国会会議録

国会会議録
加計側の発言開示要求 田村氏 「予定事業者として聴取か」


(写真)質問する田村智子副委員長=5日、参院内閣委

 日本共産党の田村智子議員は5日の参院内閣委員会で、国家戦略特区での獣医学部新設をめぐって、内閣府が加計学園から直接話を聞きながら通常国会ではその事実を隠してきたことを指摘し、学園側の発言内容を明らかにするよう求めました。

 田村氏は、2015年6月5日の国家戦略特区のワーキンググループ(WG)の会合で加計学園から3人が出席し、発言していたことを指摘。加計学園を“予定事業者”として、教員確保などについてヒアリングしたのではないか、とただしました。

 内閣府の村上敬亮審議官は、WGでの加計学園側の発言の詳細については「記録がない」としながら、「加計学園から直接そういった(教員確保などの)話を聞いていない」などと主張しました。

 田村氏は、特区を担当していた藤原豊・前内閣府審議官が同年8月6日、今治市の紹介で加計学園の岡山理科大を訪問したことを内閣府も認めたとして、「加計学園から直接説明を聞いたということか」と追及。村上審議官は「訪問は事実。構造改革特区での(獣医学部)提案の話は聞いた」と認めながら、「事業者の提案といった話は一切聞いていない」と強弁しました。

 田村氏は「答弁になっていない」と批判。6月5日のWGと合わせ、8月6日の岡山理科大訪問の際、加計学園側がどのような発言をしたか記録を提出するよう要求しました。

2017年12月6日(水)しんぶん赤旗より

 

【12月5日 内閣委員会議事録】

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 約半年、待ちに待った委員会質疑となりました。加計学園獣医学部新設の問題について質問いたします。
 二〇一五年六月五日、今治市のヒアリングを行った国家戦略特区ワーキンググループに加計学園から三人が出席し、発言もしていた。しかし、公表された議事要旨には参加していたことも含めて記載がないと。この問題、この国会でも審議されておりまして、梶山大臣は、ワーキンググループの提案ヒアリングは提案者から説明を求める場であって、提案者以外は正式な出席者ではない、加計学園関係者は今治市の判断で同席させた説明補助者で、公式な発言ではないので議事要旨掲載の対象とはならないと、こう答弁されています。
 ルールに従った運用であって、やましいところはないということでよろしいですか。

○国務大臣(梶山弘志君) 特区ワーキンググループの議事録、議事要旨は、会議の一般則に従って、八田座長など民間有識者の皆さんがお決めになった運営要領など公開ルールどおりに取り扱われていると承知をしております。
 平成二十七年六月五日の議事録、議事要旨も全く同じであり、何ら変わることはありません。

○田村智子君 それでは、なぜ通常国会でそういう御答弁をされなかったんでしょうか。
 通常国会、六月十三日の私の質問議事録の抜粋、資料配付をいたしました。これ、どういう質問かといいますと、獣医学部新設するための事業者公募は、今年一月、今治市特区でしか行われなかった。その理由を山本幸三大臣は、今治市の提案の方が京都府と京都産業大学の共同提案よりも熟度が高いからだと説明し、その根拠の第一に教員確保を挙げた。しかし、今治市の提案は予定事業者の説明もなく、事業者でなければ教員確保はできないわけで、これ説明が成り立たないわけです。なぜ教員確保で熟度が高いと判断できたのか、加計学園から説明を受けていたのではないのかと、こういうふうに私は質問を繰り返しましたが、山本大臣は、今治市が確保しているという、あり得ない意味不明の答弁しかされませんでした。
 ワーキンググループに加計学園が説明補助員として出席し、説明補助を行いましたと、それを聞きましたと、やましいことがないのならそう答弁されればよかったと思いますが、なぜそういう答弁にならなかったんですか。

○国務大臣(梶山弘志君) 専任教員の確保見通しにつきましては、二十七年六月四日に今治市等の提案資料において七十二名程度を確保と明記されておりまして、これは想定される事業者候補などの意向を踏まえて提案者である今治市が責任を持って作成をしたものと承知をしたものであります。したがって、当日のワーキンググループや八月六日の出張時など、当時は専任教員の件を含めてその今治市等の提案資料に掲載、記載された文言以上の具体的な説明をいただくことはなかったと承知をしております。

○田村智子君 詭弁ですよね、というか答弁になっていないですよね。
 内閣府に、熟度が高いと判断した基になった資料は何ですかと、私はこの質問の後にも説明を求めて、国家戦略特区への提案としては、六月五日のワーキンググループの資料だというふうに特定をされました。まさに、加計学園が出席していたワーキンググループなわけですね。
 会議録のこれ二ページ目、傍線部をちょっと見ていただきたいんですね。私の質問、「事業者でなければ、こんなことはできないんですよ。」、教員確保のことです。「加計学園から聞いたなら聞いたと言えばいいじゃないですか。それ以外に答弁あり得ないんですよ。どうなんですか。」と。また、こうも聞いています。「今治市が確保していると説明されたんだとしたら、一体どこで説明したんですか。私が見ているヒアリングでは、ないですよ、確保しているという説明は。」と。
 この私の質問に、大臣の答弁、「確保しているというのは、先ほど申し上げたように、ワーキンググループに対する資料できちっと出ております。それから、ワーキンググループ等の議論等については、それはそれぞれの専門家は聞いているわけでありまして、そこのところは議事要旨等で明らかになっていると思います。」と。
 答弁受けて、私、更問いしています。「今治市が私立大学の教員を確保しているんですか、それじゃ。そういう説明があったということですか。 担当者、どうなの、そういう説明があったの。今治市がこれこれこういう人を確保していますと、そういう説明があったんですか。藤原審議官、どうなんですか。」。藤原審議官の答弁、「今治市を一義的に私どもヒアリング対象にしておりまして、今治市が事業者候補の方々と様々な御議論をされて、今治市の責任でお答えを、あるいは資料を作られたというふうに考えております。」と。
 この藤原審議官は、まさに六月五日のワーキンググループに出席し、加計学園の補助説明を聞いておりました。私が繰り返し、予定事業者から説明があったのではないのか、加計学園から聞いたなら聞いたと言えばよいと、ここまで質問しているのに、やましいことがないのならば、説明補助員として出席していた加計学園から説明を聞きましたと、なぜ通常国会でそう答弁をしなかったのか。

○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 専任教員の確保については、先ほど大臣からも答弁がありましたとおり、今治市の提案書に七十二名の教員確保を言明しているという状況でございます。これは、行政として具体的人数にコミットした以上、実現すべき重い政治的責任が発生しているものでありまして、おっしゃられるとおり、市が教員を直接採用するわけではないにしても、想定する事業者の相当の確保努力が推察されるなど、信頼に足る実現可能性があるものと当時判断をしてございます。
 また、今治市の方におかれても、この提案書の作成に当たって様々な方と議論をされるということは通常行われていることでございまして、まさに最終的には制度上、公募によって事業者が決することが明らかな制度である以上、私どもとしても先に加計学園に確認をするということはなく、あくまでも今治市が御提案された資料と数字の中でその信憑性と具体性を議論すると、こういうことで判断をしてきていると承知してございます。

○田村智子君 あのね、今の国会では皆さん補助員で出席していると答弁しているじゃないですか。何で通常国会ではそのことが答弁されないのかと聞いているんですよ。事業者から聞いたんじゃないのかと私は聞いているんですよ、予定事業者から。聞いていたんでしょう。聞いていてやましいところがないんでしょう。そのことを説明するのは当然のことじゃないですか。

○政府参考人(村上敬亮君) 教員の確保の数字について説明をいただいたのは、提案者の今治市でございます。今治市が責任を持って出している数字を我々は信用して議論をしてございまして、それ以上でもそれ以下でもないと同時に、それ以外の説明を説明補助者から聞いてもございません。
 そういう意味でも、加計学園から直接そういった話を聞いていない以上、国会の中でもお答えをする必要がなかったという判断で言及をしていなかったものと承知をしてございます。

○田村智子君 じゃ、六月五日の日にワーキンググループで加計学園来て説明したということを皆さん認めているんですから、何の説明したんですか。

○政府参考人(村上敬亮君) 教員の確保の人数につきましては、繰り返しでございますが、今治市が資料とその資料の説明を通じて説明をしているものでございまして、あくまでも説明補助者として専門的な内容の補足等を行ったものと推察をされますが、その詳細につきましてはもう記録がございませんので、ここで詳細をお答えすることは難しいという状況でございます。

○田村智子君 それ分からないんだったら、教員確保について説明していないなんてこと言えないじゃないですか。教員確保について説明していないんですか。

○政府参考人(村上敬亮君) 繰り返しで恐縮でございますが、教員確保の数字につきましては、資料も含め、今治市から提案者としての御説明を伺っているという状況でございます。

○田村智子君 もう論理破綻なんですよ。今治市は確保できないんですよ。だから、事業者から聞いたんでしょうと聞いているのに答えない。
 でも、これだけじゃないですよ。ワーキンググループで加計学園から説明聞いただけじゃありませんよね。十一月二十七日、衆議院予算委員会、自民党の菅原議員の質問に対して、内閣府は、二〇一五年八月六日、問題のワーキンググループの二か月後、今治市からの紹介で岡山理科大の現地に訪問したと答弁をしています。
 これは、資料を求めましたら、藤原審議官が訪問しているんですよね。今治市の獣医学部新設の提案について加計学園から直接説明聞いたということじゃないんですか。

○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 先般お答え申し上げたとおり、二十七年八月六日、岡山理科大に訪問しているのは事実でございますが、これはその年の六月末に閣議決定をいたしました成長戦略のフォローアップを行うため、これも国会で御説明していますが、今治市に御訪問した際、午前中の半日の時間が前用務地からの都合上も無理なく行けるということで、今治市の紹介を受けて訪問したものでございます。
 御存じのとおり、そもそも同大学は、平成十九年から二十一年までの間、今治市等が構造改革特区に対して行っていた提案に想定事業者として記載があった事業者でございます。当時、構造改革特区も担当する立場の職員がそうした過去の提案に対する経緯などを伺うとともに、成長戦略の御紹介を行い、あわせて教育現場の視察をこの行程の中で行ったということでございますが、当時は、関心のある自治体や事業者に対し、自治体ばかりでなく事業者も含めて特区制度の紹介等、積極的に行うべきとの石破大臣の方針を受け、ほかの地域等にも多く内閣府職員が同様の出張を行っているところでございまして、例えば獣医学部の新設につきましても、この時期ということで申し上げれば新潟市からも提案があったわけでございますが、二十六年七月の区域会議の際に、実際に御提案のあった事業者とも直接新潟で現地で意見交換を行うと、こういったようなことは通常行われていたと。それに倣うものであるというふうに承知をしてございます。

○田村智子君 確認しますが、獣医学部の新設について岡山理科大から、つまり加計学園から直接説明を聞いたということでよろしいんですね。

○委員長(榛葉賀津也君) 簡潔にお願いします。

○政府参考人(村上敬亮君) はい、簡潔にお答え申し上げます。
 当日訪問したときの話した内容を確認をいたしましたところ、教育現場のキャンパスの中を視察すると同時に、過去の提案についての中身と経緯を伺ったということでございますが、特区指定を受ける前の段階のさらにそのまた事業者の提案といったような話については一切伺っていないというふうに承知をしてございます。

○田村智子君 それで六月五日に補助説明員で出てくるなんて矛盾していますよ。今治市の提案の補助説明員で加計学園岡山理科大が来ているわけでしょう。それでその岡山理科大に行ったというわけでしょう、藤原審議官が。だったら、この国家戦略特区の獣医学部の新設の提案について直接岡山理科大に行って話を聞いた、簡潔に言えばそういうことじゃないんですか。

○政府参考人(村上敬亮君) 改めてお答え申し上げますが、教員確保の説明につきましては、六月五日のワーキングのときに今治市の方から伺ってございます。あくまでも、今治市の紹介を受けて、過去に提案のあった事業者でございます、日程上も無理がなかったので、教育現場の視察ということも兼ねて往訪したということで、提案についての中身については話し合っていないというふうに承知をしてございます。

○田村智子君 じゃ、何で加計学園が補助員として、説明補助員としてワーキンググループに来るんですか。今治市の提案の説明を補助するために来ているんでしょう。事業者じゃなきゃ答えられないことを答えるために来ているんじゃないんですか。

○政府参考人(村上敬亮君) 加計学園を説明補助者としてお呼びするかどうかは今治市がお決めになることでございます。今治市がその中で説明を求めるものということが現場もあったかとは思いますが、教員の説明、人員確保につきましては今治市の方から御説明を聞き、資料も今治市のクレジットでいただいているというふうに承知をしております。

○田村智子君 これ、大臣にもお聞きしたいんです。
 繰り返しになりますが、私、六月十三日の質問の中で、加計学園から直接話を聞いたんだったら、ちゃんとそれを言えばいいじゃないですかと言ったんですよ、やましいところがないんだったら。この国会で、加計学園が認可受けちゃった後だったら、ワーキンググループに補助員として来ておりましたと答弁される。
 おかしいですよね。まさに問題になっているときに今治市の補助説明者として来ておりましたと、こういう答弁があって私しかるべきだったというふうに思いますが、大臣、そう思われませんか。

○国務大臣(梶山弘志君) 内閣府として、今治市が市の御判断で様々な事業者候補の方々と様々な御議論をされた上で、市として責任のある提案をされたものと認識をしております。

○田村智子君 もう答弁になってないです。
 これは、私、是非、岡山理科大学訪問の記録、実際に何の説明聞いたのか、じゃ、教員のことについて何も聞いてないのか。ワーキンググループでの加計学園の発言の記録、ないなんというのは駄目ですよ。藤原審議官に記憶全部起こしてもらって、これ詳細なメモにしてくださいよ。この提出を求めたいと思います。
 また、藤原豊氏が直接岡山理科大にも行っているわけですから、本委員会への参考人出席を求めます。

○委員長(榛葉賀津也君) ただいまの件につきましては、後刻理事会にて協議いたします。

○田村智子君 これ、表の舞台では私はもう加計隠しが行われたと、こう言わざるを得ないと思います。
 その一方で、加計学園は裏で動き回りました。二〇一五年四月二日は、なぜか首相官邸を今治市と一緒に訪問している。二〇一六年八月下旬には、内閣府参与であった加計学園の理事木曽功氏が当時文科省事務次官であった前川氏を呼んで、国家戦略特区の獣医学部の新設について早くしてほしいと要請する。そして、加計孝太郎理事長自ら、八月二十三日農水大臣、九月六日文科大臣、七日国家戦略特区担当大臣に次々と面会をした。
 私たち国会議員だって、大臣への個別の面会非常に難しい、会っていただけない。なぜ一学校法人の理事長が、これ私、この日の質問の後ろの方で、山本大臣は、じゃ、加計理事長とお友達ですかと聞いたら、そうじゃないと言うんですね。知り合いでも何でもないんですよ。知り合いでも何でもない方が何でそんな簡単に会えるのかと。
 当時、山本幸三大臣に誰の紹介で面会できたのか、面会希望の趣旨は何だったのか、お答えください。

○政府参考人(村上敬亮君) 九月七日の面会につきましては、既に山本前大臣も御答弁されておりますが、我々内閣府の事務方を通じて面会の要請があり、これが国家戦略特区に関係するものであることから事務的に面会をセットしたものだというふうに承知をしてございます。
 中身につきましてのお尋ねもございましたが、構造改革特区時代に今治市等の提案書に想定事業者として名前も記載されていたこともあり、特段、特に特化したことを言われていて会ったわけではございませんが、今治市は事業実施候補の一つとして加計学園を想定しているだろうということは我々も推測できる立場におりましたので、他の事業者から同じようなオファーがあっても同様でございますが、国家戦略特区にある関心の事業者の一つとして意見の交換の機会を設けたということで承知をしてございます。
 実際、想定どおり、意見交換の際には先方から獣医学部について提案をしたいとの希望が伝えられたわけでございますが、これに対して大臣からはっきりと、公募によって制度上決するものであり、ルールに従って公平公正にやる旨、先方には念には念を押し強調して伝えたということで承知をしてございます。

○田村智子君 で、私の前の質問で山本大臣は、このときには、安倍総理の友人であるということをちゃんと事務方からレクを受けているんですよね。それで、加計孝太郎さんは何と言ったんですかと。獣医学部を申請しているのでよろしくねと言われたということも私の質問の中で、通常国会の中で認めております。
 非常に不自然ですよね。表で出てこないから、誰が事業者か分からないから、今治市の提案というのは本当に四条件をクリアしているのかどうか、これ詳細な検討なんかできっこなかったんですよ。で、表で登場しない加計学園は、政治家への働きかけは積極的に行っていったと。
 なぜ首相官邸を訪問できたのか、なぜ大臣に次々会えたのか、これはもう加計孝太郎氏に聞く以外にないと思います、内閣府は資料がないと言っているから。加計孝太郎氏の証人喚問も要求いたします。

○委員長(榛葉賀津也君) ただいまの件につきましても、後刻理事会において協議いたします。


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