日本共産党の田村智子議員は9日の参院文教科学委員会で、政府が今国会で法制化を図る「小中一貫教育」について、地域の人々や保護者の反対を押し切って学校統廃合を促進しかねないと追及しました。
各地で進められている小中一貫校導入の多くは学校の統廃合計画にともなうものです。東京都杉並区では、2004年に小中学校の改築費用抑制を目的に、小・中5校ずつ減らす計画が、地域住民の反対にあい頓挫しました。その後、施設一体型の小中一貫校導入計画が持ち出されました。
「統廃合ではなく、小中一貫校設置と言えばプラスのイメージがある」と説明する自治体担当者もいます。田村氏は、改築費用節約を理由にしているほか、統廃合反対の声を抑えるために小中一貫校設置が進められていると指摘。下村博文文科相は「少子化に対応して集団規模の確保や活発な学年交流を意図して、小中一貫校を進めるのは一つの方策」と答えました。
田村氏は、京都市右京区京北地域で学校を統廃合して小中一貫校設置の是非を議論するために保護者らが臨時総会を開こうとしたのに対し、学校側が学校施設の使用を拒否し、学外での開催も認めなかったことを取りあげました。下村文科相は「コメントできないが、調べてみたい。地域住民や保護者の十分な理解が必要で、そのための丁寧な議論が必要だ」と述べました。
(「しんぶん赤旗」、2015年6月12日(金))
【 2015年6月9日 参院文教科学委員会 議事録 】
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
今回の法案は、小学校と中学校を一体とした義務教育学校を法制化するというものですが、将来、今の学制を解消し一学年から九学年の義務教育学校に全てしていくという方向でもないし、それぞれの自治体の判断で義務教育学校を設置することが可能という中身になっています。なぜ義務教育学校を設置するのか、その理由も、私も説明を聞いていて、いまだ定かではないなというのが私の感想です。
子供の身体的発達が昔よりも早いといいますが、身体的発達は今個人差が大変大きくて、また、精神的発達や社会性という面で見れば果たして発達が早期化していると言えるのだろうかと、これも疑問に感じるわけです。文科省が説明する中一ギャップについても、衆議院の審議で、国立教育政策研究所でさえ事実より印象に基づく概念だと疑問を呈しているということが示されました。
そこで、印象ではなく事実に基づいて質問していきたいと思います。既に施設一体型の小中一貫校は各地で設置されています。その開校に至る経緯というのを事実に基づいて見てみたいんです。
二〇一三年十月、朝日新聞が、同じ敷地に小中学校があり九年間のカリキュラムを実施している小中一貫校全て、当時で百校です、そこにアンケート調査を行っています。開校に至る経緯として統廃合計画の中で計画されたという回答が五十二校で、理由としては一番多いわけです。小中一貫校は統廃合の新たな動機付け、新たな手法となってきた、これが現実ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の朝日新聞の調査におきまして、回答のあった百校のうち五十二校が統廃合計画を開校の経緯として挙げているということでありますが、この調査は、小中一貫に取り組む学校のうち小学校、中学校が同一敷地にある学校のみを対象としたものであることから、学校統廃合との関係が高い結果が出た可能性があるのではないかと思います。
事実に基づいた検証という意味では、昨年、文部科学省において過去三年間の小学校、中学校の統合事例を調査したところ、七百八十二件の統合実施件数のうち小中一貫校の整備を伴うものは三十四件、全体の四%にしかすぎなかったところでありまして、小中一貫教育が学校統廃合の動機付けとの手法となってきたということは、事実に基づけば言えないことだと思います。
○田村智子君 これは、小中一貫校って、これから義務教育学校としてつくっていこうということですからね。事実、一体化するところは、統廃合に伴って一体化、これは事実として出てきているというふうに思うんですよ。
この調査を担当した記者の論説を読みますと、一貫校は小学校同士の横だけでなく中学校との縦の統合もできるツールだと率直に認める自治体担当者もいたと、こう書かれているわけです。そうすると、今回法制化されればこういう流れが更に強まって、統廃合が小中一貫校の設置を理由に進められるという危険性が高いのではないかと私は危惧しています。
具体的な事例を挙げます。
杉並区、今年の四月に初めての施設一体型一貫校を開校しました。今後、二〇一九年四月、小学校二校と中学校一校を統合し、一貫校を開校するという計画を示しています。
これには経緯があります。杉並区は二〇〇四年に、小中学校五十五校の改築費用、大規模改修必要になる、その費用を抑えることが必要だと。そこで、小中五校ずつ減らすという計画を立てました。しかし、地域の大きな反対運動に遭って、この計画は事実上頓挫をしたんです。そこで、今度は、施設一体型の学校建設で三校を一校にと、しかもこの方が改築をするよりも経費を抑えることができるんだと、こういう計画を示してきたわけです。ほかの自治体でも、統廃合と言えば後ろ向きだが、一貫校設置と言えば前向きに受け止められるという議論をしているところもあるわけです。
今後、大規模改修、非常に増えていきます。そうすると、これを縮小することを目的に、あるいは学校統廃合への反対の声を抑えるために小中一貫校を設置する、こういう議論が現にある。この現実はどのように受け止められますか。
○国務大臣(下村博文君) 今後、残念ながら少子化になってくる中で、それに伴って学校の小規模化の進展も予想されるわけであります。十分な学校規模を確保し、子供たちにとって望ましい教育環境を整備していくことは重要な課題であると思います。
このため、少子化に対応した魅力ある学校づくりを進める上で、児童生徒の集団規模の確保や活発な異学年交流等を意図して小学校、中学校を統合して小中一貫校を設置することは一つの方策であると考えられますが、これはあくまで設置者が地域住民や保護者とビジョンを共有しつつ主体的に判断すべき事情であると考えます。
○田村智子君 そうすると、一点確認をしたいんですが、やっぱりこの法案を出したことによって統廃合は一層進むだろうということを文科省もこれ想定をされているということになるんでしょうか。今までの答弁聞いているとそれは否定しないというふうに聞こえるんですが、その点いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) この法案は、統廃合と関係している法案では全くございません。これはあくまでも、子供の学ぶ中で小中一貫の方がより子供たちにとって成果、効果が上がる、そういう教育上の視点から考えている法案でありまして、統廃合のスタンスといいますか考え方はこの法案の中には全く入っておりません。
○田村智子君 しかし、今回の法案と一体で国の施策を見てみても、まさに学校統廃合と一体の小中一貫校設置ということが後押しされていくんじゃないかというふうに思います。
総務省、昨年四月、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するため、速やかに公共施設等総合管理計画の策定に取り組むよう、総務大臣名で地方公共団体に要請をしています。これは、公共施設が更新時期に入る、人口減少も踏まえて公共施設を整理統合せよと求めるものです。自治体は、今厳しい財政状況もありますから、どうやって経費を抑えるかという議論、これは独自にも行っているけれども、国からも言わば背中を押される、尻をたたかれるという、こういう状況にあるわけです。そして、学校についても、統廃合と一体の小中一貫校の計画というのが次々に浮上しているというのが実態です。
文科省も今年一月、学校規模適正化の手引を示しましたが、その中で小中一貫校を有力な選択肢として統廃合を進めていくということも挙げているのではないでしょうか。これでは国も、まさに統廃合と一体で義務教育学校を設置をしなさいと、こう促していくことになるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 少子化や人口減少に対応して、学校を含めた公共施設を地域の実情に沿った最適なものとしていくことは重要なことでありますが、小中一貫教育の導入というのは、先ほど申し上げましたように、子供たちにとってより良い教育環境を整備するという教育的見地を中心に据え、地域住民や保護者とビジョンを共有しつつ検討すべきものであるというふうに考えます。
学校規模適正化に関する手引におきましては、小規模のメリットを生かし、デメリットを解消しながら学校を存続させる場合の工夫例も様々盛り込んでおります。
文科省としては、施行通知や各種会議等を始め様々な機会を捉えて、小中一貫教育の趣旨や、そして少子化に対応した活力ある学校づくりの選択について丁寧に周知して、最終的にはその設置主体、自治体が考えることでありますが、地域住民と保護者とがビジョンを共有して学校については検討する必要があるというのは、これは文部科学省のスタンスであります。
○田村智子君 私も、例えば過疎地域などで、自治体が保護者や住民の皆さんともよく協議した上で小中学校を一貫校に統合すると、これ、否定するものではありません。しかし、住民の反対運動が巻き起こる中で強引に小中一貫ありきと、これで統廃合が進められる、こういう事例も決して少なくないからいろんな危惧を今並べ立てたわけです。
具体的に挙げます。京都市、特区制度を活用して小中一貫校を設置してきた先進自治体です。ここの右京区では、昨年、京北地域の公立小中学校全て、これは小学校三校、中学校一校、これを一校の小中一貫校に統合するという計画を現在進めています。
五月二十六日付けの京都新聞読みますと、各校の保護者に一貫校の提案があったのは昨年四月。うち小学校二校は八か月後に統合を認める決議が出されたが、ほかのところでは結論まで数年掛かるのではないのか、拙速だという不満の声が保護者の中からも出されていると報道されています。
さらに、決議を上げていない中学校では、PTA役員が全保護者の思いを決議に反映させたいとして、総会に参加できない保護者が書面で採決に参加できる仕組みにしようと、そのためのPTAの臨時総会を開こうとしました。しかし、学校はそのための施設使用を認めなかった。学校外で開催することも承認しないということをわざわざ内容証明で通告をしたと。やはり決議を上げていない小学校、PTAが計画案の賛否を全保護者に聞きましたが、その数字の公表を学校長が認めないと、こういう強引な計画をどのように思われるのか。
また、あわせて、文科省が示した学校規模の適正化のガイドラインでは、統廃合を行う場合、先ほどお話あったとおり、十分な理解と協力を得てということが言われているわけですが、これは当然、小中一貫校あるいは今後の義務教育学校の設置についても同様だと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 京都の事例は、今お聞きしただけではにわかにそれが適切な対応であったのかなかったのかということはちょっとコメントできません。調べてみたいと思います。
ただ、御指摘のように、まずは、学校というのは地域の実情に合った最適なものとして位置付ける必要があると、そういう意味で、この小中一貫教育の導入というのは学校統廃合が前提ということではなくて、子供たちにとってより良い教育環境を整備するという、そういう教育的な視点がこれは重要でありますから、当然、地域住民、それから保護者、そういう方々と共有した考え方の下で義務教育学校については自治体が判断をしていただきたいと思います。
○田村智子君 是非調べていただきたいんですけど、京都の事例、これ、入学予定の地域住民も含めて丁寧な説明や協議をしてほしいというその声が切実なんです。しかし、説明会も在校生の保護者のみとか、地域の人は説明会やらないとか、こういう対応しているところもあったわけです。
また、京都市では、自治会の一部の役員やPTAの役員の賛同を取り付けたことをもって地域や保護者の理解を得ていると、こういうやり方を進めていることがほかの地域でも見られるわけです。中には、PTAが決議上げたというけれども、その賛成決議に参加したのは一桁の保護者だったと、こういう事例さえあるわけです。
大臣、もう一点だけ確認したいんですけど、このような一部役員の理解イコール当事者や地域の理解とは言えないというふうに思いますが、その点だけちょっと意見を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 文部科学省で学校統合におきまして手引を作っているわけでありますが、手引の中で、学校が地域コミュニティーの核として大きな役割を果たしていることに鑑み、学校規模の適正化等の具体的な検討に当たり、保護者や地域住民の十分な理解と協力を得ることなど、地域と共にある学校づくりの視点を踏まえた丁寧な議論を行うことが重要である旨明示しているところでありまして、こういう視点に立って、小中一貫教育の導入に当たっても考えていただきたいと思います。
○田村智子君 今回、法案が成立すると、そして十分な理解を得るためにということで、義務教育学校のメリット、小中一貫校のメリットということがたくさん文科省の方からも出されてくるんだろうというふうに思うわけです。しかし、私は、今示されているデータについても幾つかの点で懐疑的です。
例えば、品川区の中学生の不登校のデータ。これは資料でお配りしました。過去十年間で見ると、不登校の生徒数というのはほぼ横ばいです。しかも、この数年、なぜか病休が急増をしていて、このために長期欠席者は減ってないんです。むしろ、過去十年間で見ても最高の割合になってしまっているわけです。これ、全国平均の二倍以上。
また、入間市。ここでは小学校の不登校児童数、二〇一四年度はゼロ、中学校でも不登校は減少だと、これ中教審の、小中一貫の検討している中教審の資料で示されているんですが、入間市は小中一貫校を全市的に推進してきたわけでもありません。現場の教員からは、二〇〇七年度から不登校対策の研究事業の委託を受けてきた、それが数字に表れているのではないかという声を聞きます。不登校がいた小学校に対して、教育委員会が校長に何とかならないかと働きかけて、放課後に保健室に連れていくとか、あるいは病休扱いにするなどの対応があったということも聞いています。不登校を必ず前年度より減らすという目標を掲げることもどうかなというふうに思うんですが、ただ、いずれにしても入間市は不登校対策ということに積極的に取り組んできた、これが事実だというふうに思うんです。
小中一貫校の設置が不登校の減少の要因と言えるのか、これは大変疑問に思うんですが、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(下村博文君) 入間市の事例とそれから品川区の事例についての御指摘でありますが、今までの文部科学省でこの小中一貫校を行った千を超える事例の中で、これは一般論で言えば不登校等に対してプラスの効果、つまり減っていくという効果があるというアンケート結果が出ているわけであります。個々具体的にはいろんな要因等があると思いますが、一般的に言って、成果、効果が上がっているというデータが出ているということはアンケートの結果等で明らかでございます。
○田村智子君 私、入間市の場合、加えて指摘しますと、不登校の児童生徒が通う適応指導教室、二〇一四年度三月末時点で小学生二人が通っていて、学校復帰、部分復帰はいないんです。だけど、小学校の不登校はゼロという資料が中教審に出されてきているわけですよ。何でそんな資料が出されたのかと、私、大変疑問に思います。それは余りにも子供を置き去りにして、小中一貫校の成果を言わば何か宣伝するためにそういう資料をわざわざ作ったのかと思わざるを得ないわけですね。
学力向上の成果についても、例えば品川区、これは成果が上がっていると言われています。最初に設置された小中一貫校、日野学園。夏休みに八年生、中二ですね、対象に三泊四日の勉強合宿やっています。原則全員参加、朝八時から夜八時までひたすら勉強と。この取組がほかの一貫校にも広がっていくと。また、英語の学習塾というのを放課後行って、五校を拠点校として周辺の子供たちも通えるようにしている。小学生の漢字の小テスト、全ての小学校においてほぼ毎日行われています。
こうした実態を見ると、それは小中一貫教育ではなくて、学力テスト対策が学力調査の点数を上げたということではないのかなというふうに思うんですが、この点、大臣、いかがですか。
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
御指摘の品川区の事案でございますが、小中一貫教育に総合的に取り組む一環といたしまして、学力向上についても力を入れているものというふうに承知いたしております。
文部科学省といたしまして、小中一貫教育は、学習指導や生徒指導の別を問わず様々な効果のある指導を相互に連携させながら、九年間継続して総合的に展開していく取組であるというふうに考えており、そのうち、どの取組が学力向上に寄与しているか特定するということは、とてもまだ困難であるというふうに考えております。様々な総合的な取組の中で、現在多くの小中一貫教育校から報告されているような学力向上といった成果も生まれるというふうに考えております。
○田村智子君 どの取組が効果を出したのかはよく分からないという御答弁でした。
大体、不登校、学力など、小中一貫校とそれ以外の学校を同じ条件で比較したデータというのはそもそもないわけで、これでは私たちも検証のしようがないというのが現実だと思います。
一方で、小中一貫校の問題点、私、都内の小中一貫校を幾つか視察しましたが、これ様々な困難が生じていることは明らかだなと。特に都市部は、大規模化することによって学校運営上の問題生じていると言わざるを得ません。
その一つは、校庭が余りに狭いという問題です。都内では、小学校、中学校でも運動場に十分な面積が取れないということは間々あります。そういう運動場を小一から中三までが使用する。これは問題大きいです。
品川区のある一貫校、一学年から九学年、約千人で運動会を行います。ここの運動場、そもそも小学校、中学校、いずれの学校設置基準にも満たない面積です。私も運動会当日見学しましたが、校庭には保護者が座る場所もありません。児童生徒の移動を保障するためにトラックに近づくこともできない、金網越しに子供の姿を見るという状態なんですね。だから、自分の子供がいつ走ったか分からないという保護者もいました。しかも、学年が多いので児童生徒の出番が少ない、保護者も出たり入ったりするわけです、出番が相当なくなっちゃうから。私がこれまで見てきた運動会とは全く異質のものでした。もちろん、学校側は相当な苦労をしてこれ運営していると思うんですね。運動会だけではありません。中学生の部活動を優先すれば、小学生の校庭利用は制限されます。昼休みなど校庭で遊ぶとき、小学校一、二年生などの安全確保も求められるわけです。
これは、義務教育学校の運動場についてどのようなガイドラインを果たして示すのかなと、安全確保するために。これ是非お聞きしたいのと、既にそんなガイドラインもないままに造られちゃったんですよ。こんな事態なんですよ。だから、今ある一貫校で大規模化しているところ、運動場などの施設に対する対策が必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) まず、御指摘の品川の日野学園は、私も、小中一貫的な視点ではなくて、土曜授業を熱心にしているということで視察に行ったことがありました。そういう視点でしか見なかったので、ちょっと運動場とかそういうのを十分お聞きしませんでしたが、小学生、中学生が一体となって、もちろん土曜授業ですから本人の希望ではありますけれども、非常に活気があった、いい雰囲気の学校だなという、そういう印象を持ちましたが、運動場における品川の問題というのは、そういう事例があるということでの御質問だと思います。
現在、運用上の取組として行われる小中一貫教育学校は、御指摘のように、本来小学校部分については小学校設置基準が、それから中学校部分においては中学校設置基準が適用されているわけですから、運動場については両設置基準において面積の基準が示されて、そのとおりに使用できるようにしなければならないと思います。しかし、ただし書におきまして、地域の実態その他により特別な事情があり、かつ、教育上支障がない場合はこの限りではないというのがありまして、小中学校で運動場を共有することも認めていると。実際の面積と児童生徒数によっては、御指摘のように、運動場が小中一貫教育導入以前と比べて相対的に狭くなるケースもあり得ると思います。
義務教育学校は、小学校、中学校と同様の目的を実現するため、小学校及び中学校の学習指導要領を準用して教育活動を行う学校であることという視点からも、義務教育学校のみに対応した設置基準を別途制定することは考えておりませんが、文科省としては、運動場等の施設の共用によりまして教育上の支障が生じるということがないように、小中一貫教育の実施に伴う施設の整備、活用上の留意点、それから好事例等を各地方自治体に示すなどの取組を積極的に行ってまいりたいと思います。
○田村智子君 これは確認ですが、義務教育学校の施設基準はガイドライン的に示さないということなんですか。示さないんですか。
○政府参考人(小松親次郎君) ただいま大臣から御答弁を申し上げましたように、義務教育学校につきましては、学校そのものが小学校及び中学校の学習指導要領を準用して教育活動を行う学校でございます。この設置基準はこれらがきちっと実施できるように設定されているものでございますので、別途の設置基準を制定するということは考えておりません。
一方で、今御指摘の運動場等の施設の共用により教育上の支障が生じることのないようにする観点から、小中一貫教育の実施に伴う施設の整備の活用上の留意点や好事例等を各地方自治体に示すといったような形で、その在り方が分かるようにしていくということは行っていきたいというふうに考えております。
○委員長(水落敏栄君) 田村さん、まとめてください。
○田村智子君 これ、重大ですよ。これ、駄目だと思いますよ、私。そんな、小学校と中学生が一緒に運動場使う。じゃ、二つあるならいいですよ、中学校基準で一つ、小学校基準で一つ。プールだって小学生と中学生で深さ違うわけですよ。これどうするのかということを曖昧にしたら、重大な問題です。
ちょっと今日はもう時間が来たので、この点も二日目の日に併せてただしたいと思います。
終わります。