国会会議録

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前夜祭 疑惑深まる/安倍前首相 秘書に責任押し付け/衆参議運委 野党「喚問必要」

 安倍晋三前首相は25日、衆参両議院運営委員会に出席し、「桜を見る会」前夜祭の費用補填(ほてん)をめぐる自身の国会答弁について「結果として事実に反するものがあった」と虚偽であったことを認めました。安倍氏は「改めて事実関係を説明し、答弁を正したい」と述べましたが、自身に都合よく秘書に責任を押し付けました。野党は「疑念は晴れるどころか、ますます深まった」として安倍氏の証人喚問を求めました。

宮本・田村氏が追及

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(写真)質問する宮本徹議員=25日、衆院議運委

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(写真)質問する田村智子議員=25日、参院議運委

 安倍氏は「開催費用の一部を後援会として支出していたにもかかわらず、それを(政治資金収支報告書に)記載しなかったとの事実が判明した」と述べ、前夜祭の費用負担を否定してきた自身の国会答弁が虚偽であったことを認めました。しかし、「会計処理は私が知らない中で行われていたことだ」として自身の関与は全否定し、秘書に全責任を押し付けました。

 日本共産党からは宮本徹衆院議員、田村智子参院議員が質問にたちました。

 宮本氏は、「桜を見る会」前夜祭の安倍氏側の費用補填について、2013年は政治資金収支報告書に記載があるのに14年分以降は記載がないことをあげ、「多額の補填は『不適切な支出』と指摘されるのはまずいと考え、隠蔽(いんぺい)のために不記載にしたのではないか」と追及。「有権者への利益供与は政治家として許されない行為だ」とただしました。

 安倍氏は「(秘書と)接触し、話を聞くことができない」と答弁を拒否。「総理大臣だから利益供与して選挙で当選しなければならない立場ではない」などと開き直りました。

 田村氏は、前夜祭は「桜を見る会」とセットで地元有権者をもてなしするものではなかったのかと追及。安倍氏側の前夜祭の費用補填は、政治資金収支報告書では“宴会料”となっており、地元の後援会員らを接待した寄付行為に当たるとして、その原資を明らかにするよう迫りました。

 安倍氏は「(ホテルとの契約)主体は安倍晋三後援会」としながら、「私が預ける共有資金の中から立て替えた」と答弁。田村氏は原資がわかる資料を提示するよう求めましたが、安倍氏は答弁に立たず、答えませんでした。田村氏は「何一つ事実は明らかになっていない」と厳しく批判し、安倍氏の証人喚問を求めました。

 

 

 

 

 

 

 


2020年12月26日(土)しんぶん赤旗

【第203回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第1号 令和2年12月25日】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 まず、確認いたします。桜を見る会前日の夕食会、前夜祭は、参加者個々人がホテルとの契約主体ではなく、あなたの事務所側がホテルとの契約主体である、これでよろしいですね。
○参考人(安倍晋三君) 契約主体ということにつきましては、当初はこの五千円で完結をしていたというふうに認識をしておりましたので、契約はですね、主体はそれぞれ参加した方々だという認識であったわけであります。
 契約主体は誰かというこの認定においては様々な考え方があるわけでございますが、今回は検察当局の認識に我々は従ったということでございます。
○田村智子君 答えていない。
 契約主体はあなたの事務所側である、それでよろしいですね。事実を聞いています。
○参考人(安倍晋三君) ですから、今申し上げましたように、今回の主体は安倍晋三後援会であるということでですね、我々、検察側の認識と同じくしたところでございます。
○田村智子君 これ、領収書が晋和会ですのでね、私はあなたの事務所側というふうに今理解をいたします。
 費用補填についてもお聞きします。
 あなたの私費から出したと最初は言い、それを立て替えたと言い換えを行っています。誰が負担すべきものを立て替えたということですか。
○参考人(安倍晋三君) それは安倍晋三後援会に記載するべきものであったということでございまして、ですから、今回はそのように修正をさせて、修正するようにという指導をいただき、そのように修正をさせていただいたわけでございます。
○田村智子君 報告書のことを聞いているんじゃないんです。お金を誰が負担すべきものをあなたが立て替えたのかと聞いているんです。
○参考人(安倍晋三君) 誰がということでございますが、言わば食費、まあ飲食費等につきましては五千円の会費を徴収をしているわけでございます。そして、言わば本来その不足分を、会場費等でございますが、を立て替えるのをですね、私から預けている共有資金の中からこれを立て替えているのでございますが、これ、本来であれば安倍晋三後援会から支出するものであったと。言わば安倍晋三後援会から支出するものであったからこそですね、政治資金収支報告上そのように修正をして計上させていただいているということではないかと思います。
○田村智子君 今も会場費云々言いましたけれどもね、公職選挙法百九十九条の二、寄附の禁止の中で、会場費のことについては、政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会に関しやむを得ない実費、これは寄附の禁止の限定的な例外ですよ。宴会じゃないですか。収支報告書、宴会料で書いてあるじゃないですか。
 しかもね、収支報告書の中で、本来後援会が負担すべきだったから変えたと言っているけど、実際の、じゃ、お金はですね、後援会の訂正された収支報告書を見てもですよ、確かに不足分の支払の記述あります。しかし、その不足分がどこから出てきたのかが全く分からない。結局、あなたのポケットマネーから出しているんじゃないんですか、実態は。
○参考人(安倍晋三君) それは、そうではなくてですね、当然これ載せて、収支報告書に載せているわけでありますから、安倍晋三後援会から支出することは正しいのでございまして、言わば立替払したものにつきましてはですね、今回、修正することと同時にですね、元々のこの共有資金の下に安倍晋三後援会から出してですね、そちらに戻すということにしなければならないと、こう考えております。ですから、あくまでも安倍晋三後援会が主体で支払を行っていくということではないかと思います。
 また、会場費等のこれは、解釈については、既に総務省から見解が示されているものと承知をしております。
○田村智子君 これ、宴会料の補填が公職選挙法上禁止されていないなんてあり得ないですよ、あり得ないですよ。
 しかも、やっぱりこの後援会が出しているというけれど、そのお金がどこから出てきたのかが一切説明されていないんです。分からないんです。これは、ここの場での説明では駄目です。しっかりと資料を提示いただいて、私たちに分かるように説明をしていただきたい。お約束いただけますか。
○委員長(水落敏栄君) 安倍晋三君。(発言する者あり)
 もう一回、じゃ、質問してください。
○田村智子君 じゃ、要求しておきます、今御理解いただけないようなので。
 収支報告書の訂正を見てみますと、後援会の収支報告書は、確かに支出の部分は増えています。でも、収入で増えた分は会費の収入だけなんですよ。不足分がどこから出てきて払われたのか、ないんですよ。安倍晋三さんからの寄附もないんですよ。繰越金が訂正されているだけ。だから、一体どこからどうやって出てきたのかというものが全く分からない。
 もう質問時間が余りないですから、今日この場では無理だと思います。私たちも資料を見なければ分かりません。分かる資料を提示いただきたいんです。お金の動きがどうだったのかということを提示して、改めて説明を求めたいというふうに思うんですね。これは、地元有権者に誰が利益供与をしたのかと、このことが問われる問題なんですよね。
 私、やっぱり最初に戻るんですけどね、一番最初、昨年の十一月八日に戻らざるを得ないんですけれども、私は、桜を見る会とセットで地元有権者をおもてなししたのではないですかと聞きました。そのとおりだったんですよ。そのことを含めて、事実を全部明らかにしなければならないんですよ。費用補填が毎年発生しているのに、なぜ会費五千円という格安の設定を続けて宴会がやられ続けたのか、桜を見る会に地元有権者の参加者を広く募ったのはなぜなのか、このことが明らかにされなければなりません。
 衆議院の質疑の中では、答弁の中でね、私は毎回、地元の皆様が大変頑張っていただいた結果ですね、これはもう常にあの圧倒的な勝利を与えていただいているところでございましたとお答えになった。それと、地元有権者の皆さんをまさにおもてなしをするために、総理の地位を使って桜を見る会に広く募り、格安の宴会でおもてなしをした。これも含めた事実が何であったのかということを明らかにすべきだと思いますが、いかがですか。
○委員長(水落敏栄君) 時間が来ておりますので、答弁簡潔にお願いします。
○参考人(安倍晋三君) 幾つか御質問があってですね、全てお答え、ちょっと、全て覚えておりませんので、お答え難しいんですが。
 この度のまず修正はですね、後援会が主催しておりました桜を見る会前夜祭について、当局の捜査が行われている中、現存している資料等を精査し、弁護士等専門家の意見も伺いながら、事実関係が確認できた範囲で新たな収入及び支出を計上したものであります。
 具体的には、開催当日に参加者の皆様からいただいた参加費用の合計額を収入として計上し、ホテルから請求を受けて一括精算をいたしました会場費その他諸費用について支出として計上したと、こういうことでございます。
 それとですね、同時に、私の地元からも多くの、桜を見る会に参加をしていただいたところでございますが、これは毎年、過去長年にわたってそうしたことが慣行として行われてきたわけでありまして、推薦をですね、総理として推薦も依頼されていた中においてですね、推薦を依頼された中において、地元の秘書が知り得る範囲で推薦をしたと、それを内閣府あるいは官邸において最終的な決定をしたと、こういうことでございます。
○田村智子君 何一つ事実は明らかになっていないと思います。改めての追及の場を求めます。
 終わります。


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