日本共産党の田村智子議員は13日の参院内閣委員会で、高齢者への新型コロナウイルスワクチンの接種計画について、具体的な支援策が示されず、実態と乖離(かいり)した完了日程が発表されていると明らかにしました。
菅義偉首相は12日の会見で、「7月末までに高齢者の接種を85%完了」と述べました。田村氏は、この数字は総務省が同日に発表した調査のまとめによるもので、全国の自治体が9月以降の接種をゼロとしていると指摘しました。
しかし、党として地方議員を通じて実態を聞き取ったところ、都内のある自治体では、すでに9月の予約をしている人がいる。接種スケジュールを小学校ごとに9月まで延長している自治体もあるなどと示し、「どういうことか」と説明を求めました。
黒瀬敏文官房審議官は、厚生労働省が接種完了の前倒しを4月30日に各自治体へ要請し、同日付の総務省の事務連絡で、計画の検討状況と課題などの報告を求めたと説明。目標に向けてどう接種を進めるかについては、言及を避け続けました。
田村氏は、総務省が発表した自治体の接種計画結果には、ただし書きで、医療従事者の確保等を前提とした回答も含まれていると追及。黒瀬氏は、「全てがいまの段階で整ったわけではない」と述べ、85%完了は努力目標の数字だったことがわかりました。
田村氏は、全国知事会の調査で、全都道府県が“医療従事者の確保”を課題に挙げたと強調。「国が医療従事者を確保して、派遣できるのか」と迫りました。河野太郎ワクチン担当相は、「対応すべく努力している」と述べるにとどめました。
2021年5月17日(月)しんぶん赤旗
【第204回国会 参議院 内閣委員会 第18号 令和3年5月13日】
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
ワクチン接種についてお聞きします。
今の深刻な感染の状態からも、また海外のワクチン接種による効果を見ても、日本での接種が、安全性を確保しつつ、混乱なく進むことを私も願っています。
しかし、政府から発信される情報と現場の実態が乖離しているように思えるんですね。これ、様々な混乱を招くことになりかねませんので、事実確認をしていきたいと思います。
政府の方針は、六十五歳以上の高齢者について、二回目接種、二回の接種は七月末で完了というもので、厚労省の調査で四割の自治体が七月末は困難と回答しているという報道があって、実はそれを前提に昨日質問通告を終えたんです。ところが、昨日の夜、菅総理はぶら下がり会見で、高齢者は八五%の自治体で七月末で完了できるというふうに発表されました。慌ててちょっとそこから調べての質問なので、若干通告と中身が違うんですけど、是非、事実確認も含めてですのでお答えください。
これ、総務省の全自治体調査だということが分かりましたので、ホームページの報道資料を見ました。七月末まで、自治体数で八五・六%、人口割合で八四・五%、八月中が自治体数で一〇・六%、九月以降は三・八%と。それで、別表では都道府県別にどうなっているかということも示されていて、東京都でいえば、七月末までが四十二市区町村、八月中が二十、九月以降はゼロになっているんですね。
私たちも、実はワクチン接種については地方議員を通じて幾つかの自治体の状況をお聞きしています。東京都のある区では、一回目の接種予約が八月、二回目は九月まで空きがなかった、また、別の区でも、一回目の予約が九月で、二回目は会場がないと言われた、こういう事例が既に報告をされているんです。既に予約が八月以降の方がいることになるんですけれども、なぜ総務省の調査結果でそれはそうならないんでしょうか。つまり、九月以降ゼロとなっているんですけど、これどういうことなのか、総務省、説明できますか。
○政府参考人(黒瀬敏文君) お答え申し上げます。
四月二十三日に総理会見で方針が示されて、四月三十日には厚労省から七月末までの前倒しの要請がなされて、同日付けで厚労省で連名で情報提供の依頼を行ったのが今回の調査ということでございます。恐らく、これを受けて同日以降、接種の前倒しに向けた計画が各自治体で具体的に検討をされてきたというふうに認識しておりまして、今回の調査結果はそうした自治体の取組の結果であるというふうに受け止めてございます。
計画の前倒しに伴いまして、今後それぞれの自治体等におきましてワクチン接種の予約の前倒し等も含めて接種体制の見直しが進んでいくものというふうに考えております。
○田村智子君 ちょっと答弁になっていないですよね。だって、既に、現に九月の予約の方が東京都内でいるんですよ。
私、手元にある自治体の接種計画のスケジュール表を持っていますけれども、相当細かく小学校ごとに五月、六月、七月、八月、九月、全部入っているんですよ。これで予約取っているんだと思うんですよね。だけど、発表では、だって、総務省のホームページで九月以降はゼロってなっているんだもの。これ、混乱生むと思いませんか。どうされるんですか、これ。
○政府参考人(黒瀬敏文君) お答え申し上げます。
先ほども申し上げたとおり、今回はその前倒しの要請というのを受けまして各自治体の検討状況を、東京都であれば東京都を通じて各市区町村の状況等をお伺いをしたというものでございます。
その中で、どの団体のことをおっしゃられているのかは私は承知しておりませんけれども、各自治体において検討されそのような回答がなされてきたということでございますので、一般論でございますけれども、この前倒しに向けてこれまでどの団体でもそれなりに、別の日程で動いてきたところも含めて前倒しに向けた御尽力をされておられるというふうに聞いておりますので、そういった意味でも様々な取組、見直しも含めた取組がこれからされていくというふうに認識をしているところでございます。
○田村智子君 もう一点、本当によく分からないんですけどね、その総務省の調査の依頼の事務連絡にはただし書で、医療従事者の確保等を前提とした回答も含まれるというふうにあるんですけれども、これはどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(黒瀬敏文君) 各自治体におかれましては様々な取組をしていくと。その際には課題もいろいろ明らかになっていくと。今回の調査の目的は、そういった意味ではそういった課題等についても明らかにしていくと。そのために、前倒しのためにどのようなことが必要かということを洗い出していくということが主たる目的でもあるわけでございまして、そのような中で、全てが今の段階で整ったわけではないけれども、こういった問題について課題を解決すれば前倒しが可能だと。
なので、例えば都道府県ですとか国の方もこういった協力をしてほしいという部分も含まれているということでございます。
○田村智子君 そうすると、総理が昨日会見で言った八五%というのは、こういう努力が取られるという仮定を含んでいる数字ということもあり得ることになると思うんですよ。
河野大臣、私、こういう情報発信の在り方というのはちょっといかがなものかと思うんです。説明あったとおり、四月三十日にまず厚労省が事務連絡を出して、六月最終週までの二週間ごとのワクチン配送量を都道府県ごとに示し、併せて七月末への前倒しをすべく計画の作成をお願いします、これ四月三十日、ゴールデンウイークの間。それで、その四月三十日に総務省も事務連絡を出していて、この厚労省の事務連絡を踏まえての情報提供をお願いすると。回答締切りは五月十日だと。その結果、各都道府県が答えた数字で八五%で七月末で完了しますよということを総理が会見で述べられた。
私は、もちろん高齢者の中に要望あると思います、できるだけ早く打ちたいと。そこに応える努力も必要だと思います。だけど、現場の自治体がどうなっているかということを考慮せずに、都道府県から努力値も含めてこういう回答がありましたと、そういう数字を総理が緊急宣言の延長ということを会見で述べるタイミングに合わせるようなやり方で発表すると。これは私、混乱を生むと思いますよ。
だって、今、八月、九月に予約入っている方が例えばホームページで見て、いや、東京都の自治体は八月っていうのはごく少数じゃないかと、九月なんてないってことになっているじゃないかと、うちの自治体はどうなっているんだ。不信につながるし、苦情につながるし、問合せにつながるし、自治体の業務の混乱に私つながりかねない事態に今なっているんじゃないかと大変心配なんですけど、河野大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(河野太郎君) それぞれの自治体が七月末までに接種を終えるのに何が必要かというのを総務省の方で自治体に問合せをして、その集まった結果を見ながら国として様々な支援をしていきたいと考えておりますので、そういう意味ではいい調査ではないかと思います。
○田村智子君 私、四月三十日の総務省の事務連絡見ましたけど、詳しく仮定なんか置いていないような調査依頼になっていますよね。いつまでにできますか、各自治体ごとでそれを何月までと書いてくださいというだけであって、こういう支援がこの自治体には必要ですというのを取るような調査票にもなっていないと思いますよ、今朝送っていただきましたけれども。
だから、これ一体何の調査というふうに理解したらいいんでしょうか。言ったように、自治体は本当に細かなスケジュールを既に作って、それで予約取っているんですよ。前倒しの努力が必要だということは分かるんですけれども、この八五%という数字をどう理解したらいいんですか、各自治体の現実との関係では。
○政府参考人(黒瀬敏文君) お答えいたします。
先ほどもお答えいたしましたけれども、今回の調査は、まず、七月に前倒しをするために何を解決しなくちゃいけないのかということも洗い出していく必要があるということで、そもそも私ども地方公共団体と連絡調整という役割を総務省として担っておりますので、そんな中で様々な情報交換をしております。
で、調査物の様式自体については、これはただでさえも現場が非常に大変な状況にありますので、極めてシンプルなものにしたということがございます。ですので、その辺りについてはコミュニケーションをしっかり図りながら答えていただいた数字で、それを前提として現時点でできる限りの前倒しをした結果としての数字が出てきたものだというふうに理解をしております。
○田村智子君 いや、ちょっと八五%という数字はどういう数字なんですかということに対するお答えになっていないと思うんですよ。答えられないんだと思いますよね、今の答弁聞いていると。いや、これは本当に混乱を生みますよ、こういうことをやっていたら。期待値で出したら駄目ですよ。
で、全国知事会は、恐らくこの四月三十日の厚労省からの事務連絡を受けてだと思うんですけれども、じゃ、その七月末に完了するについての課題は何かということを知事会独自で調査をされています。五月十日にその暫定結果出ています。全ての都道府県で医療従事者の確保と言われているんですよ。だったら、国が医療従事者を確保して派遣できるのかと。そういう要望も書かれていますよ、派遣してほしいと。これ、まさに東京オリンピックと取り合いなんかしている場合じゃないということですよね。国はどうするのかと。それから、規模の小さい自治体では、集団接種は役場を総出でやらなきゃいけないと、これ以上会場を増やしたり日にちを増やすということができないという書き込みもあるんですよ、その知事会の調査を見ると。
それで、その自治体が困っている業務の一つは、VRSやV―SYSのトラブルで、特にV―SYSは入力する手が足りない、これ以上増やして七月末と言われても、自治体にそれだけのことをやるだけの人がいないと書いてあるんですよ。それじゃ、デジタル庁設置している場合なのかなんですよ。そういうデジタルに強い人、自治体に派遣してできるようにするというようなことが求められてくると思うんですよね。
いや、七月末に八五%というんだったら、要望もそうやって出されているわけですから、これ厚生労働省の事務連絡のところには最後のところに参考でわざわざ菅総理の会見と書かれているんですよ。接種のスケジュールにおいては、希望する高齢者に七月末を念頭に各自治体が二回の接種が終えることができるよう、政府を挙げて取り組んでまいります。
じゃ、医療従事者の確保は全都道府県が七月末まで完了するのには課題だと挙げた、自治体の人手も足りないと挙げた。国はどうするんですか。河野大臣、どうするんですか。
○国務大臣(河野太郎君) 今そうした課題に対応すべく努力しているところでございます。
○田村智子君 総理が昨日言われた八五%はちょっとそういう状況だということを示された方がいいですよ、本当に。だって、自治体に混乱や不信感をもたらして、遅れているのは自治体の責任だというふうに住民捉えることになっちゃいますよ。国はまだどうやって支援するかも決めてもいないわけでしょう。
いや、ちょっとこういう発表ばかりを繰り返されると、ちょっと本当に困る。改めてほしい。
それで、ワクチンのことについてもう少し、元々聞きたかったことがあるんです。
この全国知事会の調査結果を見ますと、二週間ごとのワクチン割当てでは弾力的な接種計画が立てづらい、二週間でワンクルーという考え方は配送日が最大で二週間変わるため、日程を組む上では支障が大きいという意見が書かれています。
私たちの聞き取りでも、週単位でこれぐらいというふうに概数が知らされるだけで、正確な数字は前日にならないと分からないという自治体からの意見を聞いているんです。
昨日、内閣府に確認しましたら、例えば、五月二十四日からの週で行きますよというのはその二週間前の十日には自治体に知らせるようにしているので、混乱は起きないはずだという説明を受けたんですけれども、その自治体にお知らせしているというのは、供給量とともに、いつ届きますよという配送日を特定して知らせているんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 六月末までの供給スケジュールは二週間ごとにお知らせしております。供給日については別途お知らせをしているところでございます。
○田村智子君 そうすると、改善されて、それが直前だと困るという自治体からの要望なんですけれども、供給日というのは、どれぐらいのつまり余裕を持って自治体には伝わっているということになるんですか。
○国務大臣(河野太郎君) 今約一週間前でございますが、これをなるべく早くお知らせをするように努力しているところでございます。
○田村智子君 是非お願いしたいと思うんです。
それから、今後の供給量についてなんですけれども、九月末までに全国民的規模での接種完了が見込めるワクチン供給できるというふうに河野大臣も会見でも述べられている。これ、自治体が今後確実に計画を立てていくためには、やっぱり供給量についてできるだけ詳細な計画、ロードマップを示していくことが必要ですし、自治体もそれを望んでいます。
しかし、ワクチンメーカーとの協定に秘密事項があってなかなか先々までを示すことが難しいというようなことも聞くんですけれども、そうであるならば、メーカーとの再協議も含めて、情報を正確に自治体にできるだけ早く示せるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) おっしゃられたことは事実でありません。
○田村智子君 じゃ、秘密のような協定はないということというふうに理解しますので、では、ロードマップを是非示していただきたいというふうに思います。
それで、その際に、先ほどの八五%と同じで、総理がこう言った、大臣がこう言った、供給量がここまででは駄目なんですよ。自衛隊含めて、圧倒的に接種の体制なんですよ。だから、体制どうするかということの具体の支援策、実際の具体の、実際の具体化なしに、もう何か期待値とか覚悟のようなことでの発表は本当にやめていただきたい。
このことは重ねて要求しておきたいというふうに思いますし、医師、看護師の確保をする上では、やはり人件費が不足していると。診療所など休診にして対応する場合の減収補填含めてやってほしいという要望も出ていますけれども、これ手当ては考えておられるんでしょうか。
○大臣政務官(こやり隆史君) 先生御指摘のとおり、医療従事者の確保、これは重要な課題であると認識しております。
これまで、まさに看護職員の会場への派遣であるとか、あるいは歯科医師の皆様への御協力、こうした制度面での見直しについて行ってまいりました。また、接種用の費用、御支援につきましても、医師、看護師への謝金など接種のために基本的に必要となる費用、これは負担金として措置をしております。また、医療機関等における掛かり増し経費などの通常を超える経費についても、これは補助金として補填をしております。
こうしたように、合理的に必要と考えられる費用、これは国が全額負担をするということにしております。
また、先ほど来御議論がございました、前倒しをこれからまさに総力を挙げてやっていただくということでございますけれども、例えば、平日の体制を引き続き強化していただくとともに、土日や夜間、こうしたことでも接種をしていただく、こうした地域におきましては、接種単価の引上げ、あるいは医師、看護師を派遣してくださる医療機関への支援の強化といったものを措置することとしております。
いずれにしても、こうしたことを通じまして、各自治体におきまして円滑な接種が進むよう、しっかり緊密に連携しながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○田村智子君 次に、医療支援についてお聞きします。
二〇二〇年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金、これちょっと長い名前なんですけど、これ、国の直轄の補助制度で、様々な感染対策をやることについて直にお金が出るんですね。今年二月二十八日に受付が終了し、昨年度中に申請できていない医療機関は今年度に申請できることになっています。昨年度分の受付終了から二か月が過ぎているんですけれども、多くの医療機関から交付決定通知が来ない、どうなっているのかという問合せが私の事務所に相次いでいます。同様に、インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業、これも一月三十一日が申請締切りで、事業対象期間も三月三十一日で終了と、本当に終了してしまっていいのかなんですけれども、これも交付決定が来ないという相談が相次いでいます。
それぞれの事業について、申請件数、システムへの入力件数、処理件数、これ端的にお願いします。
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
御紹介いただきました二事業につきまして、審査に時間を要しておりまして、御心配、御迷惑をお掛けをしております。
まず、新型コロナウイルス感染拡大防止・医療提供体制確保支援事業につきましては、三月三十一日時点で、申請件数につきましては現在なお精査中でございますけれども、十万件を超えておりまして、交付決定件数は約一万四千件にまだとどまっております。また、インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業については、三月三十一日時点で、申請件数は約二万三千件、交付決定件数は約一万四千件となっております。
いずれの件数についても精査中のものを含みますけれども、いずれにせよ、未処理の申請について鋭意作業を行っているところでございますので、順次交付決定等の対応を進めてまいりたいと考えております。
○田村智子君 本当に遅いんですよね。この状況だと、感染拡大防止等事業は七月になっても終わるかどうかだという状況ではないでしょうか。
これ、申請したまま音沙汰がなくて、医療機関としては放置された状態になっているんですね。で、どうなっているのかと思ってコールセンターに問い合わせると、いや、不備がある場合や届いていない場合は補助金が出ないという場合がありますよ、再度の申請というのは認められませんよと、そういう説明まで受けちゃって、もう受け取れないのかと思っている医療機関があるぐらいなんですよ。
申請受付と審査体制が十分に取られていないということが遅れの原因なわけですから、これ是非早急に拡充をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
各事業、審査時間を要しておりまして、御迷惑をお掛けしております。また、まさに委員御指摘のような御照会、多数我が方でもいただいておりますので、こうした申請につきまして、どういう状況かということにつきまして、順次交付決定等の対応を行う過程で必要な対応を行ってまいりたいと思っておりますが、例えばコールセンターで個別の御照会いただいたときには、どういう段階にあるのかというようなことをお伝えするようなことができないかとか、必要な、御心配を掛けないような対応を考えていきたいと思っておりますし、いずれにせよ、その補助すべき申請に対して補助できないというようなことのないように、鋭意体制も含めまして作業を進めてまいりたいというふうに思っております。
○田村智子君 是非、これ申請件数と処理件数を公表するとか、コールセンターに問い合わせたら個別事案の進捗状況についても回答いただけるとか、こういう改善が必要だと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
委員御指摘のように、申請される方々の、もう通らなかったんじゃないかというように、御不安、当然そういうものが出てこようかと思いますので、きちんとした対応が必要だと思っております。コールセンターにおいて個別の医療機関から審査状況の問合せがあった場合には、審査機関で受領をしていますとか、審査中ですとか、厚生労働省で交付決定手続中でありますとか、そうしたその審査の状況をお答えできるような形を取れないかということで現在検討を行っているところであります。
委員御指摘のような声、多数いただいておりますので、審査の迅速化も含めまして、御懸念を払拭できるように取り組んでまいりたいと思っております。
○田村智子君 西村大臣にお聞きしたいんですけど、この補助事業、年度末で終了でなく、私は事業継続を三月の委員会で求めたんですよ。だって、発熱外来のための特別の体制なんていうのは、まさに変異株の下で今求められている状況ですからね。それが年度末というふうに切られちゃったんですよね。通常体制になっちゃっているんですよ。
また、事業者の支援についても、今、緊急事態宣言が出されると、何かの要請が出されるとという細切れの状況でしょう、先ほども雇用調整助成金のことも含めての質問ありましたけれども。だけど、西村大臣御自身が、感染の波は繰り返すとこの間強調されている。だったら、せめて年度内、これ続くような制度としてやっぱり私は示すべきだと思いますよ。そうでなきゃ、みんな本当疲れ切ってしまう。まともな感染症対策になっていかない。このこと、いかがでしょうか。
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、医療機関、本当に必死な思いでコロナへの対応をしていただいていまして、改めて感謝を申し上げたいと思います。
そして、様々な補助事業、厚労省も一生懸命やってくれていると思いますけれども、十分に迅速な対応が取れていない部分、これほかの協力金などもそうなんですけれども、それぞれ一生懸命やってくれていますが、その間、出るまでの間、無利子無担保の融資、これ福祉医療機構、WAMなどもありますし、事業者には中小公庫もありますので、そういったものもつなぎで活用していただきながら、私どもそういった要請もしておりますので、うまく活用していただきながら何とか踏ん張っていただければというふうに思います。
発熱外来、インフルエンザとの同時流行に備えての対応は、一旦はこれは終わっておりますけれども、なお感染防止の別途の補助も行っておりますので、こういった補助も活用していただければというふうに思います。
その上で、御指摘のように、雇用調整助成金の議論もございました。また、様々な事業について、これ感染状況、特にこの事業者の方、事業者のこの状況をしっかりと見ながら、これ四・五兆円の予備費がございますので、これを活用することも含めて必要な対策、これは臨機応変に、機動的に対応していきたいというふうに考えております。
○田村智子君 私、済みません、河野大臣、ありがとうございましたと言うのを忘れてしまいまして、ワクチンの質問は終わっていますので、御退席いただいて構いません。ありがとうございました。
○委員長(森屋宏君) 河野国務大臣におかれましては、御退席いただいて結構です。
○田村智子君 済みません。
最後に東京オリンピックについて、これ西村大臣にも是非ちょっと残っていただいて聞いていただきたいんですけれども、緊急事態宣言の下で、五月一日から六日、水泳飛び込みのテスト大会、四十六の国と地域から約二百二十五人、約というか二百二十五人ですか、が入国したというふうに報道もされているんですけれども、これ、いろんな問題点を指摘している記事を目にしました。
選手や関係者は通常とは違って隔離免除という特別扱いなのに、入国ゲートで大会関係者の迎えもなかったと。隔離を済ませていないのに、もしも選手が迷子になって普通の人と一緒に紛れてしまったら一体どうなっていたのかというような声も聞かれると。私、バブルで覆って日本人との接触をしないようにという運用が僅か二百数十名の入国でも徹底されていなかったんじゃないかというふうにちょっと言わざるを得ないと思うんですね。
それから、どんな食事だったかといえば、一日三食お弁当で、最初は生野菜もフルーツもなくて、アスリートの体調管理にも支障を来しかねなくなって、もうストレスがいっぱいたまっていくと。それから、エレベーターも含めて二十四時間監視体制に置かれて、選手たちがどんどん心のゆとりが奪われていくと。とても負担が大きいんですよ、選手にとっても。
これを、オリンピック期間中、選手一万人規模だけでなく、大会関係者、スポンサー企業関係者、報道関係者、先日の予算委員会では、通常だったら九万人ぐらいのところをかなり抑えられるというふうに丸川大臣言われたけれども、かなりといっても数万規模じゃないかと思われますよね。できるんですか。たった二百数十人でこんな問題点が指摘されている。できるんですか。
○国務大臣(丸川珠代君) ルールブックに、用務先を限定しますということであるとか、あるいはバブルをしっかりと維持することについては、組織委員会も含めて物理的にその行動を規制する、現場に立っていただく、つまり、それは人が実際にその場にいて行動規制を、監視し、また管理するという体制を取るということにしております。
そしてまた、食事の面の話ですが、これ、私ども、大変恐縮ですけれども、大会時は全く違う環境になります。というのも、これはもう全てのオリンピックで、選手のための食事というのはきちんと大きい食堂で管理をするということになってございます。ですので、先生が御指摘いただいたようなあの大会のようなことにはならない。プレスはプレスで食堂が別にあります。食堂といいますか、これは実際にはプレスセンターにある既存の飲食店を活用させていただきます。また、スタッフの方、メディアの方、別の食堂も、あっ、済みません、それはリオのときの話ですが。それから、食堂の中ですが、これ徹底して黙食と、それからアクリル板での管理、また、実際に現場にやはり人が立って管理、監視を行っていただくということにしております。
確かに息苦しい思いをすることにはなるかもしれませんが、同時にそれは、お互いに感染をしない、させない、そうした中で、自分たちが尽くしてきたベストを発揮する上でお互いのコンディションを守るということにつながっていくのではないかと思います。
○田村智子君 私、報道関係者も含めてそれ守らせるって、本当に現実的なのかと思いますよ。報道関係者も一切外出するなと、宿泊先と競技場だけと。いや、西村大臣、私、やっぱり分科会で真面目に議論すべきだと思うんですよ、もはや。
七月末に高齢者全員接種完了には、医療者の派遣をしてくれと都道府県は求めている。オリンピックへの派遣じゃないですよ、ワクチン接種のために派遣してくれと求めている。それから、今みたいに、テスト大会でさえ、これだけ大丈夫なのかって問題点起きている。分科会で提起していただきたい。いかがですか。
○委員長(森屋宏君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(西村康稔君) はい。
分科会は、まず、開催の可否について何か議論する場ではないということをまず申し上げたいと思いますが、これまでも、イベントの開催、様々なイベントの開催に当たっての感染防止策あるいは水際対策、あるいは検査の在り方、こういった感染を、拡大を抑えていくための様々な方策については議論を何度も何度も行ってきております。
そういう意味で、この分科会で議論してきたこと、専門家の言わば知見を集大成して、あるいは総動員して感染拡大を防いでいくということで今取り組んでいるわけでありますが、オリンピックに向けても、コロナ調整会議においてこうした議論が進められているわけでありまして、尾身会長の下で会長代理を務めている岡部先生にこのメンバーにも入っていただいておりますし、私どものコロナ対策室長が入って、こうした感染防止策の徹底を今議論しているところでございます。
いずれにしても、安全、安心な大会となるよう、これまでの知見を総動員して、私の立場で感染拡大を抑えていければというふうに考えております。
○田村智子君 終わります。