国会会議録

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医療へ物資供給強化を 田村氏 マスクなど確保要請 参院内閣委


(写真)質問する田村智子議員=2日、参院内閣委

 日本共産党の田村智子議員は2日の参院内閣委員会で、新型コロナウイルス感染拡大により医療機関で不足しているマスクや消毒用アルコール、ガウンなどを、国の責任で供給する体制を強化するよう求めました。

 田村氏は、国がマスク1500万枚を医療機関に優先配布した措置について、「今後も毎月、定期的に枚数を確保して優先配布するつもりか」と質問。厚生労働省の迫井正深大臣官房審議官は「来週には追加で1500万枚配布する。今後も医療機関の需要を踏まえ、必要量の確保に取り組みたい」と述べました。

 マスクは国の補助金で月4000万枚増産され、今後は同8000万枚まで増産体制が整備される見通しです。田村氏は、「医療崩壊を防ぐためだと国民に説明した上で、国が医療機関の必要枚数を把握し、供給してほしい。少なくとも補助金で増産された分は国が優先購入すべきだ」と提起しました。

 経済産業省の江崎禎英商務・サービス政策統括調整官は、補助金で増産した分の政府調達を進めていると述べ、今後も「政府の優先供給を進めたい」と答えました。

 田村氏は、消毒用アルコール、ガウンなどの個人防護具についても、国による供給体制の強化・整備を要請。迫井氏は、消毒用アルコールについては「国が買い上げ、医療機関に配布する枠組みを検討している」と答弁。個人防護具は「供給拡大を要請している」と述べるだけでした。

2020年4月3日(金)しんぶん赤旗より

 

【2020年4月2日 参議院内閣委員会議事録】

○田村智子君
 残る時間、ちょっと今、新型コロナウイルス感染症対策のさなかですので、緊急の課題、一点質問させていただきたいと思います。
 マスク、消毒液、防護服などの不足、特に感染防止が求められる医療機関どうするのかと、本当に切迫感を持った課題となっています。
 医療機関へのマスクの配布、国や都道府県の備蓄マスクに加えて、新たに国が一千五百万枚のマスクを購入して、都道府県を通じた配布というのが三月二十三日から始まりました。今後も毎月定期的な枚数を確保して、医療機関に配布するつもりなのかどうか、お答えください。

○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 医療機関へのマスク配布は、感染拡大を防止をし、医療提供体制を構築する上で重要、これは委員御指摘のとおりでございます。
 現在、供給の多くを占める中国からの輸入、これが停滞しておる一方で、医療機関からの需要増加、これにより需給が逼迫している、そのとおりでございます。
 このため、医療機関向けのマスクにつきましては、先ほどお話がございました、各省庁の保有するマスク二百五十万枚を放出し、三月十八日を目途で医療機関等に配布をしております。メーカーへの増産のお願いと輸入の拡大によりまして、一千五百万枚を確保。これは、四月一日目途で医療機関等に配布済みといった対応を講じておりますけれども、これに加えまして、来週には追加で一千五百万枚を配布するなど、今後も医療機関の需要を踏まえ、必要な量、医療用のマスクの確保に取り組んでまいりたいと考えております。

○田村智子君 これ、医療機関にとっては次のマスクがいつ来るのかというのが見えないということが大変な不安と疲弊につながってきているんですね。
 ですから、新たに一千五百万枚ということでしたけれども、今後も国が継続的にマスク配布を行っていくんだという方針を示していくということが必要だというふうに思いますが、いかがでしょう。

○政府参考人(迫井正深君) マスクにつきましては、厚生労働省とそれから経済産業省からメーカー団体に対しまして増産の要請を行いまして、三月中には、緊急対応策において措置をいたしますマスクの生産に関わる企業への設備導入補助金、あるいは中国を始めとする諸外国の輸入の回復に官民連携して取り組むといったこと、それから、その他ガーゼマスクなどの再利用できるマスクの増産などによりまして、月間六億枚のマスクを確保いたしておりますところでございます。
 四月以降につきましても、六億枚にとどまらず更なる供給量の確保に取り組みまして、七億枚を超える枚数の確保を見込んでおりますけれども、こうしたマスクの供給状況や今後の見通しにつきましては、厚生労働省それから経済産業省のホームページによりまして情報発信を行っておりまして、具体的には、経済産業省のマスク生産設備導入支援事業費補助金を活用して増産等を行います企業名あるいは増産の規模、それから輸入の再開や海外拠点における生産の動向、それから三点目ですが、国が確保したマスクの医療機関や介護施設等への配布状況や今後の見通し、こういったことにつきましては定期的に発信を行っておるところでございまして、引き続き、マスクの生産、輸入の配布の状況につきまして、経済産業省とも連携をしっかり取りながら、国民の皆様に分かりやすいよう発信を行ってまいりたいと考えております。

○田村智子君 そうしますと、今マスクの生産量、三月は一か月で生産量六億枚だと、またそれが増えて七億枚ぐらいになっていくんだという御答弁だったんですけど、これが一体どういう規模なのかなというのが、率直に言って、私も聞いたときに六億枚というのはどう考えたらいいんだろうというふうに思いまして、先日厚労省に説明を求めましたら、通常の年というのは、一か月当たりでしょうか、三・六億枚ぐらいなんだということもお聞きして、かなりの増産になっているんだなということは理解をいたしました。
 ちょっと確認をしたいんですけれど、このうち、先ほどお話のあった経産省から助成金も出して生産ライン増やしているんだと、この生産ラインを増やしたことによる増産枚数というのはどれくらいになるんでしょうか。

○政府参考人(江崎禎英君) お答えをいたします。
 ただいまありましたように、海外からの輸入が停滞する中、国内におけるマスクの供給増を速やかに実施、実現するため、補助金を活用いたしまして、これまで十三件の設備投資の支援を行ったところでございます。その結果、設備投資、設備導入後ですね、約一か月で月産ですけれども約四千八百万枚以上の増産が実現できる見通しが立っているところでございます。
 今後につきましては、補助金で支援した各企業におきまして資材や人材、これが十分に確保できれば、生産能力ベースでは月産約八千百万枚の増産が可能ということになっております。

○田村智子君 国もお金も出して増産をしていると、だけど最もマスクを必要とする医療機関での不足がまだ解消していないと。これ、とても私問題だと思っているんですよ。
 それで、国民に対しても、つまり三・六億枚ぐらいなんだよと、それが今これだけの規模になっているよと、しかも国がお金出してこれだけ増産しているよ、こう説明をして、加えて、医療崩壊を起こさせないためにはやっぱり医療機関にはどうしても優先的に国が押さえて、先に押さえて配ることが必要なんですよということをちゃんとお話をすれば、これは国民は誰も反対しないと思いますよ。これは絶対必要なことだと誰だって理解できるというふうに思うんですね。
 そうすると、一千五百万枚で足りるのかと。厚生労働省からお話をお聞きしましたら、今配っているこの一千五百万枚というのは、医療機関からニーズを全部聞いてこれだけって規模感じゃないんですよ。生産量がこれだけで、そのうちこれぐらいは押さえられるだろうという一千五百万枚だというふうにも聞いているんですよ。
 そうすると、やっぱり、医療機関、都道府県通じて、これぐらい必要なんだという大体のニーズをつかんで、少なくともこの四千万枚、今後八千万枚まで行くんだと、じゃ、この国がお金出して増産した分ぐらいは、国が必要となるものを押さえて医療機関に優先的に配布すると、これ経産省と協力してやるのは当然だというふうに思うんですけど、いかがですか。

○政府参考人(江崎禎英君) 今御指摘のとおりでございますけれども、実際、今国内向けに増産をしているところについては、まず、企業にとってみると、売り先はどこでもいいわけですね、基本的には。ただし、今回導入補助をしたところについては、国内向けのみに出荷するということを採択の条件にしております。その上で、増産分につきましては、今御指摘のとおり、政府調達、これも進めているところでございます。
 他方、新型コロナウイルスへの不安を背景に、マスクの需要の、これは一般も非常に需要が高まっております。その中で、実際には医療機関や介護施設、これ優先供給をしておりますので、店頭にはほとんどマスクが並ばないという状況でございます。
 したがいまして、政府の優先供給につきましては、こうした一般市場の流通の影響とか国内需給の状況も踏まえて、厚労省さんとともに連携しながら進めてまいりたいと考えております。

○田村智子君 厚労省にもう一点、消毒用のアルコールとか、これはもう優先供給というふうにしているというふうには聞いているんですけれども、でも、国がニーズつかんで、押さえて、それを配布するというマスクのような仕組みにはなっていないと聞いています。防護服については、こういう優先流通の、優先供給の仕組みもないと聞いています。
 マスクと同じようにする必要があると思うんですが、いかがでしょう。

○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 手指消毒エタノール、これにつきましては、需給逼迫が、追い付いていないということでメーカー団体に増産要請を行いまして、二月には昨年比月平均約二倍に当たる約百七十万リットル、三月には約二百二十万リットルの生産を行っておりますけれども、四月にも更なる増産や、あるいは工業用のアルコールの活用といった供給量を増加させる予定でございますけれども、これらの一定量につきまして国が買い上げ、医療機関への配布を行うスキームについて、現在これは検討を行っているというところでございます。
 ガウン、それからフェースシールド、ゴーグルといった個人防護具、これにつきましても、マスクと同様、問題として輸入の停滞などの供給減が生じておりまして、メーカーに対して増産要請を行うとともに、在庫が不足する医療機関に対しましては、先ほど御説明もしましたけれども、各都道府県の備蓄放出をお願いしてきたところでございますけれども、感染者への対応による医療機関等での需要増加に供給能力が追い付いていないという逼迫状態が続いているというのは御指摘のとおりでございまして、三月三十一日には、改めまして防護具の主要メーカーに対して輸入の拡大などによる供給拡大をお願いしたところでございます。

○田村智子君 最後に、小島政務官にお聞きしますけれども、これ、マスクね、特にもう店頭に本当並んじゃっているわけですよ、人が密集して。いかがなものかと思いまして。
 生産がどうなっているか、流通がどうなっているか、国民に対する見える化、これ是非やっていただきたいと思います。

○大臣政務官(小島敏文君) お答えいたします。
 先ほど参考人の方から話がありましたように、経産省、厚労省併せましてホームページで、状況は逐一ホームページで出しておりますので御覧いただきたいと思うんですけれども、いずれにしましても、六億枚はできたんですけれども、絶対的に、さっきずっと議論があったように、足らないんですよ。
 委員もおっしゃるように、まず医療機関とか、いろんなこういう福祉施設とかということでおっしゃった。そのとおりなんですね。だから、まず重点的には、そういう医療とかそういう老健とか、そういう現場を先に回させていただいて、それプラス、実はタクシーとかですね、要するに公共交通機関からも盛んに早く回してくれという要求があります。そんなことも順々にしっかりと手当てしていきたいと思っていますけれども、本当に皆様方に、一般の方々に対して非常に少ないので申し訳ないんですけれども、一生懸命両省を挙げましてもう大車輪で作っていきますので、よろしくお願いします。

○田村智子君 終わります。


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