日本共産党の田村智子議員は17日の参院内閣委員会で、菅義偉首相による日本学術会議の会員候補の任命拒否問題をめぐり、日本学術会議法の従来の解釈をねじ曲げ「推薦した方を必ず任命しなければならないわけではない」が一貫した立場だと繰り返す政府答弁の破綻を明らかにし、「学術会議だけでなく民主主義に関わる問題だ」と迫りました。
田村氏は、13日の衆院内閣委で近藤正春法制局長官が国立大学の学長任命をめぐる高辻正己法制局長官の答弁(1969年)が学術会議にも当てはまるとして、推薦等の拒否が許容されるかは「個々の法律ごとの制度に即して、それぞれの解釈に委ねられる」と述べたことを指摘。「学術会議の独立性に鑑み、どういう場合に任命拒否が許容されるのか」とただしました。
近藤法制局長官は「任命権者たる総理大臣が国民に対する責任において具体的に判断すべき事柄」と答弁。加藤勝信官房長官も「任命権者において個別に判断すべき事項だ」と述べました。
田村氏は「総理に判断を一任するとんでもない答弁だ」と批判。任命されなかった場合の対応の定めがないことも明らかにし、「“一貫した考え方”なのに定めもない。総理の任命は形式的任命で推薦された者は拒否しないというのが政府の一貫した解釈だからだ」と強調。83年の学術会議法改定の審議で示された「形式的任命」という解釈をかえりみず、政権の都合でゆがめることは法治国家として許されないと訴えました。
2020年11月18日(水)しんぶん赤旗 質疑の詳報、議事録はこちら
| 全国民への攻撃/学問の自由守れ/学術会議任命拒否/田村智子議員の質問/参院内閣委質疑の詳報学術会議任命拒否/法趣旨わい曲/参院内閣委質疑詳報