西日本を中心とした記録的な豪雨で、3連休最終日の16日も、猛暑の中での復旧作業が続きました。安否不明者は依然4県で20人おり、懸命の捜索が行われています。同日までに死亡が確認されたのは13府県210人。全国社会福祉協議会によると、3連休で被災地に集まったボランティアは延べ約4万人に。総務省消防庁によると、15日午後8時時点で、約4870人が避難所での生活を余儀なくされています。
(写真)避難所で被災者に話を聞く田村智子副委員長(中央)と、田中克彦県議(左)=16日、愛媛県宇和島市吉田町
日本共産党の田村智子副委員長(参院議員)、白川よう子四国ブロック国政対策委員長らは16日、県南部を中心に川の氾濫(はんらん)や土砂災害で死者26人、不明2人を出している愛媛県に入りました。ボランティアの協力で復旧が進みつつある市街地がある一方、土砂崩れが残された箇所や新たな土砂災害の危険がある現状などを視察し、被災者の要望を聞きました。
宇和島市吉田町では土砂崩れで11人が亡くなりました。地場産業のミカン山が深刻な被害を受けています。7日早朝に自宅裏の山が崩れた男性(80)が田村さんを案内しました。男性によると、土砂が家の中を貫通し、近所で3人が亡くなったといいます。生活を再建するにも、残った土砂を見上げ「どこに処分すればいいのか」とため息。田村さんは「国としてできることを考えていきます」と励ましました。
避難所で田村さんが「困っていることはありますか」と女性たちに声をかけると「車が水没して、必要な物が運べない」「(断水のため)洗濯できない。してもほこりだらけで干せない」などの悩みが。間仕切りは段ボールで、プライバシーが心配されます。
大洲市では鹿野川ダムの放流で肱川が氾濫。約3000世帯が床上浸水、約1600世帯が床下浸水し、4人が亡くなりました。橋脚ごとなぎ倒された鉄橋が流れの激しさを物語ります。3・6メートルまで浸水した自動車工場を片づけていた男性は政府に対し「こういうときに助けてもらわんと」と要望しました。
視察後、田村さんは「各地でまだ土砂災害が起きかねない状態です。国としてこれ以上災害が広がらないよう、対策を急ぐべきです。また被災者生活再建支援法を拡充し、床上浸水にも対応すべきだ」と指摘。その上で「ダムの氾濫は事が重大すぎる。政府にしっかり検証させ、国会でもただしていきたい」と語りました。
林紀子県委員長、田中克彦県議、坂尾真宇和島市議、梅木加津子大洲市議らが同行しました。
2018年7月17日(火)しんぶん赤旗より