国会会議録

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昭恵氏事業に資金 否定できず 首相確認拒む 「桜」参加マルチ社長 田村氏追及

 

 日本共産党の田村智子副委員長は9日の参院予算委員会で、悪質マルチ商法会社「48(よつば)ホールディングス」の淡路明人社長(当時)が、「桜を見る会」に参加し、その事実を使って被害を拡大させた問題を追及しました。安倍晋三首相は、首相の妻・昭恵氏が運営会社の取締役を務める宿泊施設「UZU(ウズ)ハウス」に淡路氏が資金提供していた事実を否定できませんでしたが、昭恵氏への事実確認を最後まで拒否しました。

 同社はうその説明で仮想通貨を販売し、2017年に業務停止命令を受けました。

 田村氏は、同社の壁に飾られた安倍首相と淡路氏が写った2枚の写真を示し、「総理との写真が被害を大きく広げた」と追及。その1枚が16年の桜を見る会での写真か確認するよう4日の質問で求めていましたが、安倍首相は「個人に関する情報」などと述べ確認を拒否しました。

 田村氏は、ウズハウスに淡路氏が資金提供していたと強調。安倍首相と淡路氏が隣り合った写真を示し、資金提供者が招待されたウズハウスでの昭恵氏と花火を見る会での写真だと指摘し、「資金提供者として招待されなければ撮影できないものだ」とただしました。

 安倍首相はウズハウスで花火を見たことを渋々認めましたが、「大勢でそちらに行った」「知り合いではない」とごまかしに終始しました。

 田村氏は、昭恵氏の個人的事業への資金提供の見返りに花火を見る会や「桜を見る会」に招待し、首相との写真が被害を広げたと批判。昭恵氏の個人事業への功績と「桜を見る会」への招待がつながっていた疑惑だとして、「どうしてこういう事態が起きたのか昭恵氏に聞いて答えるべきだ」と重ねて強く迫りました。

2020年3月10日(火)しんぶん赤旗より

【2020年3月9日 参議院予算委員会議事録】

○田村智子君 それでは、残る時間、桜を見る会についてお聞きします。
 まず、写真のパネルを。これは、悪質なマルチ商法で仮想通貨クローバーコインを販売していた48ホールディングス本社で撮影された写真です。被害者の男性が二〇一六年に撮影したものを赤旗日曜版が入手をいたしました。壁に飾られた写真は二枚とも淡路社長と安倍総理が一緒に写っていて、被害者の男性はこの写真を見て、すごい期待ができると48ホールディングスを信用したというふうに話をしているんですね。これ、実は四日の予算委員会でも取り上げました。掲げられていた写真のうちの一枚、これは二〇一六年桜を見る会の写真ですよねというふうに指摘をいたしまして、この顔が分からなくなっているところの部分を外して総理にもお届けしました。
 総理、これ桜を見る会の写真だというふうに確認できたんじゃないんでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の写真につきましてでございますが、桜を見る会の個々の招待者やその推薦元については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を控えさせていただいているところでございます。
 そしてまた、桜を見る会での写真ではないかというお尋ねでありますが、これは四年ほど前のことであり、日常的に多数の写真撮影に応じている立場でございますので、どのような場面で撮影されたものかを確認することは困難であるということは、先般の予算委員会でも同じ写真を見せられておりますので、そうお答えをさせていただきました。
 そして、いずれにいたしましても、私も妻も御指摘の人物を存じ上げませんし、本年二月二十四日付けのしんぶん赤旗によれば、当該人物自身も、総理夫妻と一緒に写真を撮影したことがあるだけの関係にすぎず、会話らしい会話もしたこともなければ知り合いですらない旨回答しているものと承知をしております。

○田村智子君 二〇一六年桜を見る会の画像というのは、インターネット上にいっぱいあるんですよ。総理夫妻だけじゃない、恐らくそこに一緒に並んで写っている方はお顔の分かる方がいらっしゃるでしょう。いらっしゃるんですよ、いらっしゃるはずなんですよ。そういうのと照らし合わせれば、着ていた服とか見れば分かるはずなんですよ。何で確認しないんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、これ繰り返しになりますが、桜を見る会の個々の招待者やその推薦元については、個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含めて従来から回答を差し控えさせているところでございます。

○田村智子君 私、根拠を持って桜を見る会の写真だというふうに示しているんですよ。これは確認したくないんでしょう、認めたくないから。
 問題は、この写真、総理夫妻と一列に並んでの記念撮影だということなんですよ。桜を見る会は、開会すると総理は黒山の人だかりの中に埋もれるようになってしまうので、こんな写真は撮れないんです。そうすると、淡路社長は桜を見る会に招待されただけじゃなくて、後援会の皆さんと一緒に開門時間前に新宿御苑に到着しなければこういう写真を撮ることはできなかったはずなんです。だから、誰の推薦で、どういう理由でこのマルチ商法の淡路社長が招待されたのか、これ、名簿がなくても、ここに写っている人たちから話を聞けば分かるんですよ。だから、聞いているんですよ。
 昭恵さんや安倍事務所に確認してほしいんです。どうですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の事務所においては、後援会関係者を含め、地域で活躍されているなど、桜を見る会への参加にふさわしいと思われる方を始め幅広く声を掛けたとのことでありましたが、推薦者名簿は既に廃棄をしており、個々の推薦者については分からないということでございますし、また、私自身もそれは四年前のことでございますので、また日常的に多数の写真を撮っているところでございまして、それをどこであったかということを確認することは困難であるということは先ほど申し上げたとおりでございます。

○田村智子君 淡路社長と安倍昭恵さんとの接点はあるんですよ。
 下関市の関門海峡を望む場所に、宿泊施設UZUハウスが二〇一六年にオープンをしました。このUZUハウスのエントランスには資金提供者のネームプレートが飾ってあって、片仮名ではありますが、アワジアキヒトという名前が確認をできます。赤旗の取材にも、淡路氏の代理人弁護士は資金提供したことを認めています。
 総理、昭恵さんはUZUハウスの運営会社の取締役ですよね。確認します。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) それ、突然の御質問でございますので、私自身、確認してからお答えをさせていただきたいと思います。

○田村智子君 知らないはずないじゃありませんか。私、会社の登記簿を見ましたよ。取締役三人いるんですけど、一人は安倍昭恵さんなんですよ。そんなことまで答弁しないっておかしいですよ。
 それで、このUZUハウスの建設を計画したのは株式会社チームA、これは代表取締役が安倍昭恵さんなんです。地元説明会も、首相夫人が初の地元説明会という見出しで山口新聞が報じています。資金提供の呼びかけも、昭恵さん自身が動画で、三千万、大変厳しい金額ですけれども、どうか皆様方の御支援で達成できますよう、よろしくお願いいたしますと直接呼びかけておられるわけですね。
 この資金提供には見返りメニューがいろいろとそろっていたわけですね。その一つが、十万円の資金提供で、昭恵さんも参加するUZUハウスメンバーと海峡花火大会を屋上で観覧できます、つまり、UZUハウスの屋上で花火を見る会ができますよということなんですが、これも総理、確認しますが、この二〇一六年、UZUハウスの屋上での花火を見る会には総理も参加をされたわけですよね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) いわゆるクラウドファンディングというのは、様々なファンドに、ファンドに参加すればいろいろな対応があるということで集めるものでございまして、これ、誰でも参加をすることができると、こういうことでございますが、その花火大会には、たまたま私も花火大会に行っておりましたので、当初から予定はしていなかったのでありますが、花火大会から次の場所に行く間、その道すがらでございましたので、次の会場に移る段階において車から降りてそこに行ったということでございます。
 また、花火大会において、私と私の後援会の方々も、若い人たちも一緒でございましたので、そこに行こうという話になり、私は車で行き、そのほかの方々も大勢そちらに行ったものと私は記憶をしております。

○田村智子君 よく分からなかったんですけど、つまり、UZUハウスの屋上でその花火を見る会に参加をされたということでよろしいわけですよね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 花火を見る、花火自体は私は言わば花火大会の会場で見て、これ、花火大会、海峡花火大会というものがあって、それは海峡花火大会を主催するところで、海岸沿いに会場が、大きな会場がしつらえておられまして、そこで私は御挨拶をいたします。そして、たくさんの方々とともにそこで花火を見るわけでございます。そして、その後、別の大きな伝統的なお祭りがございますので、その会場に移る途中であるということで、そこで私は車を降りて、そこで集まっている人たちにちょっと挨拶だけをさせていただいたということでございます。

○田村智子君 いや、UZUハウスの屋上で安倍総理夫妻、ちゃんと記念撮影しているのをフェイスブックで安倍昭恵さん上げているじゃないですか。だから、UZUハウスの屋上で、行きましたよね、花火大会の日に。何でそれ認めないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、先ほど私、認めておりますよ。(発言する者あり)認めて。
 ですから、繰り返しになりますが、その日は海峡花火大会があり、先ほども、先ほどのその前にもこうお答えをさせていただいたところでございますが、海峡花火大会があり、それは下関市と北九州市の共催のものがあるわけでございまして、そこに行って花火を見、そして御挨拶をし、地域の皆様と歓談をした後、その後、別の大きな伝統的な祭りがございますので、そこに移るときに移動の途中でそちらに寄ったということは先ほども先ほどの前もそうお答えをさせていただいたところでございますが、そこに行くということはあらかじめ決めていなかったのでございますが、そこに行こうということになり、また後援会の方々も徒歩でそこに参加をしたということもあるわけでございまして、私は車で行って、そこに行ったということでございます。(発言する者あり)

○田村智子君 そうですね、今ありましたけど、実はやましいところがあるのかなと思えるわけですよ、UZUハウスで写真を撮ったことが。
 この淡路氏もそのUZUハウスの屋上でこの花火の日にいたということは、昭恵さんのフェイスブックの写真でしっかり確認ができるんですよ。やっぱり、そこで撮られた写真がこれだから、この今お示ししている写真、ゲストと、こうプレートを首から下げている。だから、長々とあたかも不特定多数の花火大会だったというようなことをごちゃ混ぜにして、あなた答弁しているんですよ、総理は。
 これ、総理の隣でしょう。だから、本当に48ホールディングスにとっては絶大な影響力があったんですよ。花火大会後の十か月間の売上げ、百九十二億を超えて、それまでの一年間の実に七・五倍になってしまったわけですよ。これも、淡路氏が資金提供者としてUZUハウスから招待されなければ撮影できない写真なんですよ。そうじゃないですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げたところでございますが、いわゆるクラウドファンディングというのは多くの方々をネット等も含めて募るものでございまして、その中で、そうした寄附を出した方々に対しましては写真を撮ったりという対応をしていたということなんだろうと思います。
 そもそも私は行く予定ではなかったのでございますが、たまたま私はそこにお伺いをさせていただいたということでございますが、政治家でございますから、これ本当にたくさんの方々と写真を撮ることが私の場合はあるわけでございます。
 そして、しんぶん赤旗によれば、当該人物自身も、総理夫妻と一緒に写真を撮影したことがあるだけの関係にすぎず、会話らしい会話をしたこともなければ知り合いですらない旨回答しているものと承知をしております。

○田村智子君 当該人物にとっては写真を撮ることが極めて重要だったんですよ。極めて重要だったんですよ。
 UZUハウスは昭恵さんの個人的な事業なんです。そこに淡路氏が資金提供をした。その見返りで招待されたこのUZUハウスの屋上で総理との記念撮影まで実現することができて、桜を見る会での記念撮影と併せて総理の写真が使われて、結果としてマルチ商法の被害を大きく広げてしまったんですよ。
 そうしたら、何でこういう事態が起きたのか、私は、総理は昭恵さんにもしっかり話を聞いて、私、質問しているんですから、それに対してちゃんと答えるべきだと思うんですけど、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど来御質問にはお答えをさせていただいているところでございますが。
 なお、悪質商法については、状況に応じて関係当局において必要な捜査や調査が行われているものと承知をしております。また、政府として、消費者庁を中心に、今後も消費者被害防止のための施策等を強化してまいる所存でございます。

○田村智子君 四日にも指摘しましたが、UZUハウスへの資金提供者のうち、赤旗編集部が確認しただけでも三十四人が桜を見る会に参加をしているんですよ。
 で、UZUハウスのこのクラウドファンディング、つまり資金提供の呼びかけの期間、これ二〇一六年一月二十一日から四月の二十日、桜を見る会は四月の九日。ちなみに、この年の桜を見る会で乾杯の発声というのは、なぜか私人であるべきの昭恵さんなんですよね。昭恵さん、乾杯の音頭も取っていらっしゃるんですよ。
 昭恵さん個人の事業への資金提供と桜を見る会への招待がつながっているのではないのかと、こういう疑惑が今浮上しているんですよ。これは、内閣府に名簿がなくても、昭恵さんやその関係者に話を聞けば、この淡路さんがなぜ桜を見る会に招待されたのか分かるはずなんですよ。聞いていただきたい。確認していただきたい。いかがですか。

○委員長(金子原二郎君) 時間来ております。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) はい。
 桜を見る会の招待者については、提出された推薦者につき最終的に内閣官房及び内閣府において取りまとめを行っているところであり、当該プロセスに私は一切関与していないことから、その御批判は当たらないと思います。

○田村智子君 終わります。


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