安倍内閣が獣医学部新設を「1校に限る」と正式決定する2カ月以上も前に、山本幸三地方創生担当相(当時)が京都府に「1校しか認められない」と伝え、断念するよう説得していたことが14日の参院予算委員会で明らかになりました。日本共産党の田村智子副委員長(参院議員)が独自に入手した山本前担当相と京都府の面談記録から判明したもの。(論戦ハイライト)
田村氏が示したのは、2016年10月24日に京都府の山内修一副知事が山本前担当相を訪ね、京産大の獣医学部新設の陳情を行ったときの面談記録。そこには、山本前担当相が「経過もあり1校しか認められない」「難しい状況なので理解してほしい」と発言したと記されています。
田村氏は、山本前担当相が獣医学部新設を「1校に限る」と最終的に判断したのは同年12月17日で、農林水産相、文部科学相ともに合意したのが同年12月22日であることを確認。文科省と内閣府がそれを共同告示したのは翌年の17年1月4日で、正式な決定の2カ月以上前に「京都府に『1校しか認められない』と伝え、断念するよう説得していたことになる」とただしました。
これに対し、梶山弘志地方創生担当相は面談の事実を認めながら、田村氏が示した山本前担当相の発言については「承知していない」「面談内容を行政文書として作成していない」などと繰り返しました。
田村氏は「(山本前担当相は)公務として大臣室で話している。その面談記録をとっていないなどあり得ない」として記録を提出するよう要求しました。さらに、田村氏は、山本前担当相が京都副知事と面談する前の16年9月7日に、加計学園の加計孝太郎理事長と面談し、「獣医学部を提案しているのでよろしく」とのあいさつを受けていたことを指摘。「こういうのを『加計ありき』という」として、関係者の証人喚問を要求しました。
2018年5月15日(火)しんぶん赤旗
【5月14日 参議院予算委員会議事録】
○委員長(金子原二郎君) 次に、田村智子君の質疑を行います。田村智子君。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
十日の参考人質疑で柳瀬氏は、総理秘書官として官邸で加計学園と面会し、獣医学部新設についての要望もお聞きしたと、そして、その場に関係省庁から出向中の職員も同席させていた、これらのことを認めました。また、獣医学部新設の進捗状況について自分の方から内閣府に質問したことも認めて、その際に加計学園の要請を伝えた、内閣府に伝えた、このことを否定しませんでした。
総理、これらの事実は、柳瀬さんの答弁は、客観的に見て加計学園の要請について官邸が動いていると関係省庁に示したことになると思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 特区プロセスは民間有識者が主導して進められるところでございますが、さきの参考人質疑においてもワーキンググループの八田座長から、柳瀬元秘書官から何の働きかけも受けたことはないこと、また、面会の半年以上前の時点で既に民間議員ペーパーで獣医学部新設が重要と明記されており、面会が民間有識者の議論に影響を与えたことは一切ないことの発言があったと承知をしており、こうした観点から問題がないというふうに考えております。
○田村智子君 質問に答えていないですよ。柳瀬さんのこの行動は、関係省庁に対して、官邸がこの獣医学部の新設の問題で動いているよと、このことを示したことにならないかと聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも、既にこの柳瀬秘書官が、当時の秘書官が会う前に、今申し上げましたように、だから申し上げたんですが、面会の半年以上前の時点で既に民間議員ペーパーで獣医学部新設が重要と明記されており、面会が民間有識者の議論に影響を与えたことはないわけでありますが、既にその中において、そういう民間議員ペーパーが出され、これに対応する形で私が発言している中において、柳瀬秘書官がそういう方向の中で面会をしたということだと思います。
○田村智子君 その民間人ペーパーで示された重要項目というのは二十三項目もあって、だけれども、柳瀬氏が動いたのは獣医学部新設のことだけなんですよ。だって、会ったのは加計学園だけですよ、事業者の関係で、国家戦略特区の事業者の関係で。そして、内閣府に説明を求めたのも獣医学部の新設についてだけだったんですよ。だから、官邸がこのことで動いているというメッセージにこれなったとしか言いようがない。
そして、これは総理からの指示、総理への報告なしに、言わば特出しで個別の案件で動くなどということはあり得ないという指摘が、秘書官の経験者とか官邸の経験者とか、そういう方々から相次いでいるわけですよ。
総理、なぜ官邸では、じゃ、二十三項目の中の獣医学部の新設が特出しになったんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) さきの参考人質疑において柳瀬元秘書官は、結果として御指摘のとおりになっただけで、そもそも人と会うときに国家戦略特区の関係か否かでえり分けて面会したわけではなく、時間の許す限り、東京都の方、エネルギー関係の方、メーカーの方、地方のベンチャーの方など様々な方と会っていたと述べていると承知をしております。
ということでございまして、ただ、当然、行政の公正公平が保たれなければならないことは大前提ではありますが、秘書官として現場の声や生の情報に耳を傾けることが必要と考えることもあるだろうと、このように考えております。
○田村智子君 それ、お答えになっていないんですよ。そうやっていろんな民間人に会っているけれど、国家戦略特区の関係で会った民間人は加計学園だけだと認めたんですから。
何で官邸が二十三項目ある民間人ペーパーの中で獣医師、獣医学部の新設だけで動いたのかとお聞きしているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、柳瀬参考人に対して御質問しておられますから、そのときもう柳瀬秘書官が、当時の秘書官がお答えをしておられるんだろうと思います。
会ったのは私ではございませんから、私が全てそれを推測してお答えをすることは難しいのでございますが、柳瀬秘書官は、言わばアポが入ったということでありまして、他の方々からはそれはなかったんだろうと、このように思います。他方、担当している内閣府の参事官等はそれぞれの方々と会っているということではないかと、こう思うわけでございまして、柳瀬秘書官は、たまたま私のバーベキューのときに面識があった方から話があり、そういうことに、運びになったということで説明をされていると承知をしているところでございます。
ただ、大切な点は、言わばプロセスについては一点の曇りもないわけでございまして、柳瀬秘書官が働きかけを行っていないことは八田座長が明確に示しておられる、既に明らかにしているとおりであろうと思います。
○田村智子君 まあ一言で言えば、説明が付かないということですよ。説明が付かないんですよ、特出しになったことについて。
今日、獣医学部の新設が加計学園だけに認められたその過程で官邸がどれだけ登場するか、柳瀬氏の国会答弁と文科省で発見された文書に示されたものだけをまとめました。(資料提示)
二〇一五年、今治市が国家戦略特区への提案をする過程では、柳瀬氏が加計学園と面会し、内閣府に説明を求め、更に二度にわたって加計学園と官邸で面会した。そのきっかけは、一番上にある二〇一三年五月、安倍総理が招待したバーベキューやゴルフに加計理事長を始め加計学園関係者が参加をして柳瀬氏と知り合ったということだと。
そして、二〇一六年、これは獣医学部新設を決定する直前になります。九月二十六日、官邸の最高レベルが言っていることだと内閣府の藤原審議官が文科省に決断を急がせた。十月二十一日、萩生田官房副長官が、総理は平成三十年四月開学とお尻を切っていたと文科省に伝えた。十一月一日、特区諮問会議で決定する案文について、萩生田副長官の指示で、広域的に獣医学部が存在しない地域に限りと修文された。この萩生田副長官が指示した開学時期や地域限定の条件によって、規制緩和の穴は加計学園だけが通れる穴というふうになりました。
公的に示されたものだけでも、重要な局面でこれだけ官邸の関わりが指摘をされています。それでも総理は、この過程で一度も報告を受けていない、御自身は関与していないとおっしゃるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 柳瀬秘書官も述べていたと思いますが、柳瀬秘書官もそうでありますが、前川前次官も含めて、私から指示をされたり依頼されたという人は一人もいないわけでございます。これは明らかになっているところでございます。
それと、この二〇一三年のバーベキューのときには、言わばたくさんの人々がこれ集まる場でありまして、秘書官の家族たちも、奥さんやお子さんたちも来ていて、懇親の場でございまして、私も一々紹介等はしないのでございますけれども、そういう懇親の場でたまたま面識を得たということではないかと、こう思うところでございます。
そこで、柳瀬秘書官が、では、なぜ私にこの報告をしなかったかということでございますが、秘書官においては様々なこれ仕事の仕方があるんだろうと、こう思うのでございますが、基本的には、私の仕事自体も多岐にわたるわけでありますから、分刻みのスケジュールをこなしていく中で秘書官が私に報告をするのは、私の決断、判断が必要になったときでありまして、途中経過について一々私に説明するということは、六人秘書官がおりますが、それは全くないと言ってもいいんだろうと。国家の一大事あるいは危機管理が必要なときには途中経過等も説明するのでございますが、私の場合はそういう形で仕事を進めていただいているということでございます。
○田村智子君 もう省庁や愛媛県から総理の名前、官邸の関係者のことがどんどん出てくる。全然、私、それに対する説明になっていないというふうに思いますよ。
総理は今日の答弁でも、国家戦略特区はオープンな形で議論を行う透明性の高い仕組みだと、獣医学部新設の決定の過程には一点の曇りもないというふうに力説をされます。しかし、今治市の提案ヒアリングを行った二〇一五年六月五日のワーキンググループには、加計学園関係者が出席し、発言もしていたのに、その存在自体が完全に消されています。それでも透明性が高いというふうにおっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(梶山弘志君) 今御指摘のワーキンググループの提案ヒアリングは、提案者から責任のある説明を求める場であるため、提案者以外の者は正式な出席者とはなっておりません。提案者でない加計学園関係者は、提案者である今治市の独自の判断で同席させた説明補助者にすぎず、会議の一般則に従い、正式な出席者とはしておりません。
また、ヒアリングが非公開だったこともあり、提案者による公式な発言と説明補助者による非公式な発言とが混在したと考えられるわけでありますが、獣医学部の新設については、諮問会議、区域会議、今治市分科会、ワーキンググループにおいて、民間有識者の主導の下、オープンな議論を積み重ねており、ルールにのっとって資料も詳細な議事要旨も全て公開をしているところであります。
○田村智子君 今の答弁、確認したいんですけれども、まず、加計学園は今治市の判断で同席した説明補助者だと、正式なメンバーではない、だから載せない。じゃ、何でその正式メンバーでない加計学園がこの日のワーキンググループで発言できたんですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたように、非公開であったことから、その公式な発言と説明補助者による非公式な発言とが混在したと考えられているという説明をさせていただきました。
○田村智子君 そうすると、じゃ、何で今治市の提案ヒアリングは非公開ということになったんですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 様々な事情で提案者からの要望があれば非公開にすることもあるということであります。ただ、いずれ、いずれこれは公開をするということであります。
○田村智子君 これ、八田座長が説明しているのは、競合した場合に、提案が競合した場合に内容知られると不利になったり、地元で反対の運動や声もあると、だから非公開にしてほしいと今治市がお願いして、で、非公開になった、八田さん、そう説明されていますね。
ということは、提案者が非公開にしてほしいと求めれば、提案者が連れてきた利害関係者は発言できると、その上、議事要旨や議事録が公開されても、今度は説明補助員だという理由で誰が出席したか、どんな発言したかは削除できるということですよ。これ、とんでもないルールじゃないですか。何でもありのルールになっちゃいますよ。
じゃ、加計学園の誰が出席し、どういう発言をしたのかはどこに今記録されていて、私たち国会議員はこの事実をどうしたら検証できるんですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど来申し上げていますように、非公式の出席者ということでありますので、説明補助者としての出席者ということでありますので、これは発言も本来は認められませんし、先ほど申しましたように、非公開の中で混在をしたという話をさせていただきましたけれども、その氏名につきましても、提案者の希望により、それらを掲載することができるという形にしております。
○田村智子君 答えになっていないんですよ。だって、その方針決定過程でどんな議論が行われたのかは、安倍総理は、全て公開されていると答弁されているんですよ。で、公開されたものの中になければ、私たちはそれを知らなきゃいけない、国政調査権があるわけですから。一体、方針決定の過程でワーキンググループで何が議論されたのか、特に加計学園の誰が出席をして何を発言したのか、これは検証しなければならないと私思うんですよ。
どこにその記録が残っていて、どうしたら私たちはその検証ができるんですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど来申し上げていますように、加計学園関係者は説明補助者ということでありますので、この議事録については記録がございません。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(梶山弘志君) 説明補助者の発言につきましては、このテーマに限らずに、全てのワーキンググループにおいて発言は載せないということになっております。
○田村智子君 じゃ、載せないものはもう検証のしようがないということでいいんですか。検証のしようがないということなんですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 正式な議事要旨、まあ正式なというか、議事要旨、議事録には掲載をされていないということであります。
○田村智子君 私たちは、いわゆる公開されているもの以外でも、例えば情報開示請求などをして役所に残っているものを見るという機会ありますよ。それが国政調査権じゃないですか。そういうふうに私たちがやろうとしたら、その記録はあるのかと聞いているんですよ。
○国務大臣(梶山弘志君) これには、これはルールにのっとって、ないということであります。
○田村智子君 それ、どういうルールですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 改めて昨年の十二月に明確にいたしましたけれども、これまでも運営細則でそういう形にしておりましたけれども、その発言は、座長は、提案者の希望に従い、会議の場合などに特段の事情がない限り提案者以外の者の臨席を、陪席を認めることができる、ただし、その発言は認めないこととするということがルールに書いてあります。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(梶山弘志君) 規則にのっとって、その資料はないということであります。
○田村智子君 だって、録音するでしょう、議事録作るとき。録音したものを外の業者で文字起こしやってもらっていると説明受けているんですよ。そういう録音や文字起こし、これ開示すれば分かるじゃないですか。
○国務大臣(梶山弘志君) これまでもお答えしておりますけれども、議事要領、議事録が全てであります。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
田村智子君。
○田村智子君 いやいや、もう一回答弁お願いしますよ。
○委員長(金子原二郎君) もう一回質問してください。
○田村智子君 その録音したものとか文字起こしした速記録のようなものとか、こういうものがあれば私たちは検証できるでしょうと聞いているんですよ。
○国務大臣(梶山弘志君) 文字起こしをして議事録、議事要旨を作った時点でそれらは廃棄をされております。そして、これが全てであります。
この件に限らず、全てのワーキンググループの案件について同じであります。
○田村智子君 総理、あなたはルールにのっとって全て公開するって答弁繰り返していますけど、そのルールは都合の悪いことは幾らでも隠せるし消せる、後で検証もできないと。暗闇のルールじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、今、梶山大臣がお答えさせていただいたように、まさに私が言ったとおりのことをやっているわけであります。
それはつまり、ルールにのっとってということですね。これ、お分かりですよね、ルール、ルールですから。ルールというのは、まさに八田座長がこのワーキンググループを始めるに当たってルールを作って、言わば補助者の発言ということについては議事録を作らないということは、これ加計学園だけがないわけではなくて、このワーキンググループでの全ての補助者の発言は議事録には残っていないということであろうと、こう思う次第でございます。
でありますから、これを、これがルールでありまして、この加計学園のことだけに特別に扱いをしているわけではなくて、様々な、先ほど二十幾つあるとおっしゃいましたよね、たくさんの、たくさんのこれは国家戦略特区の案件がございます。それらについて、全てそれはそういう対応をしてきていたということでございます。
今後は、そういう御指摘もあったので、補助者については発言させないということにしたということを今大臣から答弁があったと思います。
○田村智子君 もう全て公開するとか、透明性の高い仕組みなんて言うの、やめた方がいいですよ。真っ暗闇ですよ。
次に行きます。
獣医学部の新設を一校に限ると決めた過程も全く不透明です。改めてお聞きします。一校に限ると、いつ、どういう経緯で決めましたか。
○国務大臣(梶山弘志君) お尋ねの経緯でありますが、平成二十八年十一月九日の諮問会議において特例措置を決定した後に、文科省と協議の上、十一月十八日からパブコメを開始をいたしました。そのパブコメの結果、約八割の方から慎重な意見がございました。そして、同年十二月に一校とするよう日本獣医師会から要請があったことを踏まえ、山本前大臣から農水大臣及び文科大臣に一校に限る旨を告示に明記することについて御相談差し上げました。各省の事務方から各大臣に報告、相談をいただき、二十二日に了解を取り付けたところであります。また、この方針につきましては、特区ワーキングの委員とも相談をし、最終的には一月四日の共同告示に反映をさせている次第であります。
先日行われました参考人質疑においても、八田座長より、二十六年九月に諮問会議の民間議員ペーパーでこの獣医学部の新設が重要であるということを書きました、そして、その後ずっと、この会談が行われたわけでありますが、この会談というのは四月ですね、この会談が私ども医学部新設に影響を与えたことは一切ございませんと答弁をされているところであります。
○田村智子君 では、その一校に限るということを二十九年一月四日、共同告示で示したと、それ以前に、今治市と加計学園の強力なライバルとなった京都府に対して一校しか認められないからと断念するように話した、こういうことはあり得ないということでよろしいですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 事前にそれはないということであります。
○田村智子君 二〇一六年、平成二十八年十月二十四日、京都府の山内副知事が山本幸三大臣を訪ねて、獣医学部新設の陳情を行っています。このときの面会の記録は内閣府にありますか。
○国務大臣(梶山弘志君) 平成二十八年の十月二十四日に京都府の副知事がお越しになりました。持参された要望書に基づいて、京都産業大学の獣医学部の設置に向けた要請をされたと承知をしております。山本前大臣は、その要望を聞くとともに、事務方に対し、改めて京都府からの提案内容を精査するように伝えたとのことであります。担当の地方創生推進事務局において、このときの要望を含めて京都府の提案内容を精査し、必要な検討を行ったものと承知をしているところであります。
○田村智子君 そうすると、その記録は残っているということですね。
○国務大臣(梶山弘志君) この要望書の写しがございますので、それらをもって記録としております。
○田村智子君 済みません、もう一度。
要望書は残っている、そして記録も面談のやり取りも残っているということでよろしいですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 要望書の写しをもってこの記録としております。面会の記録としております。
○田村智子君 この二〇一六年十月二十四日の面談についての文書を私たち入手いたしました。そこには山本大臣の発言としてこう記されています。経過もあり、一校しか認められない、難しい状況なので理解してほしい。
先ほどの答弁では、一校に限りと決めたのは二〇一六年十二月だと、そのことを示したのは翌年の一月だと言われました。この告示の二か月以上前に、京都府に対して一校しか認められないと伝えて断念するように説得していたことになるわけです。経過もあり、一校しか認められない、難しい状況なので理解してほしいと。一校、つまり加計学園ありきで、山本大臣が当時、強力なライバルとして登場した京都府を退けようとしたのではありませんか。
○国務大臣(梶山弘志君) そのやり取りについては承知しておりません。
○田村智子君 大体、これ面談というのは、これは西田昌司さんのブログに載っているんですよ、自民党の西田昌司さんのブログに。写真見ると、大臣室で座ってお話をしておられるんですね。そうすると、陳情書しかないということはあり得ないと思うんですよ。写真があるんですから、どなたか写真撮った方もいらっしゃるでしょうしね。大臣室でお会いしていて、その記録がないってことはあり得ないと思うんですよ。
これ、やり取りを出してほしいと思うんです。一校に限りと京都府に伝えていないのかどうか確認すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申し上げましたように、京都府側のお話の内容は当日いただいた要望書の内容とほぼ同一であったため、これらを保存することで先方の要望は記録をされているということであります。このため、その面談内容を行政文書としては作成しておりません。
○田村智子君 写真見ると、大臣が一生懸命、こうちゃんと座って、ただ陳情書受け取って、ああ、そうですかじゃないですよ、ちゃんと座ってお話ししているその写真になっていますよ。大臣がお話ししたことをメモ取らないって、内閣府、どんな仕事しているんですか。陳情を記録するのは当たり前じゃないですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 一般論でありますけれども、要望書をいただいて、それで陳情を受けるということにしております。時候の挨拶も含め、そういうやり取りであって、写真からで細かいところまで類推することはできないと思っております。
○田村智子君 地方公共団体を代表する立場で副知事が大臣に個別の案件で陳情をして、で、山本大臣は公務として大臣室でお話をされているんですよ。その面談の記録を内閣府が取っていないなんてことあり得ないから。この間も、内閣府は文書がないと言って調べたりいろいろすると何か出てきたりはしているわけですから。これ、もう一度当時の大臣秘書官のその個人的なフォルダも含めてお調べになってみたらいかがですか。調べてくださいよ、是非。
○国務大臣(梶山弘志君) 当時の地方創生推進事務局の特区担当の職員複数名に確認をした上で、今日お答えをしております。
○田村智子君 だから、調べてくださいと言っているんですよ。調べてくださいよ、ちゃんと文書があるのかどうか。内閣府というのは私たちが委員会で要求しても調べないんですよ。それで、大臣の指示でなきゃ調べないんですよ。指示してくださいよ。
○国務大臣(梶山弘志君) 今申し上げたとおりでありますけれども、委員長を通じてまた御指示をいただければと存じます。
○田村智子君 それでは、委員長、記録の提出を求めます。
○委員長(金子原二郎君) 理事会で協議をさせていただきます。
○田村智子君 山本幸三大臣もまた、加計孝太郎理事長と直接面談をしたお一人です。二〇一六年八月に国家戦略の担当大臣に就任をして、翌九月七日に加計理事長と面談。このとき、加計理事長から、獣医学部を提案しているのでよろしくと挨拶を受けて、公募ですからねと応じた。面談の前日には、加計理事長が安倍総理の友人であるという説明も受けていた。全部国会で答弁しています。そして、十月、京都府知事に、一校しか認められない、難しい状況だと伝える。こういうのを加計ありきと言うんじゃないでしょうか。
委員長、関係者の証人喚問はどうしても必要です。柳瀬唯夫氏、藤原豊氏、加計孝太郎氏に加えて山本幸三議員の証人喚問、また、柳瀬氏の答弁に反論している中村愛媛県知事の参考人招致を要求いたします。
○委員長(金子原二郎君) 理事会で協議をさせていただきます。
○田村智子君 質問を終わります。