国会会議録

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認可外施設 届け出なし ALC学院 川崎市に指導求める 参院内閣委で田村議員質問

 

 

 

 

 

(写真)質問する田村智子議員=18日、参院内閣委

 日本共産党の田村智子議員は18日の参院内閣委員会で、川崎市の幼稚園類似施設「ALC貝塚学院」が3月26日付で閉園する通知を保護者に送った問題に関し、同園は本来認可外保育施設としての実態を持ちながら同市に必要な届け出をせず、市も指導監督を適切に行っていないと指摘し、子どもの安全を守るために適切な指導や調査を行うよう求めました。

 地元企業の支援を受けて事業を継続する意向を示した同園に関し、田村氏は、全体で約300人の児童を預かり、新入園児が約100人だとする報道に言及。保育時間は月曜日の午前9時~午後5時で、認可外保育施設として市に届け出る義務があると指摘しました。

 厚生労働省の本多則惠審議官は、市に届け出がされていないと認めたものの「市が実態把握に努めている。対応は市の判断にゆだねる」と述べるにとどまりました。

 田村氏は、説明会の開催や相談窓口の設置など市が積極的な対応を行っていないと指摘。施設への立ち入りや聞き取り調査などの「児童福祉法上の監督権限が適切に行使されているとはいえない。必要な届け出をさせるよう指導すべきだ」と強調しました。

2019年4月28日(日)しんぶん赤旗より

 

【2019年4月18日 参議院内閣委員会議事録】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 十二日の本会議で、この法案には無償化を担保する条文がなく、経済的負担の軽減について適切に配慮という条文では時の内閣の政策判断、国の財政事情で無償化でなくなる可能性があるのではないかと質問をいたしました。総理は、安倍内閣としては、選挙でお約束した幼児教育、保育の無償化を実施するため、消費税率引上げの増収分を活用し、安定財源を確保することにより、恒久的な施策として実施することを担保すると答弁されました。
 わざわざ安倍内閣ではと限定をされましたように、やはり内閣の判断が変われば、法律を変えなくとも政令改正で有償化することは可能だというふうに思いますが、確認いたします。

○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 今般の幼児教育、保育の無償化は、幼稚園、認可保育所、認定こども園のほか、待機児童問題によりやむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない人がいることから、認可保育所の入所要件と同様に、こうした施設を利用する保育の必要性のある子供についても対象とすることにしてございます。
 このうち、幼稚園、認可保育所、認定こども園につきましては、子ども・子育て支援法による政令で定める額を限度として市町村が定める額を利用者に負担させることができる仕組みとなってございまして、これまでの段階的無償化においては、この政令で定める額を改正することにより実施してきたところでございます。
 今般の無償化の実施に当たってでございますけれども、今回の改正法案におきましては、基本理念に子供の保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮する旨を加えたこと、また認可外保育施設等を利用した場合の負担軽減を行うための仕組みを法律上規定し、認可施設の無償化と一体的に推進することとしていること、また実施に必要な安定財源を確保していること、こうしたことを総合的に勘案いたしますと、認可施設について無償化をやめるということは想定しておらず、また困難であると考えてございます。
○田村智子君 私たち法案の審議しているんですから、法案上は政令変えればいいだけなんだから、これ有償化できるでしょうと聞いているんですよ。そこをちゃんと答えてくださいよ。
○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
 ちょっと繰り返しになりますけれども、今回の改正法案の基本理念に、子供の保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮するという旨を加えさせていただく改正をしてございます。また、認可外保育施設等を利用した場合の負担軽減を行うための仕組みを法律上規定し、認可施設の無償化と一体的に推進することとしてございます。
 こうしたことから、認可施設について無償化をやめるということは想定しておらず、また困難であると考えてございます。

○田村智子君 想定しておらずというのは政策判断ですよ。駄目ですよ、そういうごまかしやったら。法案の審議なんだから、法案について聞いているんだから。
 これ、大臣にもお聞きします。民主党政権での高校授業料無償化は、授業料不徴収という条項が法律に盛り込まれました。だから、安倍政権が政策変更をした際には国会の審議を経なければできなかったんですよ。今回、政令なんだから、国会審議なく、できるはずですよ。義務教育無償化以来七十年ぶりの改革という幼児教育無償化は、政令で給付金の額をどう定めるかというだけなんですよ。
 しかも、じゃ、もう一つ指摘しますけれども、保育所や幼稚園に関する給付の条文、これ二十七条三項にあるんですけれども、ここには保護者の所得に応じて市町村が定める額を控除した額を給付するという条文を変えていないんですよ。それで、小規模保育等についても、地域保育給付に関する二十九条三項はやっぱり変わっていないんですよ。これ、保護者の所得に応じて市町村が定める額というのは、つまり保育料のことですよ。この保育料の分を控除した額を給付すると、こういう条文のままなんです。三歳から五歳についても例外規定を置かれていないんです。だから、法律上は応能負担の保育料を徴収するという規定を何も変更していないんですよ。
 これが七十年ぶりの改革なんでしょうか。法律上、無償化を恒久的制度とする担保はないと思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(宮腰光寛君) 安倍政権におきましては、子ども・子育て支援新制度の保育所、幼稚園等について、これまでも段階的に無償化を進めてまいりました。その上で、安倍政権としては、選挙でお約束した幼児教育、保育の無償化を実施するため、消費税率引上げの増収分を活用し、安定財源を確保することにより、恒久的な施策として実施することとしております。
 こうした選挙でお約束した政策を恒久的な安定財源を確保した上で実現するという前提の下に、今回の改正法案において、基本理念に子供の保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮する旨を加えた上で、様々な対象サービスについて無償化を実現できるよう、所要の規定の整備を行うものであります。
 今般の無償化は少子化対策や幼児教育の重要性に鑑み実施するものでありまして、こうした観点からは、政権の意向にかかわらず変わらないものであることから、恒久的な施策として実施していくことが重要であると考えております。

○田村智子君 まあ、お答えになっていないんですよね。本当に最近の国会審議で駄目ですよ、政府答弁。法案の審議なんだから、私は法案に沿って聞いているんだから。政策的判断を無視するつもりはありませんよ。法案上はその条項ないでしょうと指摘しているんですよね。ないんですよ。保育料徴収の規定もそのままなんですよ。これは事実なんです。
 総理は、今も御答弁あったように、消費税増税の増収分を安定財源として確保することが恒久的措置だと答弁をした。これ、政策判断なんですよ。本当にそこをごちゃ混ぜにするの、やめてください。
 しかし、この消費税については、社会保障の財源としてふさわしいものだとも繰り返し言われているんです。医療、介護、年金に充てるということですよね。これ、消費税の税収だけではとても必要な経費を全部賄えるものではありません。また、低所得世帯への高等教育の修学支援にも使うという説明もあり、更に言えば、今国会では、これまでは消費税は借金返済に充てられてきたという答弁さえあるわけですよ。
 消費税の税収に色は付いていません。必ず幼児教育の無償化にこれだけ充てるんだということにならない。特別会計にだってなっていないんですから。消費税増税分を充てるから恒久的というのは余りにも無理な説明ですよ。
 国の財政状況次第で無償化変更する、あるいはそうでなければ消費税増税する、こういう政策判断が求められることになるんじゃないですか。もう一度、大臣、お願いします。

○国務大臣(宮腰光寛君) 幼児教育、保育の無償化の財源負担につきましては、未来の世代に回すことなく、安定財源を確保した上で進めるため、消費税率引上げによる増収分を活用することにしております。消費税は、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく、安定しておりまして、勤労世代など特定の者への負担が集中しないことから、社会保障の財源としてふさわしいものであります。
 今般の消費税の使途の変更により、選挙でお約束した施策を実施するために必要な財源が十分確保されており、恒久的な施策として実現できるよう全力で取り組んでまいります。

○田村智子君 本当に法案の議論をやりましょうよ、本当に。政策の議論は政策の議論としてあると思うんですけどね。
 この政令改正による無償化は、認可保育所や幼稚園など、認可施設に入所した場合なんですよ。認可保育所などを希望しても入れない待機児童問題を解決しなければ、無償化の対象にはなれないわけですね。
 待機児童問題、いまだ深刻です。私も保育に関する集会やシンポジウムなどに幾度となく参加してきましたが、リーマン・ショック後から、シングルマザーが、待機児童となり、保育料の高い認可外施設に預けざるを得なくなっているという話を何度も聞いてきました。
 資料を見てください。これは、私立の保育所の保育料、国基準のですね、階層ごと、つまりは所得階層ごとに保育所への入所人数の割合を表にしたものです。
 国の基準は長く七段階とされてきて、今は高所得層を切り出すために八階層になっているんですけれども、この第一階層というのは生活保護受給世帯ですね。第二階層は保護世帯以外の住民税非課税世帯。大体、第四階層ぐらいが世帯収入、給与所得で見ると四百万から八百万円という言わば中間層と言われるようなところなんですよ。
 これ、見てみますと、例えば住民税非課税世帯、第二階層が占めている、入所のその伸びですね、伸びを見てみると、二〇〇九年から二〇一四年の伸びを見ると、約一割伸びているんです。しかし、中間層より上、第五階層、第六階層、比較的高所得のところですね、これは約三割伸びている。
 その結果、どういうことかというと、二〇〇四年から二〇一四年の比較で見てみると、住民税非課税世帯がどれぐらい入所しているか。これは二〇〇四年一七%だったものが一二%程度になっているんですね。第五階層、第六階層はいずれも伸びて二五%前後になっているというふうになっているんです。
 これ、認可保育所は、私立も公立も同一自治体では保育料は同じです。自治体が利用調整と入所決定もしているので、公立保育所に低所得世帯が集中するということはまず考えられないわけなんですよ。そうすると、高所得層の方が言わば入りやすくなっているんじゃないだろうかということが見えてくるんですね、この資料からは。
 なぜこのような差が生じてくるか。やはり両親共にフルタイムの正規雇用、つまり、一日の勤務時間が長いといわゆるポイントが高くなる。逆に、不安定雇用だったりパート労働だとポイントが低くなってしまうと。また、経済的な事情や子育ての負担から、シングルマザーが、母親が自分の親と同居をするという場合も少なくないんですけれども、これもまたポイントが低くなる。
 結果として、共働きの比較的高額所得の世帯は保育所に入りやすい、逆に非正規労働者や一人親家庭が入所しにくい、こういう実態が今生じているんじゃないのかと思いますが、大臣の見解はいかがでしょうか。

○国務大臣(宮腰光寛君) この資料は二〇〇四年、二〇〇九年、あるいは二〇一四年ということで段階的に整理がしてある資料だと思いますが、実は、社会保障・税一体改革の中で全世代型社会保障ということを打ち出して、それを当時の与党民主党さんと当時の野党であった自民党、公明党がこの合意をして、実際にそれを段階的に進めて、進み始めたのが二〇一六年度からということになっております。段階的にこの生活保護世帯……(発言する者あり)平成二十六年からね、平成二十六年から、ということは二〇一四年からこれがスタートです。二〇一四年から段階的に、生活保護世帯の方々、それから住民税非課税世帯の方々、こういうところの保育料の軽減措置を段階的に進めてまいりました。
 実は、この数字だけを拝見していても、この後のことがよく分からない。この後のどうなっているかということをやっぱり見ないと、この数字だけでは段階的な軽減措置をスタートさせるその年までしか分からないので、これについて今、この二〇一九年、段階的に進めてきた、こういう中で、これについて、過去のことについてこれ言及していても余り意味がないのではないかなというふうに私は思います。

○田村智子君 その段階的負担軽減、まあ無償化ということで低所得のところを無償化にしていって、もっと低所得の人が増えているんじゃないかという答弁だと思うんですけれども、自治体は、住民税非課税世帯の保育料って、かなり国基準よりも既に低く抑えているところは多々あるわけですよ。それを国が追っかけたというだけの話ですよ。まあ、その後の資料ももちろん出てきたら見てみたいと思うんですけれども。
 これは、様々な学者の方も、低所得世帯であっても入りにくくなっていると。保育の格差が生まれているということは、これ保育の問題を研究されている学者からも指摘がされている問題なんですよ。そこを無視してほしくないんですね。
 私も、当事者の方からお話何度も聞いているんですよ。何で収入の安定している共働きの家庭が保育料も安い認可に入れて、毎日の生活がぎりぎりの私が子供の預け先を探し回って結局は保育料の高い認証保育園なのかと。これ生まれているんです、実際に。だって、フルタイム共働きという方はポイント高くなりますもの。それで、母子世帯の人が親と同居していたら、それはポイント低くなっちゃうんですよ。そうなっちゃうんですもの。そうすると、そうやって認証保育園に入らざるを得なくなったシングルマザーの方とか低所得の方というのは少なからずいるわけです、現実に。
 東京都の認証保育園、週五日、一日八時間預けますと、三歳児でも月約六万円の保育料の負担になります。これ、確認いたしますけれども、認証保育園に預けて三歳児で月約六万円、これ、この法案が通ったとしても無償にならないでしょう、保育料は。確認します。政府参考人でいいです。

○政府参考人(小野田壮君) お答えします。
 認証保育所、位置付けとしては認可外保育所というふうに承知しておりますので、上限が三・七万円の範囲内で負担軽減ということになります。

○田村智子君 そうですよ。三・七万円ですから、これ無償にならないんですよ。 そうすると、全ての三から五歳児の幼児教育無償化というなら、やっぱり認可保育所を抜本的に増やすことは大前提なんですよ、大前提。認可外は無償化にならないんですから。
 認可保育所を増やす上でも、保育士不足の解消が必要だと。昨年のこの委員会では、私は、給与の問題について、保育士の給与は女性労働者の平均賃金にも達していないという現状を取り上げて、処遇改善を誇れるような状況ではないということを指摘いたしました。給与の更なる改善、必要です。
 ここでもう一つ指摘したいのは、現に働いている保育士さんの負担軽減を早急に図るべきで、これはすぐに国にできることがあるということです。国基準の保育士一人当たりの子供の数を減らす。これ、すぐにできることですよ。そうすれば、一人一人の保育の記録、これを付けなきゃいけない、これは確実に負担が減るわけですし、保育士さんの負担感は相当に軽減できると思います。
 子ども・子育て新制度をつくったときに、既に政府は、一歳児については子供六人について保育士一人という基準をこれを五人に一人にするんだと、四、五歳児についても三十対一から二十五対一にするんだと、この配置基準の改善を約束したんです。これは消費税増税とは別に三千億円の財源を確実に確保して行うということだったんですけれども、果たしてこの約束はどうなっているんでしょうか、大臣。

○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 〇・三兆円メニューでございますけれども、委員御指摘のとおり、一歳児の職員配置の改善、四、五歳児の職員配置の改善につきましては、消費税財源以外の財源により実施することとされている、更なる質の向上を実施するための〇・三兆円超のメニューに位置付けられているところでございます。
 この〇・三兆円超のメニューにつきましては、骨太の方針二〇一八年において、適切に財源を確保していくこととされており、各年度の予算編成過程において安定的な財源確保に全力を尽くしてまいる所存でございます。

○田村智子君 与党からも、所存では駄目だという声、上がっているじゃないですか。保育士確保に有効なことが明らかで既に約束している配置基準の見直しさえ、いつ行われるか分からないわけですよ。
 こういう問題はまた別の機会に取り上げようと思うんですけれども、このように、今回の無償化は、待機児童問題解消への抜本策を取らないままに進められようとしています。これでは無償化の対象からこぼれ落ちる人が大勢いても仕方がないという、見切り発車ですよね。しかも、雇用の格差、所得格差が保育の格差にも現れているという現状もあります。
 何で見切り発車なのかと。今年十月に消費税一〇%への増税を実施するんだと、反対世論も強い増税をのみ込ませるために子ども・子育て支援を打ち出して、それでも反対するのかと国民に迫るためだとしか言いようがないわけですよね。
 更に聞きます。
 今回の法案は、現在の認可施設や幼稚園に入っているお子さんの保育料の無償化についての条文改正なく、幼稚園、認定こども園の預かり保育、一号認定の子供に限定されますけれども、これや、新制度未移行の幼稚園、認可外保育施設の利用料の補助を行うための枠組みづくりのための条文改正ということでよろしいですね。

○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。
 今般の幼児教育、保育の無償化は、幼稚園、認可保育所、認定こども園のほか、待機児童問題によりやむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない人がいることから、認可保育所の入所要件と同様に、こうした施設を利用する保育の必要性のある子供についても対象とすることにしています。
 上記の方針を実現するため、一つは、認可施設の無償化を行うことを前提として、基本理念に子供の保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮する旨を加えること、そして、新制度に移行していない幼稚園や認可外保育施設等を利用した場合の負担軽減の仕組みを創設することを本改正法案の内容としているところでございます。

○田村智子君 そこで、その認可外の施設についてお聞きしたいんですけれども、衆議院でも問題になったのが幼稚園類似施設なんですね。
 この幼稚園類似施設といっても、大体のところは一日のうち半日は子供さんを預かっている、週五日程度預かっている、こういうところが多いと聞いています。このように常時子供を預かっている施設は、幼稚園類似施設というふうに分けられているけれども、認可外保育施設として児童福祉法の規制を受けるし、現在は子供が一人以上いれば認可外保育施設としての届出義務があると思いますが、確認いたします。

○政府参考人(本多則惠君) お答えをいたします。
 まず、前提といたしまして、保育の業務を目的とする施設であって認可保育所等の認可を受けていない施設については、児童福祉法第五十九条の二第一項の規定によって、都道府県知事、指定都市の長又は中核市の長に対して認可外保育施設としての届けを出すこととされております。
 お尋ねのその幼稚園類似施設も含めまして、幼児教育を目的とする施設は様々ございますけれども、こうした施設のうち、幼稚園など学校教育法に基づく施設以外は、乳幼児が保育されている実態がある場合は届出の対象となります。
 その乳幼児が保育されている実態があるか否かにつきましては、認可外保育施設に対する指導監督の実施についてという通知に基づきまして、都道府県知事、指定都市又は中核市の長が、当該施設のプログラムの内容、活動の頻度、サービス提供時間の長さ、対象となる乳幼児の年齢等その他の運営状況に応じて判断すべきでございますが、国から技術的助言として、幼稚園以外の幼児教育を目的とする施設については、乳幼児が少なくとも一日四時間以上、週五日、年間三十九週以上施設で親と離れることを常態としている場合は保育されているものと考えられるという旨を技術的助言としてお示ししているところでございます。

○田村智子君 今確認したとおり、幼稚園類似施設であっても、常時子供を預かっているところは認可外保育施設としての届出の義務があると。
 その場合に、新しく創設される施設等給付の対象になり得るということでよろしいですか。

○政府参考人(小野田壮君) 今般の無償化におきましては、認可保育所に入りたくても入れず、やむを得ず認可外保育施設を利用する場合、代替措置として無償化の対象とすることとしており、原則、指導監督基準を満たすことを求めますが、五年間の猶予期間を設けており、猶予期間中は認可外保育施設の届出を行えば対象になります。
 ただし、待機児童の状況等が地域によって大きく異なることを踏まえ、市町村が地域の実情に応じて柔軟な運用ができるよう、改正法案では、市町村が保育の需給状況等を勘案し、条例により対象施設の範囲を定めることを可能とする仕組みを盛り込んでいるところでございます。

○田村智子君 それで、幼稚園類似施設の場合には幼稚園の先生はいるけれども保育士がいないという場合もあって、これは現行の指導監督基準が想定していない事態でもあるんですね。また、一号相当、つまり幼稚園として利用しているんだという場合には、これは無届け幼稚園みたいな形になってしまうのでこの方は無償化の対象外にもなってしまうわけですよ。そうすると、やっぱり無償化、幼稚園の類似施設という特質を考慮した様々な検討は必要になってくると思います。
 ここで、ちょっと具体的な事例として、川崎市でALC貝塚学院という幼稚園類似施設が三月二十六日に四月以降の運営はできない旨の通知を保護者に送って大きな問題となった、この事案についてちょっと取り上げたいと思うんです。
 現在は事業を引き受ける企業が見付かって、在籍している子供さんが卒園する四年後までは少なくとも運営されるとの報道を読んでいますけれども、この施設、全体で三百人程度の児童を預かっていて、新入園児も百人程度いたというふうに報道されています。私たちも聞き取りをしたところ、保育時間は月曜日から金曜日の九時から十七時、八時から預かっていて、十八時まで開園していたというんですね。保育所に入れなかったお子さんも入園していて、運営停止というふうに突然言われて本当に困ったということも報道がされたわけです。
 このような実態に照らしますと、この施設は認可外保育施設としての規制を受けるし、実態としては届出義務がある施設だと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(本多則惠君) お答えいたします。
 御指摘の施設につきましては、報道で拝見して以降、川崎市におきまして実態の把握に努められているというふうに聞いておりますが、現時点ではこの施設から川崎市に対して認可外保育施設としての届出は出されていないと承知をしております。
 川崎市や文部科学省とも連携をして情報把握等に努めているところでございますが、先ほども答弁いたしましたように、認可外保育施設の事務につきましては都道府県、指定都市又は中核市の自治事務でございまして、その施設にどういった対応を行うか、認可外保育施設としての届出を求めるか否かについては、まずは川崎市の判断に委ねることになるところでございます。

○田村智子君 私は、川崎市の対応って大変問題だと思っているんですね。
 これ、明らかに認可外保育施設としての規制を受ける施設なんですよ、客観的には。実際に認可保育所を申し込んで入れなかった子も入っているというような事態ですからね。ところが、厚労省に確認を取ったら、届出も行っていないと、川崎市は届出を促してもいないと。
 児童福祉法上の指導監督権限が適切に行使されているとは言えないというふうに思うんですけれど、いかがでしょうか、厚労省。

○政府参考人(本多則惠君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、現在、川崎市においてその実態の把握に努めているところというふうに聞いております。
 今後も、川崎市、また文部科学省とも連携をして情報把握等に努めて、その把握した情報に従って適切な対応を取ってまいりたいと考えております。

○田村智子君 これ、ちょっと改めて確認しますけど、東京都は、幼稚園類似施設であっても常時子供を預かっている場合は規制対象である旨、ホームページで広報しています。つまり、経営している側の主観は別として、認可外保育施設として規制を受けるのではないのかというふうに私は思えるわけですね。
 当事者が、うちは認可外保育施設ではないと、こう言ってしまえば指導監督の対象にならない、こういうことでいいんでしょうか。

○政府参考人(本多則惠君) 現在、その基準を、認可外施設として届出が必要な施設のその基準をお示ししておりますので、その基準に該当する場合には届出が必要になるということでございます。

○田村智子君 ですから、この川崎市のケースは、川崎市に児童福祉法上の監督責任があると私は思うんですよ。
 市独自の就園補助を、実は川崎市は、この施設、ALC貝塚学院に子供さん通わせているその保護者に就園補助の支給もしているんですよ。ところが、学校教育法上の幼稚園に当たらない、幼児教育、保育の無償化の対象外だと、行政の監督対象でもないと。市は、在園児数など把握できていない、保護者から転園先、返金についての問合せが相次いでいても、担当者は、受入先がないか情報収集をしていくとしているなど、非常に人ごとのようなコメントをしているだけで動いていないんですよ。これでは子供の安全を守ることはできないんじゃないかというふうに思うんです。
 このように、実態として認可外保育施設なのに自治体が指導監督を適切に行っていないという事例は、私はほかにもあるんじゃないかというふうに思います。指導監督が適切に行われるよう自治体への指導や調査が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(本多則惠君) 最初の答弁の繰り返しになりますけれども、乳幼児が保育されている実態があるか否かにつきましては、当該施設のプログラムの内容、活動の頻度、サービス提供時間の長さ、対象となる乳幼児の年齢とその他の運営状況に応じて、都道府県知事、指定都市又は中核市の長が判断をされるということになっております。
 川崎市の事例につきましても、今後、川崎市、文部科学省と連携をして情報把握に努めて、適切に対応してまいりたいと考えております。

○田村智子君 これは最後に大臣にもお聞きしたいんですけど、この施設では保育所に入れなかったお子さんがやむなく入っているのに、市独自で説明会開いたり相談窓口を開設するなど積極的な対応も行っていないんですよ。預け先がなくなって仕事を辞めるかどうか途方に暮れているような親御さんへの適切な対応というのは、これは行政としてやるべきだと思います。
 認可外保育施設の最低基準は、子供の安全を守る、本当の最低の基準でもあると思うんですね。元々、諸外国では、こういう公の監督が及ばず、そもそも基準がないような施設で子供を常時預かるということ自体がおよそ考えられないんですけれども、やっぱり、認可外保育施設として扱うべき施設に届出も促していない、自分たちはあずかり知らないよと、これは駄目だと思うんですよ。やっぱりしかるべき行政が動いて指導監督を行うべきだというふうに思いますが、最後、大臣の見解をお聞きします。

○国務大臣(宮腰光寛君) 今回の無償化におきましては、認可保育所に入りたくても入れず、やむを得ず認可外保育施設を利用する場合に代替措置として無償化の対象とすることにしておりまして、原則、指導監督基準を満たすことを求めておりますが、五年間の猶予期間を設けておりまして、猶予期間中は認可外保育施設の届出をちゃんと行った上で児童福祉法に基づく都道府県等の指導監督を受けることになります。
 届出なしにといった場合においては、これはやっぱりこの対象外となるということになりますので、そこはやっぱりしっかりと無償化の制度の周知あるいは広報をしっかり丁寧に行ってまいりたいと思っておりますが、厚生労働省、地方自治体とも連携をしてしっかりやってまいりたいと考えております。

○田村智子君 済みません、ちょっと時間来ちゃったんですけど、これ、ちゃんと届出をさせるべきだと言っていただかなかったら駄目だと思うんですけど、いかがですか。最後、ごめんなさい、これだけ。

○政府参考人(本多則惠君) 先ほども申し上げましたように、届出が必要な認可外保育施設に該当するかどうかにつきましては、都道府県知事、指定都市又は中核市の長が施設のプログラムの内容等に応じて判断をすべきということになっております。
 現在、川崎市が実態の把握をしているというところと聞いておりますので、川崎市、文科省とも連携をして、その把握した情報に応じまして、必要な場合には適切に対応してまいりたいと考えております。

○田村智子君 終わります。


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