30日の参院予算委員会で日本共産党の田村智子、山添拓両議員は、「桜を見る会」の私物化疑惑を追及しました。決まり文句の繰り返しで逃れようとする安倍首相に対し、野党各党が協力して抗議して審議は何度も中断。与野党の攻防が続きました。追い詰められた首相は苦しい言い訳に終始しました。(松浦裕輝、安川崇)
(写真)与野党理事の協議を見つめる安倍晋三首相(中央)=30日、参院予算委
マルチ商法の「ジャパンライフ」元会長が会に招待され、招待状が「最後の荒稼ぎ」に使われ被害を拡大したとされる問題。田村議員の追及に首相は具体的な説明をしないまま、「個人にかかわることは、招待の有無も含めてお答えを差し控える」「同じ質問だから同じ答弁になる」という従来の答弁を少なくとも3~6回繰り返しました。
当初は静かだった議場も、野党席から「これじゃ進まない」「同じペーパーを読んでいるだけだ」といらだった声が上がるように。立憲民主党や国民民主党も含めて野党理事が委員長席に駆け寄り、与党側と委員長に答弁の改善を求めます。
約4分半の中断の末、自民党の理事が首相に何かを話しかけ、首相はうなずきました。
再開され答弁席に戻った首相は「一般的に『桜を見る会』が違法な活動に利用されるのは容認できない」という従来の説明の後に、「私が主催する会でこういう行為がなされたとしたら決して容認できない」と付け加えました。
田村氏は「だから調べなきゃダメなんです」とくぎを刺しました。
山添氏は、安倍事務所から推薦された招待者が事実上ノーチェックで参加していた疑惑について、人数など記録を示すよう追及しました。安倍首相は「招待しなかった人物の記録はない」と答弁しました。
山添氏が「記録がなくても記憶はあるのでは」と畳みかけると、つっかえながら「それは定かではない」「7年間のことなので難しい」と釈明します。
山添氏が重ねて「昨年度(の記憶)だけでいい。内閣府の皆さんはいつもそうやって記憶をたどって確認するじゃないか」と迫ると、安倍首相は「あの、それはですね、なかなか難しい」などと苦しい答弁。議場からは「なんでー」と大声が上がりました。
2020年1月31日(金)しんぶん赤旗より