活動報告

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保育園に打撃 副食費を実費徴収化 3~5歳1人当たり 運営費が月額600円減

保育園に打撃 副食費を実費徴収化

 

3~5歳1人当たり 運営費が月額600円減

しんぶん赤旗 2019年9月1日より

 10月から実施される3~5歳児の幼児教育・保育の無償化に伴う給食費(副食費)の実費徴収化によって、市町村が保育所などに払う3~5歳の子ども1人当たりの基本的な運営費が、実質的に月額約600円引き下げられることが明らかになりました。標準的な定員90人の保育園で年間60万円以上の減収です。保育所の運営に打撃を与え、保育の質を低下させかねません。

 内閣府が22日に自治体に送付した「10月からの特定教育・保育の費用告示案」で示しました。

 内閣府は同告示案で、保育所の3~5歳児の公定価格を5090円引き下げると通知(表)。認定こども園など新たに副食費を実費徴収する施設も同様です。引き下げは、これまで公定価格の一般生活費に含まれてきた副食費の費用を、実費徴収化に伴って削除したためです。

 一方、内閣府は、副食費の実費徴収の目安を4500円とし、副食費の免除対象者に実費相当分として支払われる副食費徴収免除加算も4500円としています。

 これまで公定価格に含めてきた副食費の費用を5090円削除するのに、副食費の実費徴収の目安は4500円にとどまるため、保育所などが副食費や教材にあてる一般生活費は実質的に600円のマイナスとなるのです。

 内閣府は、これまで公定価格のなかで副食費として積算してきた額は物価上昇を考慮すると5188円だと主張。一方、実費徴収額4500円については実態調査に基づく数字だとしています。

 一般生活費の削減で生まれた財源については、副食費免除の対象拡大、栄養管理加算、チーム保育の推進加算の拡充にあてたと説明しています。

生活に関わる減額許されぬ

 日本共産党の田村智子参院議員の話 政府は実費徴収となる副食費は4500円と一貫して説明してきました。直前になって違うことをやるのは国会をないがしろにするものです。

 子どもの処遇や職員の労働条件を直撃する基本単価の削減は許されません。内閣府は加算の拡充で減収に対応できるとしていますが、そもそも栄養士などの配置を充実させるための加算であり、子どもの生活に関わる単価減額の対策にするというのはひどい言い訳です。


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