日本共産党の田村智子議員は15日の参院内閣委員会で、医療機関でのワクチン接種のキャンセルなどの損失について、国が補填(ほてん)するよう求めました。
自治体などの大規模接種でキャンセルになって生じる損失は、国の補助金で負担される一方、個別の医療機関への補償制度が明確にはなっていません。田村氏は「接種のために看護師を新たに雇用するなど、特別な医療体制をとってきた医療機関がある。こうした医療機関についても、キャンセルなどの損失を国が補填していただきたい」と迫りました。
また田村氏は、ファイザー製ワクチンの供給量が大幅に減少し、自治体や医療機関に大混乱をもたらしていることを厳しく批判。「7月以降の供給量が6月以前に比べて急速に減るということを政府が認識したのはいつなのか」と数度にわたり追及したにもかかわらず、河野太郎ワクチン担当相は答えませんでした。
田村氏は「5月28日の記者会見で、7月以降は7000万回と言っている」と指摘し、「5月中旬には急減することがわかっていたはず。7月以降はこれまでの半分程度の供給になると注意喚起ができたのではないか」とただしました。
河野氏は「かかりつけ医が5万数千と増えているなかで、個別に知らせることができなかった。そこは大変申し訳ない」と答えました。
2021年7月16日(金)しんぶん赤旗
【第204回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第1号 令和3年7月15日】
○田村智子君 今言ったようなやつは、私さっき掲げたこれに全部入っているんですよ、請求書とか領収書とか。それでも不備ループなんですもの。
これ、女性一人で起業して、エステサロンを小さいながらも経営してきた、こういう方が、先ほど示した解読できないようなメールを送り付けられたらどういう思いになるかなんですよ。今、各地の民主商工会が相談に乗っているから何とか諦めずに事業実績や減収証明しようと手だてを尽くしている。それなのに、頭から不正を疑うような、申請諦めさせるような対応を続けている。だから、私が働いてきたことを全て否定されているようだと、人として扱ってほしいと、こういう訴えなんですね。
それで、これ要望しておきますが、今審査が滞っている申請については、是非中小企業庁として内容を確認し、不備解消への対応を続けている案件というのは審査の打切りがないように対応してほしい。それから、一時支援金の支給というのは四月以降の月次支援金の申請につながっていくんです。不備ループで一時支援金の対応が遅れると、四、五月の申請締切日、八月十五日に間に合わない可能性があるので、この点での対応を求めておきます。
それで、最後、ワクチンについてお聞きします。
ファイザー製ワクチンの大幅な出荷減が自治体や医療機関に大混乱をもたらしています。高齢者の七月末接種完了という菅総理の発言を受けて、政府は、週当たりの接種数が多い医療機関に加算を付けるなどして医療機関の特別な体制求めました。自治体に対しても、総務省が直接電話をして、早期のワクチン供給を約束して接種の前倒しを求めました。自治体や医療機関、全力で努力をして、手を挙げていなかった医療機関も特別な体制を取ったと。
河北新報には、東北地方のある市長が、総務省課長からの電話に対して、計画を立てて準備しても期日までにワクチンが来なかったらこっちは大混乱ですよというふうに答えたということが報道されているんですね。今まさにそのとおりになってしまったわけですね。
この自治体と医療機関に大混乱をもたらしていることについて、河野大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 七月、八月の供給数を各自治体にお示しをいたしましたので、先々の計画を立てながら予約を取っていただくことができるようになったというふうに思っております。
○田村智子君 なぜか私の質問にはいつも冷たい御答弁なんですけど。
申し訳なかったということは会見などでも述べられていると思うんですけれども、これ、ファイザーのワクチンの七月以降の供給量が六月以前に比べて急速に減るということを政府が認識したのはいつなのか、また、そのことを明らかにしたのはいつなのか、事実確認します。
○国務大臣(河野太郎君) 当初、七―九のファイザーの供給は二千万でございましたが、これが、総理がアメリカを訪れたときにCEOと電話会談をやっていただいて五千万の追加供給を合意をいたしましたので、これはおっしゃるのとは逆で、ファイザーは大幅な供給増になっております。
正式に契約を取り交わしたのは五月十四日だと思っておりますが、これは、総理が訪米をしてCEOと電話会談をした後に追加で五千万の供給が決まったということを明らかにしております。
○田村智子君 七月以降の入ってくる量ですよね、順次入ってくる量が六月以前に比べて、まあ六月に比べて特に急速に減ると、五、六ですね、これを認識したのはいつなんですか。
○国務大臣(河野太郎君) 当初からファイザーの供給は、六月末までに一億回、その後、七―九の第三・四半期は二千万回、第四・四半期も二千万回と申し上げておりましたが、総理の訪米で第三・四半期に五千万回が追加されて第三・四半期は七千万回に供給増になったと申し上げているんです。
○田村智子君 今の説明聞いていても、本当に、じゃ、何でこんな大混乱起きているんだという話になっちゃいますよね。
資料の最後のページ見てください。
これ、私の事務所で、実際に二週間の一クールごとにどういうふうに入ってきたかというのをまとめたものなんですよ。それで、七から九月は七千万回分送付というふうに五月二十八日の会見で述べられた。四月から六月は約八千万回と。本格的な配送始まったのは四月最終週で四千箱。五月が急増して一万六千箱。そこから急減していくんですよね、やっぱり、七月五日で一万一千箱ですから。五月、六月で、一万六千、一万三千五百、一万六千と続くわけですよ、一万一千箱。
これ、五月下旬には、七月以降が七千万回というふうに言っているわけですから、五月二十八日の記者会見でね。これ、だから五月中旬あるいは下旬にはもう分かっていたと思うんですよ、こうやって減っていくということは。七月以降七千万回、考えてみると。しかも、医療機関等がV―SYSに入力した希望量、これ、本格的に出荷が始まった四月最終週から一貫して希望量の方がずっと上回っているんです、配送量が多かった五月、六月も含めて。
そうすると、五月の下旬、二十八日の会見で七―九月は七千万回と大臣が述べられたとき、このときには七月以降についてはこれまでの半分程度しか供給できなくなるよという注意喚起ができたんじゃないのかと、そのこと踏まえて接種体制を考えてくださいねという情報提供はできたんじゃないかと思うんですけど、違いますか。
○国務大臣(河野太郎君) V―SYSの希望量というのは、このワクチンにはコストが掛かるわけではございませんから、希望する量をどんどん入れていただきますが、当然にそれは合計すると供給可能量を超えるわけでございまして、それを供給可能量まで配分をする、そういう作業をやっております。
もう既に、七月から九月にかけての供給量は七千万回ですよということは会見あるいは様々な場を通じてお伝えをしておりますが、当初二万件あったかかりつけのお医者様の接種が今五万件を超えております。恐らく五万数千件になるんだろうというふうに思います。それぞれのかかりつけのお医者さんが一生懸命打っていただいておりますから、それぞれのお医者様は自分が打てる量を希望量という形でV―SYSにインプットをしていくことになります。それを合計すると、当然に希望量は供給可能量を超えることになるわけでございます。
本来なら、個別のお医者様に対して上限はどれぐらいですよということをお知らせをできればよかったのかもしれませんが、五万数千件のお医者様、しかも数がどんどん増えている中で、個別にお知らせをすることができなかったというのは現実でございまして、そこは大変申し訳ないと思っております。
○田村智子君 ちょっと時間が来てしまったので、要望なんですけど、そうすると、特別な医療体制を取って、看護師さんも新たに雇って接種のためにと頑張ってきた医療機関あるんです。ところが、キャンセルになってしまったと。自治体の大規模接種のキャンセルについての損失は国の補助金で負担すると言っている。だったら、医療機関についてもこうした損失については国が補填をすると、このことは是非やっていただきたいということを要望して、質問を終わります。