされていることは認識していますが、独立行政法人等の非識別加工情報については、行政機関非識別加工情報と同じく、特定の個人を識別できないように、また元の個人情報を復元できないように加工したものであって、個人の権利利益の保護を確保するために十分な措置を講じた仕組みとなっていると考えています。
 このような仕組みにより作成された非識別加工情報により個人の権利利益が侵害されることはないと考えておりますが、詳細は個人情報保護委員会に聞いていただければと思います。
○田村智子君 問題ない、問題ないという答弁ばかりなんですけれども、確かに今私が具体に取り上げた事例は行政機関個人情報保護法の規定にのっとっているというのが政府と個人情報保護委員会の見解なんです。
 この法律の条文はとても複雑で、私も読み解くのにちょっと大変苦労をして、十分読み取れている自信がまだないぐらい複雑なんですよ。国や独立行政法人は膨大な個人情報ファイル既に保有している。どういう個人情報ファイルがあるのか知る権利を保障するために個人情報ファイル簿を作って公表することが法律によって義務付けられている。で、このファイル簿に記載された情報はやっぱり原則提案募集の対象ですよ。
 今言ったとおり、開示請求、開示請求があったらということが言われた。開示請求によって全部又は一部開示となった場合、あるいは非開示決定であっても意見書提出の機会が与えられた場合、あるいは、この部分開示というのは、例えばほとんど黒塗りで記録項目の番号しか開示されない場合、これも部分開示ですからね。だから、具体的なのが全部黒塗りだったとしても、何というか、開示請求によって部分開示したということになっちゃうんですよ。そうしたら、非識別加工して提供することができますよという情報の扱いになっちゃうんですよ。
 この仕組みというのは、個人の権利を保障するための公表とか情報開示、この規定が実は本人の知らないところでの非識別加工とその利活用のエンジンになっている。私、すごい矛盾を感じるんです。
 それでね、この仕組みをどれだけの国民が知っているんでしょうか。まず、仕組みを知らせて、こういう取扱いをどう考えるかということの国民的な議論こそ私は求められていると思います。ところが、この法案では、この個人情報保護法を民間、国、独法、そして自治体で一本化することで、今度は都道府県や政令市にも国と同じ取扱いを義務付けていくのではないんですか。提案募集していくことになるんじゃないんですか。それ以外の市町村についても、できる規定として、同じこと、その権限を付与していくことになるんじゃないんですか。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(平井卓也君) 改正案では、情報公開法上の不開示事由に該当する情報をあらかじめ加工元の情報から削除することを義務付けるなど、住民の信頼を損なうことのないよう万全の措置を講じた上で、地方公共団体においても匿名加工情報の提案募集を行うことを規定させていただいています。
 詳細については政府参考人に答弁させたいと思います。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 公的部門における匿名加工情報の提供制度は、公的部門が有するデータを個人を識別できないよう加工した上で、地域を含む豊かな国民生活の実現に資することを目的として民間事業者に提供し、その活用を促すものです。
 このような制度の趣旨は地方公共団体にも基本的に妥当することから、改正案では、地方公共団体も、その保有する個人情報ファイルについて、匿名加工情報をその用に供して行う事業の提案募集を行うことを想定、規定しております。ただし、都道府県及び指定都市以外の地方公共団体については、匿名加工に関する十分な知見を持った人材を確保することに困難が予想されることから、当分の間、義務ではなく任意で提案募集を実施することとしております。
 なお、匿名加工情報は個人を識別できない情報としての性質上、誰がどのように利用しようとも本人に影響が及ばないと考えておりますが、改正案では、権利利益の保護に万全を期す観点から、情報公開法上の不開示事由に該当する情報については、個人情報を除き、あらかじめ加工元の情報から全て削除することを義務付けることとしております。個人情報については匿名加工されるため、問題ないと考えています。
 これにより、例えば特定のグループに対する差別や偏見につながり得る情報などについては匿名加工の加工元情報からあらかじめ削除されることになるため、住民の信頼が損なわれないような事態、損なわれるような事態は生じないと考えているところでございます。
○田村智子君 だから、地方公共団体も同じことをやることになるんですよ。非識別加工するから大丈夫だという答弁なんですよ。国よりも大量に個人情報を保有しています。機微なデータも含まれています。それを、非識別加工すればいいんだと、そうすればもう個人の情報とは言えないんだといって利活用の提案募集まで掛けていくと。このことに国民的な合意形成があるんでしょうか。
 では、ファイル簿が公表されているので、それを見て、非識別加工されたとしても私にとってはプライバシーの侵害である、だから私の個人情報ファイルは提案募集から外してほしい、こうやって要求することはできますか。その権利はどう保障されますか。
○国務大臣(平井卓也君) 先ほどお話ししたとおり、その権利侵害が想定されないと、非識別加工情報については、ということで、独立行政法人等非識別加工情報の提案募集においては、行政機関非識別加工情報と同様に、本人から自らの個人情報の利用の停止や削除について請求できる規定はありません。
○田村智子君 ないということですね。ないんですよ。
 二〇一七年から始まっている提案募集で、非識別加工個人情報が提供されたのは、今のところ、住宅金融支援機構が保有する約百十八万人分のデータ、これが住信SBIネット銀行に提供されたと、この一件だけなんです。住宅ローンのAI審査モデルを構築するという提案だったということなんですけれども、国交省に私確認したら、住宅金融支援機構に個人情報を提供した人たち、つまり、住宅ローンの融資を受けた人たちには、こういうふうに提供しましたよということも何も通知はされていないということなんですね。
 融資を受けるためとか受験のためとか授業料免除を受けるために個人情報は提供しなければならないんですよ。だけど、それで一度提供したら、本人の知らないところで、非識別加工はされるけれど、第三者に利活用されるということを受け入れなきゃ駄目なんでしょうかね。それも強制されなければならないんでしょうか。
 私はね、提案募集の国民的な合意があるとは思えないので、やめるという選択肢、これ選んでほしいと思うし、あるいは、それが無理だというんだったら、こういう提案募集に掛ける情報ですよということを本人に知らせる、あるいは提供するときにも本人に知らせる、拒否する権利を認める、せめてこれぐらいのことの検討はやるべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(平井卓也君) もう完全に復元不可能な個人情報、匿名加工情報にした時点で個人情報ではなくなる、本人とは関わりのないものになるということですから、その心配はないのではないかと、そのように考えております。
○田村智子君 非識別加工しても、その情報は生きた人間に由来しているんですよ。その情報の一つ一つは人格を形成しているんですよ。だから、個人情報は個人の尊厳、個人の権利と深くつながっている。それが非識別加工するからいいんだというのは私はとても危険な考え方だと思います。特定されないと言うけれど、どうやって非識別加工したのかということまで、削除を求めるEUのルールのまで日本は行っていないですよ。だから、本当に幾つかの情報を連携させれば、極めて対象者が限られた情報まで入っていますから、個人が特定される可能性だってあるんですよ。否定できないですよ、それだけデジタル技術って私はむしろ進歩していると思いますから。非識別加工だったらもう個人の権利利益と関係ないと、これでいいのかということを問いたいんですね。
 それで、そのそもそもを問いたいんです。日本の個人情報保護の制度は、情報データをどう取り扱うかというルールを定めるもので、個人の権利をどう保護するかという考え方は極めて弱い。一方、二〇一六年に制定されたEU一般データ保護規則、GDPRは、その前文の冒頭に、個人データの処理に関連する自然人の保護は基本的な権利の一つであると記しているんです。個人データの処理、ここに関係した人の方の人間の保護、基本的な権利の一つとしてこれを保護するんだということがまず明記されているんですよ。
 これは歴史的な経緯があります。ナチスのユダヤ人虐殺を支えたのがIBMが開発したパンチカードとカード選別システムによるデータ処理であった。これ、歴史的なこの背景があってのことだというふうに様々な解説書に書かれています。
 一九三九年、ドイツ政府は国内の全居住者を対象とした国勢調査を実施しました。各居住者の年齢、性別、住所、職業、信仰、結婚歴、人種も祖父母の代まで遡って調査をして、これを六十列十行の、つまり六百項目にわたるパンチカード、ここに記録していったんですね。何千人もの事務員がこれに当たった。だから、ユダヤ人がどこに何人住んでいるのか、カードの識別ですぐに分かったわけですよ。収容所に行くときも、ここからこう移動しました、別の収容所に動かすときにも、この収容所から動かしました、全部パンチカードされていくんです。身体的特徴もコードの穴空けで記録をされていくんです。その収容所を退所した理由もパンチングされるんです、死亡なのか移送なのか逃亡なのか。だから、誰が逃亡したかすぐ分かるんです、番号で。ちなみに、このパンチカードで収容所に入れられたユダヤ人は既に名前を失い、まさに個人識別番号にされていたんです。
 大規模な個人情報のデータベースとその識別システムが数十万人のユダヤ人をナチスの管理の下に置くことを可能にした。ユダヤ人をどう特定するのかという課題にIBMはソリューションを提供したと言いました。どうやって本当に抹殺をしていくのか、どこの収容所にどれだけの人を送るのか、それも全部ソリューションで、課題提供で、情報処理で全部把握することができていったわけですね。まさにホロコーストに利活用されていったんですよ。
 こういう個人情報の処理が人権侵害をもたらすことがあってはならないと、個人の権利保護についての確固たる哲学がGDPRには刻まれています。
 では、お聞きします。
 それから時代が大分たちまして、デジタル技術の進歩によって情報処理は当時の百兆倍とも言われています。そうですね、コンピューターのない時代の話です、今のは。大規模なデータ収集と処理、利活用がプライバシー権など基本的人権への脅威、リスクとなっている、そういう認識は大臣にはおありですか。
○国務大臣(平井卓也君) デジタル技術の活用を通じた高度なデータ処理は、様々な社会課題の解決や新たなサービスを通じた国民生活の向上への貢献も期待されています。一方で、大規模なデータ収集と処理、適用が仮に不当な目的、不透明な態様で行われた場合、大量漏えい等の危険性を含め、国民や消費者の不安感の増大を招く可能性があると考えます。
 こうした観点から、個人の権利利益の保護と個人情報の有用性の両方に配慮しつつ、個人情報の保護と適正な利用の両面での強化を図ることが肝要であると考えており、今般の法改正でもそのような考え方に立脚しているというものでございます。
○田村智子君 個人の権利利益の保護というのがプライバシーの保護と、プライバシー権とかというのとイコールになっていないところに非常に問題意識を感じるんですよ。ただ、プライバシー権などの基本的人権、やっぱりここの脅威、リスク高まっているということはお認めになる。だったら、それどうするかという議論が本当に必要なんですよね。
 GDPRは、データ削除権、私のデータを削除する権利、プロファイルを拒否する権利などを認めています。また、アメリカ・カリフォルニア州では住民投票によって、プロファイルを拒否する権利、自己情報決定権などを定めたプライバシー権法を制定した。また、フランスも自己情報コントロール権を明記したデジタル共和国法を制定しています。こういう国際的な動きが広がっているんですね。
 プライバシーを権利として認めるという国が多数になってきているというふうに私は思うんです。特にGDPRの成立以降その動きが強まっていると、私はそう国際動向を見ていますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) まあ、プロファイリングに関しての問題意識というふうに理解しました。
 個人情報の利活用も含むデジタル経済の進展も踏まえ、世界的に個人情報保護法制が今整備されています。GDPRにおいては、個人が自己のデータの取扱いに主体的に関与するための規定が個別に設けられており、いわゆるプロファイリングについても、専ら自動化された取扱いに基づいた決定の対象とされない権利が規定されていると承知しています。ただし、いわゆる自己情報コントロール権については、その内容、範囲及び法的性格に関し様々な見解があり、定まった概念ではなく、また、いわゆるプロファイリングについても国際的に確立した考えはないと認識しています。
 我が国の個人情報保護法の規律は、GDPRの規律に照らし十分なレベルの保護を保障しているとして、平成三十一年一月に欧州委員会より個人データの越境移転に関する十分性認定の決定が行われており、これを踏まえるならば、EUのGDPRと日本の個人情報保護法とは実質的に見て同等であると言えるのではないでしょうか。
 いずれにしても、政府としては、国際的な個人情報保護をめぐる社会情勢の動向について引き続き注視し、我が国の個人情報保護法制の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
○田村智子君 今の十分性認定についてはまた後日たっぷり議論したいというふうに思うんですけれど、不十分点がいっぱい指摘されていますし、何より、先ほど私が言ったような個人情報に対する哲学がない。EUと日本は決定的に私は違うというふうに思います。
 では、デジタル改革の議論でプライバシー権がどう議論されたのか、これも見てみたいと思います。
 昨年十二月二十一日、デジタル・ガバメント閣僚会議が取りまとめたデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針には、デジタル社会を形成するための基本原則として十項目が掲げられています。これは、デジタル改革関連法案ワーキンググループで、内閣府IT室から提案をされ、ほとんどそのまま十原則として確認されたものです。
 これ、具体化の程度はともかくとして、今回の法案には盛り込まれているということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) 今回の法案には盛り込まれているという理解で結構でございます。
○田村智子君 それでは、ワーキンググループが取りまとめた基本原則案の資料、これこのまま、ほぼそのまま確認されていますので、これが法案にも盛り込まれているということなんですけれども、資料で配付をしました。
 以下の十原則を日本のデジタル社会を形成するための大方針とするというふうに大きく記述されています。この中でプライバシー権に関わるものは一つだけありますね。二つ目の基本原則の公平・倫理の中で、個人が自分の情報を主体的にコントロールというふうに書かれています。しかし、法案では個人情報保護法に自己情報のコントロールは権利としては明記されていない。デジタル社会形成基本法案にも盛り込まれていない。
 基本原則に明記されているのに、法律の条文として明文化をされていないのはなぜなんでしょうか。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 まず、自己情報コントロール権につきましては、その内容、範囲及び法的性格に関し様々な見解があり、明確な概念として確立していないこと等から、一般的な権利として明記することは適切ではないと考えているものでございます。
 ただ、事業者や行政機関等が保有する個人情報の取扱いに対しまして、本人の関与を保障すること自体は重要と考えております。したがいまして、改正案でも、現行法に引き続き、本人による開示、訂正、利用停止請求等を可能とする規定を個別に設けております。
 また、デジタル社会形成十原則につきましては、政策の基本的な方向性を原則として掲げたものでございます。必ずしも権利として掲げているわけではございません。
 ただ、その考え方につきましては、今申し上げましたとおり、個人情報の取扱いに対する本人の関与を保障する規定につきまして、本人による開示、訂正、利用停止請求等を可能にする規定を入れているところでございます。
○田村智子君 繰り返しの答弁の中では、確立した概念になっていないということが繰り返されているんですね。
 しかし、例えば、早稲田大学江沢民国家主席講演会名簿提出事件というのが裁判であるんですけれども、これ、大学が講演会に参加を申し込んだ学生の名簿の写しを本人の同意も取らずに警視庁に提出をした、このことで学生からプライバシー権の侵害として提訴された事件なんです。
 二〇〇三年の最高裁判決について、調査官の解説は次のように述べているんですね。プライバシーの権利とは、私的領域への介入を拒絶し、自己に関する情報を自ら管理する権利、こういうふうに規定した上で、本判決が情報の開示について本人の同意を重要な要件としているのも、このような自己に関する情報を管理する権利の考え方と親和的なものと見ることができようと、調査官がこう解説をしているんです。
 確かに判決の中に、自己情報コントロール権みたいな、管理権みたいな言葉は出てこなかった。しかし、本人同意というところに重きを置いた判決は、自己に関する情報を管理する権利の考え方と非常に近いと、親和的なものだというふうに解説をしているんですよ。これは、閣僚会議でもワーキンググループでも自己情報コントロール権というのは言及されている。私は権利として認めることに問題がないように思うんですよ。
 平井大臣に、それでは、今回盛り込んでいないけれど、だけど、個人が自分の情報を主体的にコントロールできるようにする、これは一般的な個人の権利としては政府は認めるということでよろしいですか。
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 繰り返し申し上げていますとおり、事業者あるいは行政機関が保有している情報に対しまして、その個人情報の取扱いに対して、その情報の対象である本人自体が関与することは非常に重要だと考えております。したがいまして、本人による開示、訂正、利用停止等を、停止請求等を可能とする規定を入れているところでございまして、私の考え方は以上でございます。
○田村智子君 関与することは重要と、ここ止まりなんですね。
 それで、確立した考え方になっていないというんですけど、それをいつまで続けるのかなんですよ。だって、デジタル社会を形成しようというんでしょう。ビッグデータ化して、個人情報をビッグデータ化してどんどん利活用しようということなんでしょう。そのときに、自己情報コントロール権というのを今議論して、今法律に書き込まなくしてどうするかということなんですよ。何で先送りにするのかということなんですね。
 住民基本台帳違憲訴訟大阪高裁判決は、憲法十三条の保障する権利として自己情報コントロール権を認め、そこに依拠して、一部国敗訴の判決を導きました。その後、最高裁判決が異なる判断をしたということはもちろん承知をしています。しかし、今、政府の側から、自己情報コントロール権と、こういうふうに認めると、また住基ネット違憲判断のように、国が進めるデジタル政策の妨げになるんじゃないだろうかと、そういう危惧とか、そういう判断、そういう意図は働いてはいませんか。
○国務大臣(平井卓也君) これ、概念として、先ほどから何度も言っていますが、論者によって理解の異なる外延とかその概念とか、外延が確定していない概念を法律にもう権利のように書いてしまうとやっぱり混乱が生じるおそれがあるというふうに思っています。
 具体的には、例えば自己情報コントロール権という言葉の響きから、個人情報保護法があたかも自己に関する情報について所有権に類する財産的な権利を保障したものであるかのような誤解を生む可能性すらあると我々は考えています。
○田村智子君 だから、そういう誤解を解くような議論をすればいいんじゃないですかと思いますよ。
 先ほど、自分の、だから個人情報に関与することは重要だと言った。だけど、重要だと言いながら、先ほど私から提案募集のことをいっぱい紹介しましたけれども、いや、こんな個人情報ファイルが、私のファイルが作られているのかということも知らないでしょう。受験生が、自分の入試のデータが何年もにわたって、まあ三年間ぐらいでしょうか、入試センターのところにあって、それが何かの利活用のために提案募集に掛けられていると、非識別加工の対象にされていると知りもしないんですよ、関与どころか。知りもしないんですよ。
 だったら、もっと、どういう情報が、私のこういう情報がどう使われているのかを知る権利、それに対して関与する権利、これを今の法案の中で議論して規定をしていくというのは、私は当然のことだと思うのに、それをやろうとしない。誤解を生むからだと言う。誤解しないように説明するのが政府の責任なんじゃないんですか。それもやらずに利活用ばっかり進めようとしている。
 今日ちょっと、あともう時間が少ししかないので、プロファイリングのことを一言だけ聞いておきたいというふうに思うんですね、呼び水のように。
 やっぱり私、そのプロファイリングというのは、問題にするのは、次回詳しくやりたいと思うんですけれども、これは、何というかな、データによって個人の行動が変えられてしまう、データが個人の自由を奪う、こういうことにもなりかねない。あるいは、プライバシーが本当にさらされていくような、そういうプロファイリングが実際に行われているわけですよ。だから、この問題というのは本当に、個人情報をどう自分でコントロールし、どう関与していくかということで、非常に重要な問題だと思うんです。
 私、取り上げた一つが、本会議でも取り上げたんですけれども、アメリカの大手スーパー、ターゲット社、女性の購買履歴から妊娠の可能性をプロファイリングして、ベビー用品のクーポン券付き広告というのを、ターゲット広告やるわけですね、送付するわけですね。それは、高校生がいて、お父さんがそれを受け取ってびっくりして抗議をして、抗議をした後に娘が妊娠していたということを知ったという事件として、アメリカでも大きく報道され、国際的に大変注目されている。個人情報のプロファイリングの問題として非常に注目されている事件なんですよ。
 それで、これ、妊娠というのは日本においても要配慮個人情報だと思います、妊娠したか否か。そうすると、その妊娠したか否かを識別するようなプロファイリング、要配慮個人情報を識別するためのプロファイリング、これは禁止すべきだと、禁止されて当然だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。
 いわゆるプロファイリングにつきましては、個人の権利利益を侵害する場合に問題となり得るというふうに承知をいたしております。
 個人情報の不適正な利用による個人の権利利益の侵害を防止をする観点から、令和二年改正個人情報保護法におきましては、民間事業者に対しまして不適正利用の禁止に関する規律を導入するなど、プロファイリングの懸念に対応するための改正を行ったところでございます。具体的には、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれのある方法によりまして個人情報の流用を行った場合には不適正利用となります。
 この規制、これらの規制によりまして、問題のあるプロファイリングを含む不適正利用を防ぐことができるものというふうに私ども認識いたしております。
○田村智子君 それ、お答えになっていないんですよ。そういう要配慮個人情報につながるような、この人は例えばがんなんじゃないかとか、病気なんじゃないかとか、妊娠しているんじゃないかとか、そういう情報に行き着くようなプロファイリングは違法ではないですか。違法というか、禁止されるべきではないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(平井卓也君) その不適正な利用の具体的な基準のお話だと思うんですけれども、個人情報保護法の解釈については、委員御存じのとおり、いわゆる三条委員会である個人情報委員会からやっぱり答えるべきだと考えております。
○田村智子君 時間が来てしまいましたので、じゃ、次回にまた取り上げたいというふうに思いますけれども、これまでの答弁聞いていても、本当に個人の権利利益の保護にもなっていないんじゃないのかと、これでデジタル社会になれるんですかという危惧が一層深まったということを申し上げて、質問を終わります。


 |