活動報告

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マスクなど防護具不足まだ 医療現場厳しい現状続く 国対応遅れ 対策急務

医療防護具はどの施設でも不足しており、マスクは1~2日に1枚、週に1枚など厳しい使用制限が行われている―。日本医労連が24日発表した全国152医療機関の直近の実態調査からは、新型コロナウイルス感染症に最前線で立ち向かっている医療現場の極めて厳しい現状が改めて浮き彫りになりました。

 調査では、マスク不足から、職員がマスクを買い求めるために店に並び、病院職員を名乗ってなんとか複数購入できたという事例も。患者と直接対応しない職員にはマスクの支給がないところもあるといいます。自前での対応が求められるケースも少なくありません。

月4億~5億枚必要
 本来使用ごとに取り換えるN95マスクなどの防護具は繰り返し再利用され、医療用ガウンはごみ袋やカッパで代用している医療機関もあります。消毒液も不足し、重点箇所のみの設置で対処しているといいます。

 院内感染を防ぐためにも、国が責任をもって資材を提供することが喫緊の課題となっています。

 日本医師会もこれまで、サージカルマスクだけで月4億~5億枚が必要と試算し、「このまま防護具がない状況で診療を続ければ、患者や施設入所者、医療従事者が感染し医療崩壊が起きてしまう恐れが非常に強い」(横倉義武会長)と政府に対応を求めてきました。

不足感に追い付かず
 これに対して、安倍晋三首相は24日夕、官邸で開いた新型コロナ感染症対策本部会合で医療防護具にふれ、「サージカルマスクについては既に5800万枚を都道府県に配布してきた」と強調。4月中に1500万枚を追加し、ガウンなども届けていきたいと表明しました。

 しかし、現場の不足感にはまったく追い付いていません。政府のマスク調達は、予備費と補正予算案を合わせて6カ月分で2・7億枚、ガウンやフェイスシールドと合わせて2000億円足らずです。

 日本共産党の田村智子参院議員は27日の参院本会議で、医療用マスクの必要量を製造時点からおさえて買い上げる戦略を持つべきだと改めて提起。全世帯に配布する布マスク(アベノマスク)より「医療用のマスクなど防護具こそ必要量を確実に調達する対策が必要だ」と強く求めました。(藤原直)

2020年4月29日(水)しんぶん赤旗より


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