日本共産党の志位和夫委員長は2日、菅義偉首相に対し「新型コロナ危機から、命とくらしを守り、経済を立て直すための緊急申し入れ」を行いました。志位氏が西村康稔経済再生担当相に申し入れ書を手渡し、首相への要請の内容を伝えました。田村智子政策委員長が同席しました。(全文)
申し入れは、新型コロナウイルス感染拡大状況が続き、一方で暮らしと経済が深刻な打撃をうけるもとで、緊急に求める対策をまとめたもの。総合的な対策として、(1)コロナ感染拡大防止の最重要課題として、検査と医療を抜本拡充すること(2)雇用と事業を維持し、経済を持続可能にする政策を――コロナ危機を倒産と失業の悪循環に陥る恐慌にしてはならない(3)未来を担う子どもと学生に、学びを保障し、生活を支える支援を―の3点を政府に求めています。
会談で志位氏は、「政府は感染拡大防止と経済社会活動の両立というが、両立の最大のカギは検査と医療の拡充です。戦略的な検査の大規模拡大を強く求めたい」と要請。感染震源地(エピセンター)や感染急増地(ホットスポット)となるリスクがあるところへの網羅的な検査や、医療機関や介護・福祉施設などへの社会的検査を求めました。
また、「自治体の財政措置の負担が非常に大きい。全国知事会が要求しているような全額国費負担による検査を」と要求。病院経営の危機的状況を打開するため「減収補てんを行うよう転換すべきだ」と迫りました。
西村氏は検査について「幅広くやることは大事だと思っています。全体として戦略的に大幅に拡充できるよう取り組んでいく」と述べ、検査費用の全額国庫負担についても「それも含めて検討していきたい」と答えました。
志位氏は、「コロナ危機で倒産・失業の悪循環に陥ると一種の恐慌になる。これはどうしても防がなければならない」と強調。中小企業や個人事業主を支援する「持続化給付金」について、「コロナ収束まで継続的支援に踏み切ってほしい」と要望しました。同時に地域や業種別の実情もふまえた支援が重要だと指摘。国として新たに「地域事業継続給付金」制度を創設し、国が地方に交付金を支給することを提案し「持続化給付金の継続支給と地方レベルでの継続給付金をつくり、倒産・廃業から救わないといけない」と語りました。
西村氏は「現状に耳を傾けて対応したい」「家賃支援の交付金が始まっており、その効果もふまえて検討したい」と答えました。
志位氏はまた、消費税を緊急に5%へ減税することを要求。同時に、現在、経営困難な中小企業に対しては2019年度分の消費税納税が猶予されているとしたうえで、19年度、20年度分の納税を免除すべきだと求めました。
西村氏は減税や免税は難しいとしつつ「中小企業支援策をどうしていくかを考えたい」と述べ、「全体を菅総理にしっかりお伝えします」と答えました。
2020年10月3日(土)付しんぶん赤旗より