日本共産党の国会議員が、新型コロナウイルス感染拡大と政治のあり方について語った「国会議員Zoom会議」が5日、インターネット上に配信されました。「まじめで好感が持てる」「日本共産党が与党多数になれば、国会も有意義な場になるだろう」などの意見が寄せられ、1万4000を超えるアクセスがありました。
補償「次の分」示せ
小池晃書記局長は、政府が4日に緊急事態宣言の延長を決定したことにふれ、ますます必要となる補償について安倍晋三首相は「全く具体的に示さなかった」と指摘。
田村智子政策委員長は「6日まで休業としていたお店がほとんど。延長で、営業の見込みがたたず心が折れてしまうのではないか」と述べました。休業で2割以上減収した中小事業者の家賃を支援する法案を、野党合同で衆院に提出したとし、「与野党一致して早く進めていきたい」と述べました。
大門実紀史参院議員は、「事業者の感覚は、10万円の給付にせよ持続化給付金にせよ5月6日までの“第1次分”というものだ。31日まで(緊急事態を)延長というなら次の分を示してほしいというのが当然の感覚だ」として、国民と政府の感覚のズレを指摘しました。
本村伸子衆院議員は、1人一律10万円の給付金について、受給権が世帯主にあるため、DVや虐待で避難している被害者が給付金を受け取れない問題を追及してきたとし、総務省は、被害者が避難先の自治体で受け取れるようにする方針を決定し、さらに民間支援団体による代行申請も実現したと述べました。
田村貴昭衆院議員は、レストランやホテルの休業により、和牛や野菜などの食材が売れない深刻な状況を国会で取り上げ、全国の農政局に相談窓口が設置されました。「食料主権を守り、食料自給率を引き上げるため、農業政策の転換を果たしていきたい」と強調しました。
岩渕友参院議員は、個人経営の飲食店でアルバイトする大学生が、感染拡大で仕事がなくなり生計が立てられず、学び続けることができないという声を紹介。「授業料の減免、給付制奨学金の拡充など、“働く学生”に対する支援が必要」だと強調しました。田村智子氏は、授業料の一律半額や、生活に困窮する学生への20万円の給付を盛り込んだ法案を野党共同でまとめていると報告しました。
文化・芸術への影響について、松竹芸能出身の清水忠史衆院議員は、仕事を失った芸人たちが持続化給付金を受けられるよう「対象を広げていくことが重要だ」と指摘。「こんな時こそ、笑いが大事。芸人たちが芸能界を辞めてしまうと、収束しても明るい日本はやってこない。芸能文化を大切にしていくべきだ」と語りました。
PCR検査拡充で
小池氏は、PCR検査数が少なく感染実態が正確に把握できないことで、延長の根拠や解除の基準があいまいだとし、検査の拡充を訴え。田村氏は、保健所や「帰国者・接触者外来」が疲弊している現状をふまえ、かかりつけ医から検査センターへのルートを全国的に広げていくべきだと強調しました。小池氏は、検査センター1カ所で月5千万円の費用がかかるとし、「全くその予算が付いていないことが最大の問題だ」と指摘しました。
公立・公的病院再編統合問題を取り上げてきた本村氏は、「院内感染の発生で、病院が休止してしまうことがある。地域に多重に病院があることが非常に重要だということが明らかになった。計画を撤回させるため大運動していきたい」と強調しました。
命・健康 最優先に
田村貴昭氏は、今回のコロナ危機をふまえ、政治のあり方を改めることが重要だと指摘。「実行不可能な辺野古の米軍新基地建設や、米空母艦載機の離着陸訓練のための馬毛島の土地買収にお金を費やすときなのか。でたらめな予算を改めて、今一番苦しんでいる人たちに国費を導入する切り替えが大切だ」と訴えました。
大門氏は「新自由主義のやり方がひどい事態をつくりだし、経済のあり方が問われている。同時に、世界が対立している場合なのかと平和も問われている。軍事拡大の路線を根本から見直し、違うところでお金をかける必要がある」と主張しました。
清水氏は、よりよい社会をつくるために、今こそ「市民と野党の共闘」が大切だと強調。「政権合意を急いで、これからの日本で国民一人ひとりが大切にされる社会をつくっていくという力強いメッセージを示そう」と主張しました。
岩渕氏は、現場の声が大きく広まり、それを野党が協議し、与党を動かす大きな力になっていると強調。「この力を大きくしたい。命と健康を守る社会をつくるために、引き続き議論し進んでいきたい」と語りました。
「国会議員Zoom会議」 の動画を日本共産党のホームページでご覧になれます。
2020年5月8日(金)しんぶん赤旗より