日本共産党の田村智子議員は11月26日の参院内閣委員会で、河野太郎規制改革担当相が進めようとしている再生エネルギー開発の規制緩和について、防災、環境等の観点から秩序ある開発を進めるための規制こそ必要だと求めました。
政府は11月20日に再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースを立ち上げ、再生エネ開発が進むよう森林法、農地法などの規制緩和を検討しています。
再生エネ開発では、温暖化ガスの吸収源で防災上も重要な山林の大規模伐採など、環境に影響を与える太陽光発電所等が各地で問題となっています。首都圏でも埼玉県飯能市で18ヘクタール、東京都青梅市で20ヘクタールの山林伐採をともなうメガソーラー計画が進められています。
田村氏は、日本共産党は再生エネ推進の立場だとしたうえで、これらの問題を指摘。政府は推進側の意見だけを聞き、環境面から懸念を表明している団体からは聞き取りの予定もないと批判しました。タスクフォースに環境、防災の専門家を加え、懸念を表明している団体から意見を聞くなど慎重な検討を求めました。
河野担当相は、適切な規制改革を行うと答えました。
2020年12月3日(木) しんぶん赤旗
【第203回国会 参議院 内閣委員会 第4号 令和2年11月26日】
○田村智子君
最後に一問だけ、ちょっと規制改革の問題で急ぎ要望したいことがあるので質問させてほしいんですけれども、先週十一月二十日に、河野大臣、再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースを立ち上げた。先立って、十月二十日に日経新聞で、大臣、インタビューに答えられていて、農地法、森林法などの規制緩和が改革の対象として挙げられている。このタスクフォースのメンバーには原英史国家戦略特区ワーキンググループ座長代理がメンバーとなっている。ちょっと危惧するところがあるんですよ。
もちろん、再生可能エネルギー求めるという立場です、私も。しかし、メガソーラーとか大型風力発電などのために山林が大規模に伐採されたり自然草地の開発が進むのはどうなんだろうかと。やはり、森林というのは温室ガスの吸収源でもあり、天然のダムとして災害を防ぐという機能も持っています。やっぱり秩序ある開発のための規制こそが検討が求められているんじゃないかというふうに思うんですね。
実は私、山梨など見てみますと、土砂災害指定区域のすぐ上を大規模に森林伐採やって崖にしてしまって、そこにメガソーラー造られたりしているんですよ。そうすると、地域の住民からも不安の声、環境破壊じゃないかという声がたくさん起こる。首都圏でも、埼玉県飯能市では十八ヘクタール、東京都青梅市でも実に二十ヘクタールという大規模開発の計画が進められておられるんですね。
このタスクフォース、開発推進側の事業者や利用者のヒアリングはやっているけれども、懸念を表明しているような団体のヒアリングは予定もないというふうに聞いています。是非、防災とか環境とか持続可能な社会とか複合的な議論するために、やっぱり環境、防災の知見持つ方をメンバーに入れるとか懸念表明している団体からもヒアリングするとか、こういう慎重な検討が必要だと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 適切な規制改革を行っていきたいと思います。
○田村智子君 秩序ある規制がなされるようにと求めて、質問を終わります。
ありがとうございました。