下村博文文科相は10日、参院文教科学委員会の教育委員会改悪法案に関する質疑で、首長が策定するとされている教育施策の方針「大綱」に記載する内容について、教科書採択など教育委員会の専権事項は、教育委員会の同意がなくても「首長が勝手に書き込むことは可能だ」と述べました。日本共産党の田村智子議員の質問に答えました。
政府はこれまで、教育委員会の専権事項について「教育委員会が適切と判断した場合においては、記載することも可能」(安倍首相、5月23日)と、教育委員会の同意を条件とする答弁をしてきました。
田村氏は「特定の教科書を採択することも、人事に関する事項も、首長の権限に属さないことまで自分だけの判断で書きこめることになる」と批判しました。
下村氏は「できるだけ協議調整をしていただきたい」と苦しい答弁に終始しました。
田村氏は「本会議の総理答弁と百八十度違う答弁だ。こんな詭弁(きべん)がまかり通ったら法案の審議などできない」と批判。安倍首相出席のもとで委員会を開催するよう求めました。
田村氏は、自民、公明の与党合意文書でも、教育委員会の専権事項は教育委員会との協議対象外であるとしていることを示し、「与党合意とも違う」と強調。「教育の政治的中立性に直接関わる法案の核心部分を国会にも国民にもごまかし、隠すようにして議論を進めてきたことは極めて重大な問題だ」と指摘しました。
委員会後の理事会では、12日に安倍首相出席のもとで質疑を行うことが決まりました.