日本共産党の田村智子議員は27日の参院内閣委員会で、新型コロナウイルスの感染抑制のために戦略的なPCR検査の拡充とともに、感染者の接触追跡を行える保健所の体制整備を行うよう求めました。(詳報)
田村氏は、軽症者・無症状者が感染を広げた7月・8月の「第2波」の実態を指摘。感染拡大の再燃を繰り返さないために、「感染の波が収まっても、PCR検査数を減らさず、戦略的に抜本的に拡大すべきだ」と主張しました。
感染抑制のためには保健所の体制強化が急務の課題です。田村氏は「患者、疑似症患者、無症候感染者を保護・隔離し、誰と接触したかを追跡し、さらに検査へとつなげる。これは感染症対策の基本だ」と強調。接触追跡を行う人(トレーサー)の配置基準を人口10万人当たり30人と定めている米国ニューヨーク州や、人口2万人当たり5人の設置を自治体に義務付けているドイツの例を紹介し、「(日本も)人口あたりの人数など一定の基準を示すべきだ」と提案しました。
厚生労働省の小島敏文政務官は「保健所の体制強化は重要な課題と認識しており、どのような対応ができるか考えていく」としか答えませんでした。
田村氏は、新型コロナ感染症は長期戦となることが想定されると指摘。保健所には住民との信頼関係、地元の地理的な知識も必要で、その後の新興感染症に備える上でも専門性の蓄積は今こそ求められるとして、「保健所の定員大幅増員を本気で進めることは、あらゆる意味で安心の社会を築くことにつながる」と、恒常的な人員増に踏み込むよう求めました。
2020年8月28日(金)しんぶん赤旗より
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