日本共産党の田村智子政策委員長は26日のNHK番組「日曜討論」に出演し、新型コロナ感染拡大への対応について、27日からの補正予算案の国会審議に向けて、各党政策責任者らと討論しました。(詳報)
田村氏はコロナ感染の現状について「どこで感染したかわからない市中感染が止まらない。入院にたどり着けずに亡くなる方までいる。医療崩壊が始まっているという認識で対策をとらなければならない」と指摘。感染を確認するPCR検査をこれまで国が抑制してきたと述べ、検査のやり方の大転換を求めました。
また、電話でかかりつけ医に相談し、医師の判断でPCR検査センターに行って検査し、効率的に大規模に検査を行う体制が必要だと強調。自民党の岸田文雄政調会長が地方自治体の取り組みを紹介するばかりだったことから「自治体任せではなく、国が方針をもって、お金もつけてすぐに進めるべきだ」と主張しました。
田村氏は逼迫(ひっぱく)する医療体制について、「(感染者を)受け入れれば受け入れるほど大きな赤字になっていく」「倒産しかねない」という医療関係者の声を紹介し、感染者を受け入れると人員増や感染対策などの経費がかかる一方で、他の患者の受け入れや手術ができない等で大幅な減収になると指摘。「赤字を全部国が補填(ほてん)するというメッセージをすぐに出すべきだ」と強調しました。
田村氏は、東京都が軽症者受け入れのホテル確保の財源を6億円(100人、3カ月分)と計算していると述べ、「補正予算案で医療の部分は、PCR検査、医療の体制、軽症者の受け入れなど全部合わせて1490億円だ。数兆円規模で至急に医療機関にお金を出さなければ本当に医療崩壊になる」と語りました。
さらに、中小事業者やフリーランスへの対策として政府が打ち出す「持続化給付金」について、「(売り上げが)5割減を条件にするのではなく、影響を受けているところは全部対象にするべきだ。線引きはやめるべきだ」と主張。休業中も出費する固定費の中で、占める割合の大きな家賃への支援を求めました。
田村氏は「与党の側から家賃は補助が必要だという声が出ていた。野党から法案を呼びかけている。与党も持続化給付金だけでは足りないという認識ではないのか」と述べ、責任を持った発言を与党側に求めました。岸田氏は「持続化給付金の中に(固定費支援の考え方が)盛り込まれている」と述べるだけで、家賃への支援を明言しませんでした。
2020年4月27日(月)しんぶん赤旗より